ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

2018、4、17 The Notwist With Spirit Fest@渋谷WWW

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ジャーマン・インディーズ・バンドThe Notwistの初来日ライブを観に行って来ました。中心メンバーであるMarkus Acherは様々なプロジェクトにも参加していて、ジャーマン・インディーズ・シーンにとっても重要な人物でもあります。今回のライブは、そのMarkus Acherが日本のテニスコーツと組んだ新ユニットSpirit Festとの共演です。会場の渋谷WWWは映画館の跡地を改修してライブハウスになったとのことです。同じ建物の中には渋谷WWW Xも入っていて、こちらは以前に行ったことはあるのですが、渋谷WWWは初めてあります。客席フロアーが段差のあるオールスタンディングなので、無理に前方に行かなくても好位置で観ることが出来ました。

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Spirit Fest

19時少し過ぎた辺りでまずは、Spirit Festからのスタートです。テニスコーツのさやと植野隆司の2人にThe NotwistのMarkus Acherら3人のメンバーが参加しての演奏です。さやとMarkus Acherのヴォーカルをメインにローファイでチープに鳴り響くサウンドを特徴としています。ピアニカやサックスなども取り入れアヴァンで白昼夢的な雰囲気をも醸し出していました。

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 テニスコーツは海外のミュージシャンとのコラボレーションが多い。彼らのどこにそんな魅力があるのか考えなから聴いていた。やはり、さやのキュートで切なく歌い上げるヴォーカルなんだと思う。そこに少し屈折した要素のサウンドが海外ミュージシャン達をさらに虜にするのでしょうね。Markus Acherとの会話もほのぼのとしていて会場からの笑いを誘う。所々ですっとぼける感じも良いですね。1時間にもわたる穏やかで心温まるライブに胸が一杯になりました。


  

The Notwist

20時40分ぐらいにいよいよ本命のThe Notwistの登場です。注目の1曲目はThey Follow Meでした。2016年にリリースされたライブ盤「Superheroes, Ghostvillains + Stuff」と同じです。エレクトロニクスを駆使したサウンドが鳴り響く中、Markus Acherがしっとりと歌い上げる名曲です。この曲でノックアウトしてしまった私ですが、このあと徐々にヒートアップしていくのであります。ギターロックに絡むエレクトロニクスが絶妙のバランスで盛り上げてくるのです。生ドラムの音がいつのまにかデジタルなリズムに変っていたり、ターンテーブルでレコードを回しスクラッチノイズを再現したりと大技、小技、様々な要素を組み入れて攻撃的にたたみ掛けてくる。これまでのギターロックの概念をいとも簡単にぶち壊して掻き鳴らされるサウンドは痛快!ライブバンドとしての力量をまざまざと見せつけてられてしまった。

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 The Notwistと言えば、Markus Acherばかりに注目が集まりますが、各メンバーの存在も見逃す訳にはいきません。特にドラムスのAndi Haberlはエレクトロニクスの電子音が飛び交う中、ノイジーに鳴り響くギター音をしっかりと捉えて、その両方に絡み着くようにリズムを刻む豪腕ドラマーです。それともう1人、ヴィブラフォンからパーカッションまで様々な楽器を駆使してThe Notwistの魅力を引き立てていたKarl Ivar Refseth。Markus Acherと同じくフロントに位置していたので、そのマルチな演奏に魅せられてしまったのも確かです。このようなメンバーが居てThe Notwistサウンドが構築されているのを改めて実感しました。

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 殆どMCもなく、曲間も音で繋ぎ合わせたノンストップ展開。アンコールを含めて1時間半のライブ、最高に素晴らしかったです。先人達が築き上げてきたジャーマン・クラウト・ロックの世界を今現在に継承していくのはThe Notwistしかないと思った。今も余韻に浸りながらライブ盤「Superheroes, Ghostvillains + Stuff」再びヘビーローテーション中です。新作を作って早く日本でライブを行って欲しいですね。

 

The Notwistの2016年リリースのライブ盤「Superheroes, Ghostvillains + Stuff」


それにしてもMarkus AcherのSpirit FestとThe Notwistでの雰囲気の違い、まったく別人のように思えてしまう。このしたたかさが彼の魅力ですね。もう一度、Markus Acherの関わった様々なプロジェクトを検証してみようかと思っている。

 

 

来日が決まった時にこんな記事も書いています。

 

 

The Notwist セットリスト

They Follow Me

Come In

Kong

Boneless

Into Another Tune

Pick Up the Phone

One With the Freaks

This Room

One Dark Love Poem

The Devil, You + Me

Run Run Run

Pilot

Gravity

アンコール

Consequence

Gone Gone Gone