USインディーの大御所、Yo La Tengoの新作「There's A Riot Going On」がリリースされました。Sly & The Family Stoneの1971年リリースの名盤「暴動」の原題と同じであります。「今そこで暴動が起こっている」をテーマに全15曲が収録されています。きな臭い世界に向けた彼らのメッセージが込められたアルバムです。
アルバムタイトルからは過激で刺激的な動をイメージしたサウンドを思い浮かべるけど、Yo La Tengoはいつもと変らないヨラ節を折りませながら、静のイメージを意識したドリーミーでポップなアルバムに仕上げています。しかし、ただ単にポップじゃないところが、80年代後半からインディー音楽シーンの第一線で活躍してきた彼らの魅力でもあります。アンビエントやミニマル、そしてジャズの要素をも採り入れてエクスペリメンタルなエッセンスを随所に醸し出してくるあたりは流石です。
話は変るけど、私がよくCDを購入しているサイトのWOW HD JPと商品が届かないことでトラブっています。2月20日に在庫のあるCDを注文したけど、未だ届いていません。WOW HDはイギリスの会社で日本語サイトがあって日本円で価格表示されている。ただ、それだけでクレームも日本語でOKだけど、回答が英文でくるのですよ。なので日本語で書くよりも「CD届いていないから、再度送って」と簡単な英文で3月24日にクレームメールを送った。2日後に次のような回答が来た。
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The Notwistと言えば、Markus Acherばかりに注目が集まりますが、各メンバーの存在も見逃す訳にはいきません。特にドラムスのAndi Haberlはエレクトロニクスの電子音が飛び交う中、ノイジーに鳴り響くギター音をしっかりと捉えて、その両方に絡み着くようにリズムを刻む豪腕ドラマーです。それともう1人、ヴィブラフォンからパーカッションまで様々な楽器を駆使してThe Notwistの魅力を引き立てていたKarl Ivar Refseth。Markus Acherと同じくフロントに位置していたので、そのマルチな演奏に魅せられてしまったのも確かです。このようなメンバーが居てThe Notwistサウンドが構築されているのを改めて実感しました。
Los Angeles Free Music Societyを語るうえで外せない重要人物Joe PottsのプロジェクトAirwayの紹介です。Le Forte FourのメンバーでもあるJoe Pottsは音によるサブリミナル効果や幻覚症状が如何に引き起こされるかを考えていたらしい。それを具現化したのか1977年にリリースした7インチシングル「Airway」であります。Le Forte Fourの音源テープにVetzaのアヴァンなヴォーカルとヴォイスを組み合わせたフリークアウトな世界です。
Joe Potts / Airway(7inch)
Joe Pottsの試みをより深く実践しようとすると、観客を前にして音を出すしかなかったのでしょう。Le Forte Four のメンバーであるRick Potts、Chip Chapman、そしてVetza、Juan Gomez、さらにはTom Recchion、Dennis DuckといったのちにSmegmaに参加するメンバー達が集まって、1978年にAirwayとして最初にリリースされたのがライブ盤「Live At LACE」でした。マンドリン、シンセサイザー、ヴォーカル、ギター、ベース、ドラムス、サックスから掻き鳴らされる音を集約してフェクター処理を行い、より凶暴にスピーカーから音を出させていたのがJoe Pottsなのであります。フリージャズ、ガレージパンク、ノイズ、サイケをごちゃ混ぜに組み合わせたアヴァンギャルド・ミュージックの名盤です。
Airway / Live At LACE(CD)
Airwayのセカンド・アルバムは2001年にリリースされた1998年のライブ音源「Beyond The Pink Live」です。「Live At LACE」よりも多くのLos Angeles Free Music Societyのオールースターメンバーが集まっており、加えてDestroy All MonstersのMike Kelleyやノイズ・パフォーマンス作家John Duncanなども引き連れて総勢18名の大所帯による演奏。大まかな方向性を決めて、後は自由にジャムってくれといった感じです。このアルバム、「Beyond The Pink Live」のCDの他、Joe Pottsの7インチシングル「Airway」の復刻盤がセットになっています。さらにCD-ROMも付属していてPDF画像や映像までもがセットになっている豪華盤。ファンとしては嬉しいアルバムです。
Airway / Beyond The Pink Live(CD+7inch+CDR)
Airwayのサード・アルバムは2015年にリリースされたこちらも2014年のライブ音源「Live At Mark Moore Gallery」です。基本的にはこれまでの路線を踏襲しているが、録音技術が進化したおかげなのか、クリアーで臨場感溢れる音になっています。総勢15名によるノイズ・パノラマの絵図を想起させる感覚は圧巻です。今回のライブに参加しているJohn Wieseがミックスを行っていて、彼のレーベルHelicopterからリリースされています。ハーシュノイズだけど、清々しく聞えるのはこの人のおかげなのかな?
2人のコラボレーションはこの2枚しかリリースされていません。Jacqueline Humbert個人としては2004年にコンピレーション盤Chanteuse (Songs Of A Different Sort)をリリースしています。幾つかの曲でDavid Rosenboomが参加した未発表音源が収録されています。まだ、色々と音源は有りそうなので、リリースを期待したいですね。