Steve Reich80歳記念ライブを観てきました。現代音楽なども好きな私ですが、この手のライブを観るのはReichが初めてなのです。東京オペラシティという高尚な場所も初めてで、ロックのライブ会場しか知らない私に取っては、もの凄くお洒落で新鮮に感じました。
予め、演奏する曲は公表になっていたので、知っている曲は持っているCDでしっかりと予習することが出来た。ただ、演奏者が違うのでその辺りも興味深いです。今回はColin Currieを中心としたグループにSyncrgy Vocalsが加わる編成と成っている。ここに作曲者Reichがどうのように関わるのかも楽しみなのであった。開場が18時20分なのに17時頃には東京オペラシティ館内をウロウロしていた。
ライブは定刻通りにスタート。1曲目はClapping Musicです。Reichの代表曲でもあり、私がReichを知ったのもこの曲なのであります。多数のメンバーでのパフォーマンスを展開するのかと思いきや、ステージ上に現れたのはReichとColin Currieの二人だけであった。この二人による手拍子の掛け合いです。元々は二人から始まっているので原点を再現した展開です。シンプルで派手さは無いけど、引き込まれてしまう。単なる手拍子を音楽として認めさせてしまったReichの偉大さを改めて再確認してしまった。
続いての曲はヴィブラフォン2台と5オクターヴ・マリンバ2台によるMallet Quartetです。近年の曲で、2011年リリースのアルバム「WTC 9/11」でSo Percussionの演奏が収録されています。アンビエントな雰囲気をも感じさせ、ポストロックの面々がReichをリスペクトするのも分かる1曲です。Colin Currie Groupの4人はそれを見事に再現し、素晴らしい演奏を披露してくれた。
次の曲はピアノ2台とヴィブラフォン2台によるQuartetです。ReichがColin Currie Groupに献呈した曲とのことです。Colin Currieが打楽器奏者であることを考慮したのか、ピアノがパーカッシブに鳴り響いています。これも素晴らしい演奏でした。今年はColin Currie GroupとしてReich作品がリリースされるとのことです。メインはこの曲なのかな?
20分の休憩時間を挟んで後半スタートです。まずは、Steve Reichトーク・ライブです。インタビュアーが3回目となる東京オペラシティの感想や最近の活動など尋ねていました。
そして、最後は今回のメインであるTehillimの演奏です。これまでに何度も演奏してきているし、アルバムにも多く収録されている名曲であります。Colin Currieが指揮を執り、Colin Currie Groupの24名に4人の女性ヴォーカルグループSyncrgy Vocalsが加わる編成です。インタビューの中でReichが最強のヴォーカルグループであると絶賛してたSyncrgy Vocalsであります。打楽器アンサンブルを巧く活用してヴォーカルを盛り上げる辺りは、流石Colin Currieといった圧巻の演奏内容です。演奏が終わった瞬間からスタンディングオベーションの嵐です。そこに Reichが加わり、さらにヒートアップ!観ることが出来て本当に良かったライブなのであった。
尚、このライブはNHKで収録しています。4月14日(金)BSプレミアム「クラシック倶楽部」午前5:00~5:55で放送予定です。興味のある方は是非とも観て欲しい!