ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

2012年、Gong来日に寄せて、その2

Gongの来日が、112930日、原宿アストロホールで行われることについて、オフィシャルで発表になったのが、7月の初めのことであった。日にちと場所だけは決まっていたけど、具体的なことは何も情報がないまま、時間だけが経過していた。そして、10月の初めにやっと、クリエイティブマンより、チケット販売についての公表があった。

 

 待っていましたとばかりに、内容を確認してみると、指定席12,000円、スタンディング8,500円という価格に、何、それ?といった感じになってしまった。原宿アストロホールで指定席なんて、そんな余裕のあるライブハウスだったかな?それと、その価格設定である。過去に何回もGongの来日ライブを観ている身としては、5,000円から6,000円前後が妥当だと思うけどね。需要と供給のバランスなんだけど、はたして、どうなのかな。

 

 友人、知人の何人かは、行くことを諦めた方もいる。私は何が何でも行くしかないと思っている。これを見逃すと、日本で観ること出来る最後のライブかとも思うしね。一応、29日の指定席チケットは、確保しました。どんなライブをやってくれるのか楽しみです。

 

 

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Daevid Allen & friends / Live At The Roundhouse 1971

 

そんな中、Gongファンにとっては、興味深いアーカイブ音源が、リリースされました。Gonzo Multimediaからリリースされた「Daevid Allen & friends / Live At The Roundhouse 1971」であります。19712月にロンドンのRoundhouseで開催されたドラックと精神の開放を歌うチャリティーコンサートでの音源であります。参加メンバーが、Gilli Smythや当時のSoft MachineのメンバーであったRobert Wyatt(dr)、Hug Hopper(b)、Elton Dean(sax)という凄いメンバーなのであります。

 

1971年というとGongの「Camembert Electrique」や「Continental Circus」がリリースされた年でもあり、Daevid Allenとしての初ソロ「Banana Moon」もリリースされている。Soft Machineならば、「Third」や「Fourth」といったアルバムがリリースされた時期でもある。

 

このメンバー達によるDaevid Allenのライブなのであります。全体的には、かなり実験的なパフォーマンスを披露している。ポエムリーディングやテープ音響ギミックといった、アヴァンギャルドな展開です。Daevid Allenは、当時から実験的な試みをしていたのであるが、そういった実験的なアルバムとなるとリアルタイムではリリースされていなかったのである。Gongを脱退した後の70年代後半から80年代前半のソロ・アルバムには、実験的な展開が多かったかな。

 

このライブ音源の中には、後になってからソロ・アルバムやBananamoon Obscuraシリーズにて正式に収録されている曲なども幾つかある。しかし、そうは言っても、やはりGongの「Camembert Electrique」から、「I Am Your Fantasy」や「I Am Your Animal」、そして、ソロのBanana Moon」は「Fred The Fish」などは、演奏しなければならないのでしょね。

 

このRoundhouseでのコンサートは、Daevid Allen1967年にイギリスから入国を拒否され、その後、正式に入国が認められた後の初仕事らしい。そして、このコンサートにはSoft Machineを始めとして、Kevin Ayersも参加していることから、Soft Machine Family At The Roundhouseとも言われているようです。

 

そんな貴重な音源なのですが、録音が海賊盤以下のレベルで、ちょっとがっかりしてしまう。それとスリーブには、オリジナル・セットリストを掲載しているのだから、出来れば全部収録して欲しいとリリースしたGonzo Multimediaに言いたい。Daevid Allenの今年リリースしたソロ・アルバム「Soundbites 4 tha revelation」の原点が、ここにあることだけは、非常によく感じられる。