ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

2014.10.9 Boston@日本武道館

Bostonについては、以前にもこのブログで書いたが、私がロックに目覚める切っ掛けを作ったバンドであります。そのBostonが35年振りの来日ということであれば、何が何でも行くしかありません。オリジナル・メンバーはTom Scholzのみです。曲作りからプロデュースまですべてを担う彼の世界を忠実に再現するのがBostonですから、他のメンバーは誰でもいいかと思っていたが・・・

f:id:hiroshi-gong:20141011152659j:plain

ライブ会場となった日本武道館には椅席が用意されていました。私が普段行っているライブはスタンディングが多いので嬉しい限りです。まあ、観客の殆どが40代50代のおじさん、おばさんばかりですからね。会場の雰囲気も非常に落ち着ていたので、個人的には少し違和感を覚えた。

 

開演時間19時からであったが10分ほど遅れて、これこそオープニング・ナンバーに相応しいRock & Roll Bandで始まった。音の方も予想以上にクリアーに聴こえて演奏もタイトで小気味いい。その後、Smokin'、Feelin' Satisfiedという70年代の軽快な楽曲にノック・アウトされてしまった。単純にロックって楽しい~ってことを再確認した。

f:id:hiroshi-gong:20141011152853j:plain

今回のライブ、昨年後半にリリースされた新作「Life, Love & Hope」からは2曲と少なかった。自分達の置かれている現状をしっかりと把握した選曲だと思う。まして、35年振りの来日となれは、70年代の「幻想飛行」「Don't Look Back」、そして80年代の「Third Stage」で纏めるのが賢い。集まった観客もそれを望んでいる。しかし、それってどうなのかなと私は思う。このまま懐メロ・バンド化するにはちょっと惜しい。その鍵を握っているのが、今回新加入したリード・ヴォーカルのTommy DecarloとベースのTracy Ferrie、2001年に加入した女性ギタリストKimberley Dahmeだと思う。ライブの中でも、自らの存在感を遺憾なく発揮していた。

 

そして、スペシャル・ゲスト・ヴォーカルとして「アメリカン・アイドル」のオーディション・クランプリ・ファイナルまでいったSiobhan MagnusにWalk Onを歌わせたことにあります。日本でいうとAKB48のメンバーがベテラン・ロック・バンドのライブで1曲歌うようなことなのでしょうね。この柔軟な発想がある限りBostonはまだ進化すると思う。まあ、そんなことを言うのは私ぐらいかと思いますけどね(笑)。

f:id:hiroshi-gong:20141011152948j:plain

ライブの方は、中盤以降にDon't Look Back、Amanda、More Than a Feelingといった名曲を配置。圧巻だったのはラストのForeplay / Long Timeですね。Bostonのすべての魅力を凝縮した曲を完璧なまでのパフォーマンスによって再現されました。素晴らしかったです。アンコール2曲もやって全23曲、2時間近いライブが終了した。ロックの楽しさを改めて実感させてくれたライブ。出来ればこのメンバーで定番として活動して欲しい。新生Bostonが生き残るヒントはあったように思う。

 

ちょっと気になる事と言えば、Tom Scholzの左膝にサポーターがしてあったことです。御年67歳ですから、無理せずにまだ頑張って欲しいですね。あともうひとつ、Tom Scholzが反捕鯨であることは一緒に行った友人から聞かされていた。それで、ライブでのバック映像にシーシェパードが流れたのである。日本人としては、非常に複雑な心境であるのは確かです。あまり深く考えないようにしますけどね。