ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

Terry Riley、2枚のレコード盤より

8月のディスカホリックでも簡単に紹介していたTerry RileyのTwo Early Worksの他にもう1枚オーダーしていた。9月の初めに届いたLive Koln 1975というブート盤であります。両方、素晴らしい作品なので、あれこれ書いてみました。

  

Terry Riley / Two Early Works Performed By Calder QuartetLP 

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ブルー&イエローのカラーヴァイナル仕様で、Terry Rileyの75歳の誕生日を記念して2008年にCalder Quartetによって録音され、2010年にリリースされたTwo Early Works。Terry Rileyの60年代初期のストリング系楽曲「String Quartet (1960)」と「String Trio (1961)」の2曲が収録されています。この2曲、世界初演録音であります。半世紀も経ってやっと日の目を見ることに対して、Terry Rileyが感激したことをライナーノーツでコメントしています。

 

Calder Quartetが、Terry Rileyを演ずるのはこのアルバムが初めてです実験的なことは何もないけど、緩急を織り交ぜてスリリングに聴かせてくれます。AndrewW.K.やVampire Weekendとも仕事をしているCalder Quartetですが、今後のTerry Riley との関係が、Kronos Quartetの様に縁の深い関係になっていくのか、ファンとしては注目ですね。

 

そして、気になるのがリリース元の75 Recordsです。品番が75001になっています。Terry Rileyの75歳記念ということもあって、このレコードの為だけのレーベルなのかと思いますね。

 

 

Terry Riley、Don Cherry / Live Koln 1975  (LP)

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Terry RileyとDon Cherryによる1975年のケルンコンサートのライブ盤。レーベル名もなく、レコードのラベルも白紙のままといった怪しいLP盤。このレコードを€ 63.34(9,040円)も出してDiscogsマーケットから買ってしまった。日本のMeditationsやArt into Lifeで4,000円台で買うことも出来たが、買うタイミングが合わず、すぐに売り切れになっていた。Discogsマーケットで確認してみると価格がすでに2倍になっていた。Don Cherryとのコラボレーションなので、どうしても欲しいし聴きたい!確実に入手出来るということで、思わずオーダーしてしまったのであります。

 

Terry RileyのキーボードにDon Cherryのトランペット、パーカッション、そしてドイツのKarl Bergerがヴィブラフォンで絡む展開。曲の方は、Terry Rileyの2曲「Descending Moonshine Dervishes」と「Sunrise Of The Planetary Dream Collector」に3者よる即興演奏による「Improvisation」の計3曲が収録されている。特に「Descending Moonshine Dervishes」はその時代の代表曲であり、そして「Sunrise Of The Planetary Dream Collector」はその後、Terry Riley と縁の深いKronos Quartetのアルバムに収録された曲でもあります。聴き比べてみると、まったく違う曲に聴こえるけどね。

 

録音状態が良いとは言えないが、ミニマルでサイケデリックな雰囲気だけは十分に伝わってくる好盤。その頃のTerry Rileyを的確に反映していると思う。9,000円以上出しても入手出来た事は正解だった。ただ、身元不明のブート盤なので、オフィシャルでリマスターをして再リリースして欲しいのだが。まあ、ブート盤でリリースされるのだから、諸事情は色々とあるのでしょうね。