Yo La Tengo / There's A Riot Going On
USインディーの大御所、Yo La Tengoの新作「There's A Riot Going On」がリリースされました。Sly & The Family Stoneの1971年リリースの名盤「暴動」の原題と同じであります。「今そこで暴動が起こっている」をテーマに全15曲が収録されています。きな臭い世界に向けた彼らのメッセージが込められたアルバムです。
アルバムタイトルからは過激で刺激的な動をイメージしたサウンドを思い浮かべるけど、Yo La Tengoはいつもと変らないヨラ節を折りませながら、静のイメージを意識したドリーミーでポップなアルバムに仕上げています。しかし、ただ単にポップじゃないところが、80年代後半からインディー音楽シーンの第一線で活躍してきた彼らの魅力でもあります。アンビエントやミニマル、そしてジャズの要素をも採り入れてエクスペリメンタルなエッセンスを随所に醸し出してくるあたりは流石です。
このアルバムが伝えようとしているのは怒りとか絶望ではない。CDの盤面とアルバムジャケットの中にはJames McNewが書いたカメのイラストが載っています。穏やかにゆっくりとカメのように歩んでいくしかないと言っているように思える。暴動が起こっていて混乱と不安の世の中だけど、ほのぼのと優しく生きていくことを高らかに宣言したアルバムなのです。
2018年10月10日、久しぶりにYo La Tengoのライブを観に行きます。どんなライブになるのか楽しみです。