ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

Volcano The Bear「Golden Rhythm-Ink Music」

1995年にイギリスのレスターでAaron Moore、Nick Mott、Clarence Manuelo、そしてDaniel Padden の4人によって結成されたVolcano The Bear。彼らのエクスペリメンタルなインプロバイズド・ミュージックは、その場の一発勝負的なノリとは、一線を帰している。フリージャズ、クラシック、エレクトロニカなどのあらゆるものを組み合わせて、予想不能な摩訶不思議な世界を構築しているのであります。2000年代初めぐらいから、各メンバーが個々に活動をしているので、4人全員が揃うことは少なくなり、最近ではAaron MooreとDaniel Paddenのデュオとしてライブ活動をしています。

 

そんなVolcano The Bearの新作「Golden Rhythm-Ink Music」がリリースされました。EMC傘下のRune Grammofonというノルウェーのレーベルです。このレーベルのアートデザインを担当しているのが、ノルウェー出身のKim Hiorthøyです。2000年代初期のエレクトロニカ・シーンを知っている人にとっては、なじみ深い人かな?Aaron MooreとNick Mottは、一時期Songs Of Norwayというユニットもやっていましたからね。

 

Volcano The Bear「Golden Rhythm-Ink Music」

今回の「Golden Rhythm-Ink Music」は、2008年に録音されていた音源をAaron MooreとDaniel Paddenによって再度編集ミックスが行われた5曲に、Clarence ManueloとNick Mottのノイズ・コラージュ2曲、そして4人が揃っている1曲の全8曲構成になっています。やはり、Volcano The Bearのフル・アルバムとしてリリースするには4人のクレジットが必要だったのかな。

 

今までのインスト中心だったアルバムに比べて、積極的にヴォーカルを入れ、シンプルでロック色の強いアルバムに仕上がっています。4人で色々な音を出していた時もヴォーカルはありましたが、ヴォイス的な扱いでありました。ただ、2人でサウンド構築しようとすると、ヴォーカルも取り入れていかなくてはと思ったのかもしれませんね。Volcano The Bearのエキセントリックな魅力を損ねることなく、ポップに進化させたこのアルバムは、彼らの今後の展開も含めて重要なアルバムであることは間違いありません。個人的にはVolcano The Bearの最高傑作だと思う。

 

Volcano The Bear  Aaron MooreとDaniel Paddenの2人でのライブ映像

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