ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

Volcano The Bear「Commencing」(5Vinyl Box)

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1995年にイギリスのレスターでAaron Moore、Daniel Padden、Clarence Manuelo、 Nick Mottの4人によって結成されたVolcano The Bear。彼らの5Vinyl Boxが、ベルリンのMiasmahよりリリースされました。初期のカセット作品、CDR作品といった今では入手困難な音源と未発表音源を時系列ごとに纏めたコンピレーション盤です。

 

volcanothebear.bandcamp.com

 

アヴァンギャルド、エクスペリメンタルといった音楽を実践しているVolcano The Bearですが、その範疇では語りつくせない様々な手法を用いて訴え掛けてきます。ライブでは体を駆使したパフォーマンスでアングラ劇団を思わせる感じで攻めてくる。今回のBoxもそのイメージを喚起させる楽曲はかりです。どれもスタジオ・ライブ一発録音的な雰囲気であります。無造作に音を掻き鳴らしているけど、しっかりと構成されいて、シンプルな音像の中に4人の動きが浮かび上がってくる摩訶不思議な世界。Volcano The Bearの魅力を余すところなく伝えています。これまでの足跡を知る重要なBoxです。

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このBoxをリリースしたMiasmahも本当に素晴らしい仕事をしています。ブックレットが付いているが、これがVolcano The Bearのアートな側面を遺憾なく表している。ライブ告知のフライヤーやカセット作品の手作りラベル、そしてライブでの写真など、見ているだけでも楽しいブックレットです。レコードジャケットはメンバーの顔が点字イラストで描かれていて、中の紙袋にはビニールがしっかりと施されています。Boxパッケージは上箱と下箱のサイズがぴったりで、合せた時に傾くことが無いのです。すべてにおいてVolcano The Bearに対する熱い思いがヒシヒシと伝わってくる丁寧な作りであります。

www.youtube.com

現在Volcano The Bearのメンバーは、個々に活動を行っています。Aaron Mooreは、元ReynolsのAnla Courtisとのコラボレーションやソロ活動を行っている。Nick Mottは昨年ソロアルバムをリリースした。Daniel Paddenは自身のバンドThe One Ensembleの新作に向けて、そろそろ取り掛かってもいい頃です。そんなことでVolcano The Bearとしての活動は不透明であります。前回2012年のライブ・ツアーはAaron MooreとDaniel Paddenの2人だけでした。再び4人揃って活動再開して欲しいところですが・・・

 

Volcano The Bearは以前もブログで取り上げています。

hiroshi-gong.hatenablog.com