ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

2017.11.7 Jeff Mills × Terry Riley@渋谷WWW X

ミニマル・ミュージックの大御所Terry Riley、デトロイト・テクノの巨匠Jeff Mills、アルゼンチンのオルタネイティブ・シンガーJuana Molina、この3者のジャンルを越えたコラボレーション企画が行われました。私のお目当ては、勿論Terry Rileyです。すべて観たかったのですが、11月6日にThe Master Musicians of Jajoukaを渋谷WWW Xで観ることを5月の時に決めていた為、その流れで11月7日のJeff Mills × Terry Rileyのみを観ることにした。それぞれ内容が違っていたようですが、地方から東京へ行くとなると、休みを確保しなければならないし、お金も掛かるしね。

f:id:hiroshi-gong:20171114145901j:plain11月7日 Jeff Mills × Terry Riley 渋谷WWW X

11月8日 Terry Riley × Juana Molina 渋谷WWW X

11月9日 Juana Molina × Jeff Mills 渋谷WWW X

 

11月11日 Terry Riley(単独公演) 代官山 晴れたら空に豆まいて

 

ライブの方は、最初にオープニング・アクトとしてUーzhaan&ヨシダダイキチが登場してエキゾチックな音楽を聴かせてくれました。この時点で今日は何かあるとワクワクしてしまった。そのあと、Jeff Mills、Terry Rileyが単独でライブを行い、最後にJeff MillsとTerry Rileyのコラボレーションと言った構成であった。

 

Jeff Mills

90年代のアルバムは聴いていたが、最近はどんな活動を行っているのか知らないままライブを観ることとなった。スタンディングでステージの高さが無い為、後方から観ると殆どステージ上の状況は分らない状況。正面右側にドラムセットが置いてあるのは確認出来るが、色々な機材は直接床に置いているのでしょうね。ステージ後ろの映像が始まり、Jeff Millsが登場するも機材操作する為に床に座ったので、殆ど何も見えない。映像とサウンドだけを楽しめと言うことなのか?サウンドの方はスペーシーなアンビエントで驚いた。そこに生ドラムの音がアクセント的に叩き込まれることで、サウンド全体の厚みを醸し出していた。ノンストップでの1時間演奏に散漫な感じはしたけど、心地よく酔いしれることは出来た。残念なのが、機材を操作して電子音を繰り出しているJeff Millsの表情を伺うことが出来なかったことです。最前列で観ればいいだけなのですが。

 

Terry Riley

ステージにはグランド・ピアノが設置され、ギタリストでもある息子Gyan Rileyとの2人によるライブです。近年は息子との共演も多くなっていて、2011年にライブ・アルバムもリリースされています。その流れに沿ったライブ展開です。Terry Rileyはピアノを弾き自らのヴォーカルも披露します。これがインドや中近東を思わせるエキゾチックな歌声で、会場全体が引き込まれていきます。ピアノも時にはミニマルに、そして暴力的にけたたましく鳴り響く。それをサポートする息子のギター・ワークも見事であります。エクスペリメンタルな要素は少ないけど、Terry Rileyの世界観を過去に囚われることなく、今現在の等身大に合った最高のスタイルで表現していたと思う。巷では賛否両論だったようだけれど、82歳を越えても、現役ミュージシャンとして活動していることにエネルギーを貰うことが出来た素晴らしいライブであった。

f:id:hiroshi-gong:20171115150843j:plain

これで終了かと思った時に、Jeff Millsが登場してもう1曲行った。Terry RileyとGyan Rileyの2人が織り成すサウンドにJeff Millsの電子音が絡む展開。個人的には一番面白く感じた。即興的なのでもう少し完成度を高められるかと思う。Jeff Mills ×Terry Rileyのコラボレーション企画なのだから、この部分をもっと観たかったですね。この組み合わせ、新たなる可能性を持っていると思うので、是非ともアルバム制作して欲しいです。

f:id:hiroshi-gong:20171115150924j:plain