AMPやMemory DrawingsといったバンドをリリースしてきたギリシャのレーベルSound In Silence。昨年ぐらいから積極的にフォローしていたところ、これだと思う素晴らしいアーティストAstatine(Stéphane Recrosio)に出会うことが出来ました。
Astatine(Stéphane Recrosio)
90年代から後半から活動しているフランス、パリのインディーズ・ロック、ポスト・ロック、スロコア系サウンドを奏でるバンドAcetate Zeroの中心メンバーStéphane Recrosioのソロ・プロジェクトAstatine。現在Acetate Zeroは開店休業中ですが、Stéphane Recrosioは2011年よりAstatineの活動をメインにしている。これまで自身のレーベルOrgasmやFissileで多くのアルバムをリリースしていたが、自分のレーベル以外は少なく、昨年11月にSound In Silenceからリリースされた「Global Exposure」が初となります。
Astatine / Global Exposure(CDR)
くすんだスモーキーなドローン・サウンドから始まって、囁くようなヴォーカルを取り入れたローファイなインディーズ・ロック、シュゲイザー崩れのノイズ・ギター・サウンドなどを雑多にコラージュさせた内容となっています。様々な楽曲がとりとめも無く並べられていますが、整えられた優しいホワイトノイズによって巧くブレンドされ、アルバムとしての統一感や雰囲気を醸し出している。ちょっと不思議で面白いアルバムです。レーベルSound In Silenceがやりたいと思っている音楽要素を凝縮したアルバムといっても過言でないと思う。
Sound In Silence Bandcamp
「Global Exposure」が良かったので、他のアルバムも聴いてみたいと思った。今度は自身のレーベルFissileから昨年の同じ時期にリリースした「Treatment Of Abstract Objects For Unfinished Pointless Ends」をAstatine Bandcampで購入しました。
Astatine / Treatment Of Abstract Objects For Unfinished Pointless Ends(Lath Cut LP)
通常のヴァイナルではなく、プラスチックの一種ポリカーボネートを使用したLathe Cut(レースカット)で制作されたLPレコードです。超限定13枚で私が購入する時は、残り3枚でタイミング良く購入出来たと思う。ヴォーカルが入るローファイなインディーズ・ロックに音響ノイズが絡む感じは「Global Exposure」と同様ですが、曲間がなく、ラジオのDJ会話をコラージュするなど、ラフな感じでよりカオスして聞えます。このアルバムも素晴らしいです。
Astatine Bandcamp
Astatine Bandcampからは、オーダーしたレコードと一緒にAstatineのCD-Rアルバムも送ってくれました。アーティストのBandcampだと様々なサプライズがあることも多いです。過去に色々と貰っていますからね。Astatine に感謝です。
Astatine / Chamber Fracture(CD-R)
2014年リリースのアルバム。上記2枚のアルバムと同様に、ヴォーカル入りローファイなインディーズ・ロックとインストで実験的な曲の両方を織り交ぜています。アルバム制作におけるAstatineのアイデンティティーなのでしょう。このアルバムも良いですね。