ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

Magik Markers「2020」、7年の充電期間を経て新たなる出発点に立つことが出来た素晴らしいアルバム!

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このブログの2020年アルバム・ベスト10のNo.9に選んでいたMagik Markers「2020」。個別に取り上げていなかったので、色々と書いてみたいと思う。2001年にコネチカット州ハートフォードElisa Ambrogio(ヴォーカル、ギター)、Leah Quimby(ベース)、Pete Nolan(ドラムス)の3人で結成。2006年にLeah Quimbyが脱退してからデュオとして活動していたが、前作辺りからアルバムにゲスト参加していたJohn Shawが正式メンバーとなって再び3人組になります。ノイズやエクスペリメンタルを中心としたサイケデリックサウンドを中心に活動していた。2004年にSonic Youthのオープニング・アクトを勤めたことで大きな注目を集める存在となり、Thurston MooreのレーベルEcstatic Peace!からアルバムがリリースされたこともありました。2000年代は年に2~7作もリリースしていた彼らですが、7年振りの新作としてDrag Cityから昨年10月にリリースされたのが「2020」であります。

 

Magik Markers / 2020

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本作は2017年から録音が始まっている。長期間にわたって制作時間が取られています。このことは、彼ら個々のプライベートを大切にしたいという思いから、時間が合うときに少しずつ作られたようです。Elisa Ambrogioは西海岸のシアトルに定住し、Pete Nolanは大学で修士号を取得。そしてJohn Shawは養蜂を始めたとのことです。彼らの生活はかつてのように音楽を中心としていません。自分達のアイデンティティーを確立したうえで、どう音楽と向き合って行くかを問うたアルバムでもあります。

 

Elisa Ambrogioのヴォーカルはこれまで以上にダウナーな雰囲気を醸し出し、全体のサウンドも様々な要素を取り入れている。オープニングナンバー「Surf's Up」は、混沌とした今を象徴するような暗黒ビーチ・ポップソングでアルバム全体の縮図的な曲でスタートする。もちろんノイズやガレージといった彼らの持ち味を最大限に引き出した曲も配置しながら、ダーク・アンビエント、ドローンなども駆使して積極的に攻め込んできます。ラスト曲「Quarry (If You Dive)」は、不安や欲望を押さえながら優しくフォーキーな子守歌といった感じでアルバムを締めくくっています。

 

この7年間、散発的な音楽活動は個別にしていたと思うが、走り続けていたことを少し止めて充電したことで、新たなる出発点に立つことが出来た素晴らしいアルバムだと思う。何時の日かライブを見てみたいバンドでもありますね。

 

 

 

 

2020年アルバム・ベスト10

毎年恒例のアルバム・ベスト10です。2020年にリリースされた新作の中から、選んでいます。こんな事をミクシー時代から15年以上もやっています。音楽業界、コロナの影響で厳しい状況でありました。その中でも素晴らしい音楽に出会えたことに、改めて感謝です。このベスト10以外にも傑作と思うアルバムが幾つもありますので、これからまた個々に取り上げて行きたいと思っています。今年もよろしくお願いします。

 

 

No.1  Sunburned Hand Of The Man / Headles

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これまでのトリッキーな部分を控えめにしてアンサンブル中心に纏め上げています。新たな展開を打ち出してメローに鳴り響くSunburned Hand of the Manの世界。


 

No.2  Wire / Mind Hive

時代としっかりリンクしつつ、フレッシュさも兼ね備えたこんなベテラン・バンドって他にあるのだろうか? しかも、Wireらしさは少しも失われずに新たな側面を表した素晴らしい1枚です。


 

No.3  Aksak Maboul / Figures

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これまでのアヴァンギャルドな雰囲気はそのままでポップになる、まさにアヴァン・ポップなサウンドを作り上げています。時代を越えた彼らの最高傑作!


 

No.4  Marion Cousin & Kaumwald / Tu Rabo Par'Abanico

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Marion Cousinの凛とした哀愁を感じさせる歌声をぶち切るがごとく散りばめられた異端エレクトロ・ノイズの数々。伝統と実験の融合から生み出された素晴らしい世界。


 

No.5  The Left Outsides / Are You Sure I Was There?

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今の混沌とした状況をメランコリックに伝えつつも、どことなく温もりをも感じる。映画のサウンド・トラックストーリーテリングを意識したようなアシッド・フォークの世界。


 

No.6  Sun Araw / Rock Sutra

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ポリリズミックで不思議なサウンドにSun Arawのヴォーカルが絡む恍惚感と酩酊感に満ちあふれた中毒性たっぷりの世界。


 

No.7  Big Blood / Do You Wanna Have a Skeleton Dream

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父Caleb Mulkerin、母Colleen Kinsella、娘Quinnisa Kinsella Mulkerinの家族愛を感じるアルバム 


 

No.8  The Strokes / The New Abnormal

7年振りの新作。待つだけのことはありました。格好いいです。フジロックが楽しみですね。 


 

No.9  Magik Markers / 2020

マサチューセッツの3人組Magik Markersの7年振りのアルバム。ノイズ系ロックにダウナーな雰囲気をも取り入れた意欲作。

 

 

No.10  Ulaan Janthina / Part Ⅰ、Part Ⅱ

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Steven R. Smithの新なるユニットUlaan Janthina。今後2作まとめてCDでリリースする予定もあるようです。


 

2020年12月のディスカホリック

2020年12月のディスカホリックは14タイトルの購入実績でした。年間では150タイトルで、ここ数年では少し多いです。CDが69(CDRも含めて)、カセットが36、レコードが45という結果でした。カセットの36とは、自分でもちょっと驚き!カセットの場合、オンリー・リリースで少量生産が多いので見つけたら即購入しないとすぐに販売終了になりますからね。購入先ではBandcampが41と増えています。送料が高く付くこともありますが、アーティストと直接繋がれるといったメリットもあります。北海道の田舎に住んでいるので、店舗での購入が無いのがちょっと寂しいです。

 

今年はコロナの影響でライブに行くことも出来ませんでした。この厳しい状況であっても素晴らしい音楽に出会えたことに感謝です。来年はライブで思いっきり弾けたいと思っています。そんな年齢じゃないのは分っていますが(笑)2020年最後のブログ更新です。毎度拙い文章に付き合ってくれて有難うございます。2020年アルバム・ベスト10は、来年早々に更新する予定です。素晴らしいアルバムが多いので選考に悩んでいます。来年も地味に更新して行きますのでよろしくです!

 

 

 

Sunburned Hand of the Manについては、9月から毎月何かしら購入しています。今月もClear Peopleを含めて6タイトルも購入しました。

Sunburned Hand of the Man / Headdress(CDR) 購入先Sunburned Hand of the Man Bandcamp 購入価格$13.00(1,407円)

 

 

Sunburned Hand of the Man / Live Burn 4: The Hideout、Chicago、04​.​11​.​2019(Cassette)購入先Sunburned Hand of the Man Bandcamp 購入価格$14.50(1,569円)

上記2作は、12月に書いた記事でも取り上げています。

 

この「Sunburned Hand of the Man三昧」を書いている時に、リイシューや新作がBandcampで残りが1とか2でアップされいたので即購入した4作です。年内に届かないと思っていたが、すぐに届いてしまった。

Sunburned Hand Of The Man / The Wild Animal(CDR) 購入先Sunburned Hand Of The Man Bandcamp 購入価格$13.25(1,442円)

 

2001年リリース作のライブ音源。今年6月に亡くなったギタリストMarc Orleansが参加しています。追悼盤としてリイシューされたのでしょうね。

 

Sunburned Hand Of The Man / Magnetic Drugs(CDR) 購入先Sunburned Hand Of The Man Bandcamp 購入価格$11.25(1,224円)

 

2003年リリース作。アートワークを変更してのリイシュー。

 

Clear People / Clarity(CDR) 購入先Sunburned Hand Of The Man Bandcamp 購入価格$11.25(1,224円)

 

Sunburned Hand Of The Man のDavid Bohill、 John Moloney、Robert Thomasによるサイド・プロジェクトClear Peopleの2006年リリース作。ノイズを中心としたエクスペリメンタルなアルバム。Sunburned Hand Of The Man名義でリリースする予定もあったようです。

 

Clear People / Clarity Volume Two(CDR) 購入先Sunburned Hand Of The Man Bandcamp 購入価格$14.25(1,551円)

 

Clear Peopleの第2弾。2014年に録音されていたが、今頃になってやっとリリースです。いつもの様にCDRは限定20枚。

 

 

No-Neck Blues Band / Fino Alla Strada Vecchia(Vinyl) 購入先Decimus Bandcamp 購入価格$46.00(4,993円)

昨年リリースされて、すぐに完売になったアルバムをやっと購入しました。ほんのわずか追加生産したのでしょう。2009年に録音された音源のようです。彼らの不穏な雰囲気満載!


 

Svitlana Nianio & Oleksandr Yurchenko / Znayesh Yak? Rozkazhy(Vinyl) 購入先Discogs(dodo-beach) 購入価格€31.49(4,092円)

 

ウクライナのシンガーソングライターSvitlana NianioとOleksandr Yurchenkoによる1996年のコラボレーション。2017年カセットで、今年になってヴァイナルでリイシュー!

 

 

Black To Comm / A C of M(Cassette) 購入先Store15Nov 購入価格2,032円

 

 Marc RichterのソロプロジェクトBlack To Commの新作。コロナの影響でロックダウンされたドイツ、ハンブルクの自宅で制作されました。エレクトロアコースティック、ミュージックコンクレート作品。

 

 

Bass Clef / Orezero(Cassette) 購入先Store15Nov 購入価格2,073円

 

エレクトロニクスを駆使してミニマルでエクスペリメンタルに鳴り響かせるRalph CumbersのソロプロジェクトBass Clefの新作。ニューエイジミュージックの雰囲気が最高に格好いい!

 

 

Sun Ra Arkestra / Swirling(CD) 購入先Amazon.co.jp(Rarewaves-Jp) 購入価格1,906円

Sun Raは居ませんが、96歳になるMarshall Allen率いるSun Ra Arkestraの新作です。 

 

 

Alessandra Novaga / I Should Have Been A Gardener(Vinyl) 購入先Disk Union オンライン 購入価格3,080円

 

イタリアの女性ギタリストAlessandra Novagaの映画監督、舞台デザイナー、作家であるDerek Jarmakにインスパイアされたアルバム。 

 

 

Khruangbin / Late Night Tales(CD) 購入先Disk Union オンライン 購入価格2,200円

Khruangbinが選曲した世界各国の「夜聴き」をテーマにしたコンピレーション盤。日本からは柳ジョージ+Nadjaバンド「祭りばやしが聞こえるのテーマ」も収録されている。その他の選曲も興味深い。Khruangbinのクール&ザ・ギャング「Summer Madness」のカヴァーも収録!

 

 

Dirty Projectors / 5 Eps(2Vinyl) 購入先Amazon.co.jp 購入価格3,166円

今年リリースされた5枚のEPを一つにまとめたアルバム。 

 

  

Alison CottonとMark NicholasのデュオThe Left Outsidesのメランコリックながらも温もりを感じるアシッドフォークの世界とは

The Left Outsides | Andy Martin - Visual Artist | Photographer | Film Maker  | UK

ロンドンを拠点とするAlison CottonとMark Nicholasの夫婦デュオThe Left Outsides。2人は2000年代中頃にThe Eighteenth Day Of Mayのメンバーでした。The Eighteenth Day Of Mayが解散した後、2007年にThe Left Outsidesとして活動します。今回、The Left Outsidesの6枚目となる新作がリリースされました。彼らの傑作とも言える内容です。併せてAlison Cottonの2作目となるソロ・アルバムもリリースされたので両方紹介したいと思う。

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The Left Outsides / Are You Sure I Was There?

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Alison Cottonの奏でるビオラ、ピアノ、オルガンとMark Nicholasの多彩なギターの音色を基本に、これまでになくサイケデリックでダークに鳴り響く。2人のストイックな雰囲気を醸し出す催眠的な歌は、60年代、70年代のアシッドフォークを彷彿とさせます。今の混沌とした状況をメランコリックに伝えつつも、どことなく温もりをも感じる。映画のサウンド・トラックストーリーテリングを意識したような展開。アルバム・タイトル「私はそこにいたのですか?」にあるように、自分達の居場所を再確認をしながら夜明けを待っている情景をイメージしながら聴いている。目新しいことは何もなく、むしろ古典的でありがら、様々な思いを掻きたててくれる魅惑的な全11曲。聴けは聴くほどにその魅惑に取憑かれていく素晴らしいアルバムです。夜明けは近い!

 

 

Alison Cotton / Only Darkness Now

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アルバム・タイトルも凄いです。前作に引き続いてのドローン・アンビエントの世界。チェロ、オムニコードハーモニウム、ピアノ、ヴォーカル&ヴォイスとマルチ・インストゥルメンタル奏者としての力量をさらに進化させています。ラスト5曲目は故Dorothy Carterの「Shirt Of Lace」をカヴァーしていますが、Alison Cottonワールドに変化させて宇宙の彼方へと導いてくれます。

 尚、このアルバムはQuietus Albums Of The Year 2020のベスト11位に選ばれています。


 

The Left Outsidesは、The Eighteenth Day Of Mayの元メンバーBen Phillipson、Karl Sabinoと集結してThe Trimdon Grange Explosionとしても活動しています。以前、The Trimdon Grange Explosionを取り上げた時に、Alison Cotton、The Left Outsidesについても書いています。


 

Sunburned Hand Of The Man三昧

Tickets for Sunburned Hand Of The Man | TicketWeb - Cluny 2 in Newcastle  upon Tyne, GB

ボストンを拠点にして1997年からJohn Moloneyを中心に様々なメンバーが流動的に集まってライブ活動を行なっているバンドSunburned Hand Of The Man。彼らのアルバムを9月1作、10月3作、11月3作、12月2作と、毎月買い続けて9タイトル。これは纏めて取り上げるしかありません。そんなことで、本日はSunburned Hand Of The Man三昧です。

 

彼らはこれまでに90タイトルの以上のアルバムをリリースしています。その多くが自主レーベルManhandからのライブ音源を中心としたCDRとカセットです。無地のCDRやメーカーのロゴがそのままのCDRに音源を焼いて、茶色の紙ジャケに絵柄はシールにして貼り付けてあるだけのチープで手作り感満載のCDRです。もしかすると、中心メンバーのJohn Moloneyが1人でやっているのかな?その為、少量しか生産出来ず、見つけたら即購入しないと販売終了になってしまいます。

 

販売ルートはSunburned Hand Of The Man Bandcampが中心で、支払い先もJohn Moloneyになっています。12月の2作をBandcampで購入した時には、John Moloneyからこんなメッセージも頂きました。“Thanks Hiroshi! We really appreciate your support and hope all is well where you are. I wish I could hand-deliver this to you. I'ld love to visit Japan again someday. best, John” 嬉しいです。

 

Sunburned Hand of the Man / Headdress(CDR)

2003年作のライブ音源集。2019年にCDRでリイシューされました。当時、フリー・フォーク・ムーブメントの先駆者として脚光を浴びていたが、彼らはそんなことは関係無いと否定していたことを思い出す。アブストラクトで不穏に鳴り響いています。

 

Sunburned Hand Of The Man / Fire Escape(CDR)

2007年作。Smalltown SupersoundからのCDを持っているけど、何処にあるのか分らないので自主レーベルManhandのCDR盤を購入。Four Tetをプロデューサーに起用して、 Michael Flower、Bridget Haydenらも参加しています。個人的には彼らの代表作だと思う。

  

Sunburned Hand Of The Man / Silence Of Color(CDR)

2009年作。精神病者のハウスパーティーでの録音音源。ノイズ、フリージャズ、アンビエントなど様々な要素をコーラジュ。こんな演奏を目の前でやられたら病もぶっ飛んでしまいそうです。

  

Sunburned Hand of the Man / Get Wet With The Animal(CDR)

2018年作。雄叫びヴォーカルを絡めてラフな感じでオルタネイティブに纏め上げています。今年リリースされた「Headless」とは対極な方向です。「Headless」の方が少し先に録音されています。その反動が表れているのかな? 

  

Sunburned Hand of the Man / Clowns In Jail(CDR)

 

2018年作。2017年と2018年のライブ音源。

  

Sunburned Hand of the Man / Live Burn 4: The Hideout、Chicago、04​.​11​.​2019(Cassette)

2019年作。シカゴでのライブ音源。 位置の悪い状態でのズーム録音と書かれています。彼らの場合、ライブの良い悪い関係なく一つの記録としてリリースしています。その姿勢に凄さを感じます。

 

Sunburned Hand of the Man / The Mylar Tantrum Part II(CDR)

2020年作。1968年の映画「Invasionof Thunderbolt Pagoda」の2006年DVD化の為に制作されたサウンドトラックの代替え曲の2作目。 Sunburned Hand of the Manのこれまでに無い別の魅力を再確認出来ます。尚、オリジナル・サウンドトラックはAngus MacLiseとのことです。

 

Sunburned Hand Of The Man / Covered in Mud(Cassette)

2020年作。当初はデジタルのみでVinylがThree Lobed Recordingsからリリースされる予定であったが、最初にカセットがStoned To Deathよりリリースされ、その後CDRがBandcampでアップされるようになった。2曲目にBob Dylanの Like a Rolling Stoneのカヴァー曲が収録されているが、言われても殆ど分らない有様。カオス満載の1枚です。

 

Sunburned Hand of the Man / Live Burn 3: Les Instants Chavires、Paris, France 2004(CDR)

2020年作。メンバーのMichael Josef Kによって発掘された2004年パリのライブ音源。

 

追伸:この記事を書いている時に、Sunburned Hand Of The Man Bandcampの音源を確認していたら、新たなCDRがアップされていました。残りが1とか2のものもあったので即購入です。結局4アイテムも注文しました。届くのは、様々な状況があるから、来年でしょうね。楽しみです!

  

Sunburned Hand Of The Manについては、少し前にも取り上げています。

 

  

2020年11月のディスカホリック

11月のディスカホリックは15タイトルの購入実績でした。仕事柄、不要不急の外出自粛令が出ていることもあって、最近購入量が少し増えています。その分、これと思えるアルバムに多く出会えている気がします。2020年間ベスト10は悩みそうです。あと、今月はブログ・アクセス数も単月で過去最高を記録しました。拙い文章に付き合ってくれる皆さんに感謝です。

 

Leonore Boulanger / Feigen Feigen(CD) 購入先Record Shop Reconquista 購入価格2,662円

Leonore Boulangerの2016年リリースの3作目。今月Leonore Boulangerの4作目「Practice Chanter」を記事として取り上げました。 この3作目辺りから、曲作りにも参加して徐々に不思議度がアップしています。

 

 

Ulaan Janthina / Ulaan Janthina-Part II(Cassette) 購入先Worstward Recordings Bandcamp 購入価格$24.00(2,594円)

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Steven R. Smithの新なるユニットUlaan Janthina。PartⅠと合わせて、前回の記事で取り上げました。

 

 

先月に引き続き今月もSunburned Hand of the ManのBandcampで購入した3作品。実は来月も2作品届く予定です。

Sunburned Hand of the Man / Get Wet With The Animal(CDR) 購入先Sunburned Hand of the Man Bandcamp 購入価格$11.33(1,234円)

 

2018年リリースのCDR。 

 

Sunburned Hand of the Man / Live Burn 3: Les Instants Chavires, Paris, France 2004(CDR)購入先Sunburned Hand of the Man Bandcamp 購入価格$15.33(1,669円)

2020年リリースリリースされた2004年パリのライブ音源CDR。

 

Sunburned Hand of the Man / Clowns In Jail(CDR) 購入先Sunburned Hand of the Man Bandcamp 購入価格$11.33(1,234円)

2018年リリースの2017年と2018年のライブ音源。 

 

 

Maarja Nuut & Sun Araw / Fantasias For Violin And Guitar(Vinyl) 購入先Newtone records 購入価格4,860円

 

Sun Arawの新作は、エストニアのバイオリン奏者 Maarja Nuutとのコラボレーション・アルバムです。ニューエイジ・ミュージック必聴の1枚です。

 

 

Magik Markers / 2020(CD) 購入先Amazon.co.jp(ZOverstocksJPN) 購入価格1,882円

Magik Markersの7年振りの新作。全体に統一感なくヘッポコな感じですが、これが彼らの特徴であり魅力です。


 

 

オーストリアのSwantje MusaとUlrich Roisによる男女デュオSky Burrow Talesの2作品。

Sky Burrow Tales / Under A Canopy Of Fractal Sunlight(Cassette) 購入先Canopy Weekends Bandcamp 購入価格€10.70(1,366円)

 

ドイツのレーベルCanopy Weekendsよりリリースされた2020年の2作目。

 

Sky Burrow Tales / Lather, Rinse, Repeat(Cassette) 購入先Feathered Coyote Records Bandcamp 購入価格€14.00(1,788円)

 

Ulrich Roisが運営しているレーベルFeathered Coyote Recordsからの2020年デビュー作。

 

 

Zement / Unter Palmen(Cassette) 購入先Feathered Coyote Records Bandcamp 購入価格€14.00(1,788円)

 

ドイツの2人組Christian Büdel、Philipp HagerによるZementの2020年リリースの4作目。新世代のネオ・クラウトロックと呼んでもいいでしょうね。

 

 

The Left Outsides / Are You Sure I Was There?(CDR) 購入先The Left Outsides Bandcamp 購入価格£12.00(1,705円)

 

イギリスの Alison Cotton、Mark Nicholasによる男女デュオ The Left Outsidesの6作目となる新作。

 

 

Alison Cotton / Only Darkness Now(CDR) 購入先The Left Outsides Bandcamp 購入価格£12.00(1,705円)

 

The Left Outsidesのメンバーでヴィオラ奏者でもあるAlison Cottonのソロ・アルバム。

 

  

Airway、Hijokaidan / The Lowest Form of Music(2CD) 購入先Art Into Life 購入価格2,567円

Airwayと非常階段の2010年のLAFMSフェスでの個別ライブ音源のカップリング。ボートラを収録収録して2CDでのリイシュー! 

 
  

Svitlana Nianio / Kytytsi(CD) 購入先購入先Art Into Life 購入価格2,677円

 

ウクライナを拠点に活動しているシンガーソングライターSvitlana Nianioの2018年にリイシューされた1999年リリースのアルバム。

 

 

Memory Drawings / A Few Scattered Hours(2CD) 購入先Amazon.co.jp(ZOverstocksJPN) 購入価格2,085円

イギリスのMemory Drawingsの5作目となる新作 。

 

 

 

弧高のギタリストからマルチ・インストゥルメンタル奏者への変化を目指したSteven R. Smithの新なるユニットUlaan Janthina

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ロサンゼルスを拠点に活動している孤高のギタリストSteven R. Smithの新なるユニットUlaan Janthina。彼は本人名義の他、様々な変名ユニットで活動を行っています。Hala Strana、Ulaan Khol、 Ulaan Markhor、Ulaan Passerine、これらのユニットで、東欧の民族音楽、ギター・ノイズ、ドローン・アンビエントなど、その何れもがギターを中心にサウンド構築してきました。このUlaan Janthinaでは、シンセサイザー、オルガン、ハーモニウム、フィールド・レコーディングスなど駆使して、彼の自宅にあるWorstward Studiosで1人で作り上げています。名前のJanthinaは独自の生態系で生き延びている海のカタツムリにちなんで名付けたようです。

 

サウンドの方は、これまで彼の築き上げてきた音楽の集大成といった感じです。それを一度解体して、違う手法でアプローチしています。通常のエレキ・ギターを使用していません。まさに、弧高のギタリストからマルチ・インストゥルメンタル奏者への変化を目指した意欲作です。今回、Ulaan Janthinaとしてカセット音源が2作品リリースされている。Part Ⅰが今年8月に、PartⅡが今月リリースされたばかりです。ふたつでひとつのUlaan Janthina世界観を表しています。ギタリストとしてSteven R. Smithを90年代のサイケデリック・バンドMirza、2000年代のエクスペリメンタル・バンドThujaとフォローしてきた私に取っては、非常に考え深い1枚なのであります。

 

Ulaan Janthinaとしてカセットテープに対するSteven R. Smithの思いが、そのパッケージからも伝わってくる作品だと思う。PartⅠには貝殻が入っており、PartⅡには木片と鍵が入っています。カセットテープが見直しされている中で、こうした発想で音楽に取り組んでいる彼を今後も応援して行きたいと思う。

 

Ulaan Janthina(Part Ⅰ)
画像 

Recorded at Worstward Studios, Sept-Nov, 2019
Music by Steven R. Smith

Instruments: Moog Matriarch, Korg Minilogue, Casio SK-1, field recordings, tapes, piano, organ, harmonium, gourd guitar, brush guitar, flute samples.

 

Ulaan Janthina(Part Ⅱ) 画像

Recorded at Worstward Studios, Mar-July, 2020
Music by Steven R. Smith

Instruments: Moog Matriarch, Korg Minilogue, Casio SK-1, piano, organ, harmonium, electric piano, springs, baritone psaltery, spike cello, brush guitar, gourd guitar, field recordings, flute samples. 

 

 

 

 

Steven R. Smithのカセットテープに対する思いは、Ulaan Janthinaだけではありません。昨年リリースされたUlaan Khol名義のアルバム「Collapsing Hymns」では木箱を使っています。  

Ulaan Khol / Collapsing Hymns 

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Recorded at Worstward Studios, Los Angeles, Oct. 2018 - Jan. 2019.
Basic tracks recorded to Tascam 2-track reel-to-reel, then transferred to Logic for overdubs and editing.

Music by Steven R. Smith
Instruments: electric guitar, analog synth, bass, electric piano, organ, piano, drums.

 

 

過去には、こんな記事も書いています。