ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

アンビエント、ミニマル、テクノ、ノイズなど様々な要素を組み合わせたClub Sound Witchesのユニークな世界!

Music | CLUB SOUND WITCHES

オーストラリアでアンダーグランドに活動するMatt Earle & Nicola Mortonの男女デュオClub Sound Witches。アンビエント、ミニマル、テクノ、ノイズなど様々な要素を組み合わせて、これまでにないユニークな世界を築き上げています。彼らに魅了させられて、一気に4作品も購入したので紹介します。尚、Matt EarleはレーベルBreakdance The Dawnのオーナーでもあります。一方、Nicola Mortonはビジュアル・アート、サウンド・アートなども手掛けておりマルチ・アーティストとしても活動しています。

 

Club Sound Witches / bdtd208

自らのレーベルBreakdance The Dawn よりリリースの2016年カセット音源。ポコポコとへんてこりんなリズムがミニマルに鳴り響く一方で、遙か彼方でさり気なくヴォイスや電子音がアンビエント、エクスペリメンタルに絡んできます。ローファイでチープな展開ですが、心地よく聴き入ってしまう傑作!

 

 

Club Sound Witches / bdtd227

同じく自らのレーベルBreakdance The Dawn よりリリースの2016年カセット音源。ドローンでミニマルに鳴り響くパーカッションにさり気なくエレクトロ・ノイズが絡むアンビエント。白昼夢を見ているかのごとく静かに幻想の世界へと導いてくれます。

 

 

Club Sound Witches / bdtd258

こちらも自らのレーベルBreakdance The Dawn よりリリースの2018年カセット音源。ノンストップで演奏されるラジオ受信ノイズと得体の知れないエレクトロ・ノイズがジャム・セッションのようにゴソゴソと蠢く。カオスティックに鳴り響く音像に引き込まれて行きます。

 

 

Club Sound Witches / #freakinmeout

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オーストラリアのエクスペリメンタル・ミュージック専門レーベルShame File Musicよりリリースの2020年CD音源。トントントンと奇怪なリズムで始まってウィスパーヴォイスが絡むライブパフォーマンスとエレクトロニクスに地下の洞窟から滴り落ちる水の音を散りばめたサウンドによる不思議な世界。

 

 

 

 

The Flowers Of Hellの“Outlanders”、これまでの15年の活動を振り返ると同時に今後の方向性も伺える1枚!

Sympathy For Vengeance by Flowers Of Hell | ReverbNation

REMY: Live: Venue change for Flowers of Hell 24th September, Bello Bar

カナダのトロントを拠点に活動しているGreg Jarvis率いるThe Flowers Of Hell。The Velvet UndergroundSpacemen 3の影響を受けつつも自分達のオリジナリティーを追求してきたバンドです。2006年のデビュー時は6人編成であったが、ホーンやストリングスなどのメンバーを増やして総勢16名の大バンドに成っていたこともあります。初期2作のサイケデリックでスペーシーなサウンドからホーンやストリングスを絡めたサード・アルバム。そして、カヴァー曲で作り上げたアルバムを経て、前作のネオ・クラシック・アルバムまで様々な変遷をたどって現在に至っています。本日は、彼らの6作目となる新作CDがリリースされたので紹介したいと思う。

 

The Flowers Of Hell / Outlanders

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本作は新曲も含めて、過去のアルバム曲のヴァージョン変更やミックス音源、カヴァー曲によるライブ音源を中心に収録されています。The Flowers Of Hellの集大成といったコンピレーション盤です。スリーブのクレジットを確認すると、ファースト・アルバムの“Opt Out”(Edit)には元Spacemen 3のWill Carruthers、セカンド・アルバムの”White Out“ (Full Version)には昨年2月に亡くなった元Patti Smith GroupのIvan Kralの名前が記載してあることを今頃になって確認してしまった。さらに、元Spacemen 3のSterling Roswell が2020年のロックダウン直前のロンドンでのライブ音源で、ドラマーとしてTake Me To The Other Sideを演奏しています。正直なところ、Sterling Roswellがミュージシャンとして活動していたことに驚いてしまった。こうした人選が出来るのもGreg Jarvisの人徳のなせる業なのでしょうね。

 

この他、ライブ音源として、2013年Lou Reedメモリアル・コンサートでのStreet Hassle、アルバム収録曲としてお馴染みの”Mr. Tambourine Man”のカヴァー曲もライブ音源で収録されています。新曲の方は2曲目“Solitary Closure”とラスト曲 “Karlheinz Tuning In”の2曲収録されており、よりドラッキーでサイケデリック感あふれる曲となっています。コロナの影響なのかGreg Jarvis一人で作り上げています。多くのメンバーが独自の活動も行っているため、集まれなくなっているのも確かです。そんな状況で製作されたアルバムであります。これまでの15年の活動を振り返ると同時に今後の方向性も伺える1枚です。

 

BandcampでこのCDを注文した時にGreg Jarvis本人よりコロナで直ぐに出荷出来ないとメールを頂き、何回かメールのやりとも行った私です。コロナなんかに負けてたまるかといった彼のメッセージも込められている気がする。初めてThe Flowers Of Hellを聴く方にとっては最適の1枚であることは言うまでもありません。デビュー時からフォローしてきた私にとっても充分に楽しむことが出来ました。

 

尚、2020年のライブ音源については、映像とセットでリリースする予定が有るようです。映像の方は22秒と僅かですがFacebookでアップされています。これを観ると8人編成となっています。リリースが待ち遠しいですね。


The Flowers Of Hellのネオ・クラシック・アルバム「Symphony No​.​1」は、4年前に書いています。


 

ベルギーのシンガーソングライターAntoine Loyerとフランスのサイケ・トリオBegayerの新作!

アヴァン・フォークを聴かせるベルギーのシンガーソングライターAntoine Loyerとブルース、フォーク、民族音楽を組み合わせてサイケデリックに奏でるフランスの3人組Begayerの新作。それぞれの曲を集めたスプリット・アルバムでありコラボレーション・アルバムでもあります。本作はフランスの先鋭的なサウンドを模索しているレーベルLe SauleからVinylオンリーでのリリースです。

 

Antoine Loyer & Megalodons malades、Begayer / Sauce chien et la guitare au poireau

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A面がAntoine Loyerサイドでブリュッセルの女性合唱コーラス隊Megalodons Maladesとの共作7曲を収録。5曲目にBegayerが参加しています。Antoine Loyerのギターと歌にMegalodons maladesによる女性コーラスを大胆に絡め、パーカッション、ヴァイオリンなどを交えたアンサンブルです。民族音楽的な雰囲気を醸し出しながら華やかに鳴り響いています。どこかの村祭りでテンションが上がったような気分で心地良い!

 

B面がBegayerサイドで4曲目にAntoine Loyer & Megalodons maladesが参加した曲と、5曲目にAntoine LoyerとBegayerのLoup Ubertoの2人によるコラボ曲も合わせて6曲を収録。パンキッシュな攻撃的サウンドから民族楽器を駆使したアヴァン・フォークな曲まで、オルタナティブな要素も含めて、クールでリリカルに彼らの雰囲気を伝えています。

 

アルバムのアートワークにはAntoine Loyerも参加しており、音源のミックスはBegayerのLoup Ubertoが行っています。統一感をもって聴いていられるのも、両者ともにLe Sauleのレーベル・メイトであるが故に成し得たことだと思う。お互いを知り尽くしているからこそ、それぞれの魅力を1枚のアルバムに詰め込むことが出来たのです。 アルバム構成も含めて独創性あふれる傑作です。                         

 

 

2021年2月のディスカホリック

邦楽については、徐々にではあるがライブが行われる様になってきた。洋楽となるとまだまだ厳しい現状である。何とかならないのかと思う。関東に住んでいた時は7月のフジロック、8月のサマーソニックというのが定番であった私です。今、北海道の田舎に住んでいる身としては、両方制覇するのは無理であり、そうなると泣く泣くフジロックを優先としてきた。今回の記事はサマーソニッククリエイティブマン社長清水氏の話であるが、改めて色々と考えさせられてしまった。

フジロックに関して言えば、今年8月末開催の日程だけは決まっている。ただ、それだけで未だ何の情報も伝わってきていない。昨年購入したチケットはホールドしたままであり、これまで定宿としてきた越後湯沢の温泉ホテルは昨年10月倒産している等、悶々とした気分である。国は文化や芸術に対してもっと理解して欲しいし、このままフェス文化を終らしてしまってはならない。上記記事でのクリエイティブマン社長清水氏のポジティブなメッセージに少し先が見えてきた。是非とも頑張って欲しい。

 

2021年2月のディスカホリックは11作品の購入実績でした。Svitlana Nianioの$135.00は大きかったと思うが、これを買わずには彼女の記事は書けなかった思うしね。

 

Svitlana Nianio / Lisova Kolekciya(Vinyl) 購入先Discogs(Gram Record Store) 購入価格$135.00(14,608円)

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Sky Burrow Tales / Seafarin' & Backporchin'(Vinyl) 購入先Feathered Coyote Records Bandcamp 購入価格€26.25EUR(3,492円)

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Reynols / Home Tapes Vol 1(CDR) 購入先TQN-aut Bandcamp 購入価格£11.00 GBP(1,645円)

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Old Million Eye / Warm Alliance with the Outside(Cassette) 購入先Feathered Coyote Records Bandcamp 購入価格€18.25EUR(2,427円)

 

Dire Wolvesのベーシストとしても活躍しているBrian Lucasのソロ・プロジェクトOld Million Eyeの最新作。自らのヴォーカルも取り入れたBrian Lucas流のサイケデリックサウンドです。

 

 

Scherzoo / 05(CD) 購入先Scherzoo Bandcamp 購入価格€19.00EUR(2,506円)

 

ベーシストFrançois Thollot率いるフランスのジャズ・プログレバンドScherzoo の2020年作。

 

 

The Notwist / Vertigo Days(CD) 購入先Amazon.co.jp 購入価格2,420円

 

ジャーマン・インディ・バンド・The Notwist の7年振りの新作。Spirit Festで活動を共にするテニスコーツのさやを始め、多彩なゲストにも注目です。

 

 

John Luther Adams / Lines Made by Walking(CD) 購入先Amazon.co.jp(Rarewaves-USA) 購入価格2,315円

 

アメリカの現代音楽作曲家John Luther Adams の2020年作。

 

 

Donald Lindsay & Richard Youngs / History Of Sleep(CDR) 購入先Art Into Life 購入価格2,162円

 

実験音楽家Richard Youngsとバグパイプ・プレイヤーDonald Lindsayによる2020年作コラボレーション・アルバム。 

 

 

Antoine Loyer & Megalodons malades、Begayer / Sauce chien et la guitare au poireau(Vinyl) 購入先Art Into Life 購入価格3,042円

画像1: Antoine Loyer & Megalodons malades / Begayer "Sauce chien et la guitare au poireau" [LP] 

ベルギーのシンガーソングライターAntoine Loyerとフランスのアヴァン・ロック・バンドBegayerがそれぞれの曲を集めたコンピレーションでありコラボレーションでもある新作。

 

 

Yo La Tengo / We Have Amnesia Sometimes(Vinyl) 購入先Yo La Tengo Bandcamp 購入価格$40.00(4,323円) 

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 Yo La Tengoのインスト曲による新作。

 

 

Flowers Of Hell / Outlanders(CD) 購入先Flowers Of Hell Bandcamp 購入価格$25.00(2,714円)

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Flowers Of Hellの5年振りの新作。 


  

祝、Reynols復活!!

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アルゼンチンの実験的カルトバンドReynolsが2004年に活動中止してから、復活していたことを知りました。ヴォーカルのMiguel Tomasinが音楽シーンに戻って来たことを嬉しく思う。昨年2枚のアルバムをリリース。少量生産でありますが、2枚とも何とか購入することが出来たので、今回はそれを紹介します。尚、2年前に彼らのBoxセット「Minecxio Emanations 1993-2018(6CD&1DVD Box)」をこのブログでも紹介していました。

 

Reynols / Home Tapes Vol 1

  

本作はBoxセット「Minecxio Emanations 1993-2018」を祝うことで、Miguel Tomasinの自宅に集まって録音された音源を「Home Tapes Vol 1」として2020年2月にイギリスのレーベルTQN-autよりリリース。限定100枚のCDRで、メンバーの写真とイラストが掲載された12ベージの小冊子とMiguel Tomasinの缶バッチが付属。盤面にはオープンリールの絵柄がプリントされていて、CDRとしてはしっかりと作られています。97/100のナンバリングがされていて何とかギリギリで購入出来た状況です。

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オルガン、アコースティック・ギター、フルート、ハーモニカ、パーカッションを駆使してのチープでローファイな音源だけど、その場の雰囲気が伝わってきます。Miguel Tomasinのぶっきらぼうで素っ気ないヴォーカルがReynolsであることを再確認してくれます。どことなくほのぼのとしてくるアルバムです。Vol 1ということなので、第二弾も有りそうですね。

 

 

Reynols / Gona Rubian Ranesa

そして、こちらは17年振りのスタジオ録音作品となる「Gona Rubian Ranesa」が2020年11月にカナダのレーベルOutlier CommunicationsよりLPレコードでリリースされました。Anla Courtis、Rob Conlazoのギターがサイケデリックに掻き鳴らされています。ミニマルでクラウトロックな雰囲気もあって、さらにネジが1本緩んだようなグダグダ感が幻覚妄想の世界へと導いてくれる。これまでの休業を感じさせないReynolsの新たなる1枚となる傑作です。

 

その他、昨年には日本のAcid Mothers TempleとのコラボレーションAcid Mothers Reynolsとしてもアルバムをリリースしてます。先ほど注文を入れました。Reynolsとしては完全復活ですね。ただ、気になるのがMiguel Tomasinのダウン症です。これで休業した経緯もありますしね。あまり、無理せずに活動を行って欲しいです。

 

 

オーストリア・ウィーンのデュオSky Burrow Tales、フリー・フォーク・ムーブメントの雰囲気を彷彿させる世界!

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オーストリア・ウィーンを拠点としている Ulrich RoisとSwantje Musaによる夫婦デュオSky Burrow Tales。Ulrich RoisはFeathered Coyote Recordsのレーベル・オーナーでもあり、自身のプロジェクト・バンドBird Peopleとしても活動しています。彼を支えてきたSwantje MusaとのSky Burrow Talesは2019年にライブ活動を始めて、昨年2本のカセットをリリース。今年になってフル・アルバムがLPでリリースされたので紹介します。

 

Sky Burrow Tales / Seafarin' & Backporchin'

本作はA面Seafarin' 、B面Backporchin'として、それぞれ3曲づつ全6曲が収録されています。Ulrich RoisのギターにSwantje Musaのベース、シンセを中心としてシュルティボックス、シタール、ダン・バウ、テルミン、フィールド・レコーディングスなども駆使して個々の曲に特徴を持たせている。ヴォーカル曲では浮遊感溢れる歌声がさり気なく取り込まれていて、歌物というよりは曲全体でイメージを膨らませている感じ。フォーク、ドローン、サイケデリッククラウトロックといった要素を絡めながら、2000年代中頃のフリー・フォーク・ムーブメントの雰囲気を彷彿させてくれる。 白昼夢を見るように延々と聴いていられる傑作!

よく聴いていくと、A面には海辺の水の音、B面には森林の小鳥のさえずりが、曲の始めや曲間、そして曲の終わりにそっと挿入されている。アルバム・スリーブはまさにそれを表した写真が掲載されている。改めてA面B面をそこで分けたのか?思ってしまった。彼らの様々な思いもメッセージとして伝わってくる素晴らしいアルバムです。

 

2月9日にアップされたアルバム発売を記念した自宅でのライブ映像です。彼らは自分達のライブをオンラインで定期に配信しています。


 

 

Sky Burrow Talesの本作以外の音源もアップしておきますね。 

2020年4月のライブ・ツアーで配布しようと思っていた3曲収録のカセット。コロナの影響でツアー中止になったとのことです。

 

2020年10月にCanopy Weekendsよりリリースされた4曲収録のカセット。

 

2011年より活動しているUlrich RoisのプロジェクトBird Peopleの2020年のカセット・アルバム。ジャムセッションをベースにしてサイケデリックを伝えています。

 

 

ウクライナのシンガー・ソングライターSvitlana Nianio(Світлана Охріменко)、彼女の不思議な世界に魅了されています

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ウクライナを拠点に活動しているシンガーソングライターSvitlana Nianio。90年代初期にチェンバー・サイケ・フォークバンドCukor Bila Smertで活動していました。Cukor Bila Smert解散後は、1996年にOleksandr Yurchenckoとのコラボレーション作品「Знаєш Як? Розкажи、Лiсова Колекцiя」をカセットにてプライベート・リリース。1999年にソロ・デビューアルバム「Kytytsi(Китиці)」をポーランドのレーベルKoka Recordsからリリースしてからは、ポーランドやドイツでも活動を始めます。90年代はSvitlana Nianio名義としてアルバム2枚のみで、2006年に音楽シーンから姿を消してしまうのです。

 

しばらくの間、音楽活動もしないで遊んでいたと語るSvitlana Nianioは、2015年に突如Soundcloudで新曲の配信を行ったのです。2017年にはウクライナやイギリスでのフェスでライブ活動も始めます。それに合わせるかのように再評価もされ、過去のアルバムがリイシューされるようになりました。ただ、すぐに売り切れてしまい現在入手困難になっている状況です。そんな中、昨年には2016年録音の音源を纏めた新作アルバム「Zviy(Звій)」がカセットでリリースされています。今回はSvitlana Nianioについて、色々と書き綴っていきたいと思う。

 

Svitlana Nianio & Oleksandr Yurchencko / Znayesh Yak? Rozkazhy、Lisova Kolekciya(Світлана Охріменко、Олександр Юрченко / Знаєш Як? Розкажи、Лiсова Колекцiя)

 

1996年にカセットでプライベート・リリースされたこのアルバムは、A面が1995年録音のZnayesh Yak? Rozkazhy、B面が1996年録音のLisova Kolekciyaの2作品をカップリングしてウクライナ語で表記されています。Znayesh Yak? Rozkazhyはカセットとして2017年にウクライナのレーベルDelta Shockよりリイシュー。その後、2020年にLPとしてイギリスのレーベルNight SchoolとSkireより共同リリースとなる。一方、Lisova Kolekciyaも2017年にSkireよりLPとしてリイシューされます。尚、彼女と共にその傑作を作り上げた相方Oleksandr Yurchenkoは、健康上の問題で音楽業界から引退しているようです。ただ、彼の90年代音源が昨年リリースされています。早く復活して、Svitlana Nianioとのコラボレーションを再開して欲しいです。

「Svitlana Nianio & Alexander Yurchencko」の画像検索結果             

Svitlana Nianio & Oleksandr Yurchencko / Znayesh Yak? Rozkazhy(Світлана Охріменко、Олександр Юрченко / Знаєш Як? Розкажи)

 

カセットの方はすでに完売でLPをDiscogsで購入。リリース元のNight SchoolとSkireでは、この2月にLPを追加生産することになっている。すぐに完売になるので興味のある方は早めの購入をお勧めします。Oleksandr Yurchenkoのパーカッシブに鳴り響くハンマー・ダルシマーの音に絡むSvitlana Nianioの不穏で甘美な歌声とカシオ・キーボードのチープな音。これらをミックスしてエキセントリックでアヴァンギャルドな雰囲気を醸し出しています。

 

Svitlana Nianio / Lisova Kolekciya(Світлана Охріменко / Лiсова Колекцiя)

 

入手困難でDiscogsで見つけた時には $135.00の高値になっていたが、思わず購入してしまった。Oleksandr Yurchenkoとのコラボレーションであるが、LP化になった時にSvitlana Nianioの単独名義になっている。2台のカシオ・キーボードとサウンドエフェクトを絡めたミニマル・サウンドにSvitlana Nianioの歌声が伸びやかに映える展開。美しくアンビエントに鳴り響いています。こちらも素晴らしいアルバムです。

 


Svitlana Nianio / Kytytsi(Світлана Охріменко / Китиці) 

 

1999年のソロ・デビューアルバム。2018年にオリジナルの版元Koka RecordsよりCDにてリイシュー。このKoka Recordsはポーランドウクライナアンダーグラウンドミュージックと伝統音楽を専門としています。Svitlana Nianioのアルバムの中では比較的に購入し易いです。日本のArt Into Lifeで購入。この記事を書いている時点でまだ在庫を持っていました。東欧フォークといった感じで、子守歌的な雰囲気もあって安心して聴いていられる。ピアノ、ギター、アコーディオン、ハープ、弦楽器を組み合わせてクラシック、ミニマルの要素も駆使して穏やかに鳴り響く。パッケージも素晴らしく3面の紙ジャケ仕様で18ページのブックレットが貼ってあり、8枚のイラスト・カードが封入されています。たぶん本人が書いたイラストなのでしょうね。

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Svitlana Nianio / Zviy(Звій)

 

昨年新作として2016年録音作品をベルギーのレーベルSloow Tapesより限定70本のカセットでリリース。瞬殺廃盤となったが、昨年11月にDiscogsで見つけて注文をする。ところが輸送中に紛失して未だ届かず。返金はして貰ったけどね。デビュー作以来のアルバムとなる本作はSoundcloudで聴くことが出来る。東欧フォークの雰囲気を醸し出しながら、ミニマルに纏め上げた傑作。彼女の不思議な世界に魅了されています。これまでのアルバムの集大成とも言えるだけに、何としても欲しい!  リリース元Sloow Tapesにリイシューのお願いメッセージを送っているけど・・・


 

現在も様々なメンバーとセッションやコラボレーションを行っているようです。それらが早く形となってリリースされるようになって欲しいですね。