ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

カバー曲が原曲を超えた? By Bardo Pond

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Bardo Pond / Looking For Another Place

昨年の年間ベスト・アルバムNo.1にBardo Pond「Peace On Venus」を選んだ私であります。そのBardo Pondがまたしてもやってくれました。今回は今年4月19日のRecord Store Dayにあわせて限定200枚のレコード「Looking For Another Place」をリリース。通常の新作ではなく、企画ものとしてA面B面に、それぞれ1曲を収録したアルバムになっています。その収録曲がThe Velvet Underground「Ride Into The Sun」とBrian Eno「Here Come The Warm Jets」であります。しかも15分を越えるロングバージョンにアレンジしての収録です。Isobel Sollenbergerの気だるいヴォーカルを活かし、Gibbons兄弟のサイケな轟音ギターが唸るBardo Pondの魅力を最大限に出しきったアルバムに仕上がっています。素晴らしいの一言です。


Ride Into The Sunは、元はインスト曲でThe Velvet Undergroundのオリジナル・アルバムには収録されなかったボツテイクです。それをLou Reedが1972年の初ソロ・アルバムに歌詞をつけて収録したのであります。その後、1986年にリリースされたThe Velvet Undergroundのコンピレーション・アルバム「Another View」に初めて収録された。1997年のLoadedのフル・バージョンにもボーナス・トラックとして収録されているが、曲作りにJohn Caleの名前があることからしJohn Cale在籍時の曲である。Dean Warehamが率いていたLunaもカバーしていたことからしても隠れた名曲なのかもしれない。

 

そして、もう1曲、Brian EnoRoxy Musicを脱退した後、1973年にリリースした初ソロ・アルバム「Here Come The Warm Jets」のタイトルナンバーである。アンビエントではなく初期のRoxy Musicを思わせる曲に苦笑いしてしまった(今回初めて、Brian EnoのHere Come The Warm Jetsを聴いた)。

 

Bardo Pondは、昨年もRecord Store Day絡みで「Rise Above It All」というレコードをリリースしている。今回同様にA面B面1曲ずつでカバー曲となっている。Funkadelic「Maggot Brain」そしてPharoah Sanders「The Creator Has A Master Plan」のカバーである。彼らの場合、どんな曲をカバーしたとしても、Bardo Pond流に再構築してくる。原曲を良く知っていたとしても、それだと分る人はそんなには居ないと思う。コンピレーション盤などリリース量が多いので、カバー曲も多いのかも?あまり気にしていなかったが、今度持っているBardo PondのCDやレコードのクレジットを今一度確認してみる必要がありそうです。以外な曲がカバーされているかもね。