ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

Pere Ubu「Lady from Shanghai」 Pere Ubu流のダンス・ミュージック?

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Pere Ubu– Lady From Shanghai

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奇才David Thomas率いるアヴァンギャルド・ガレージ・パンク・バンドPere Ubuのデビュー35周年を飾る新作「Lady from Shanghai」が届きました。David Thomas曰くPere Ubu流のダンス・ミュージックとのこと。とは言っても、Pere Ubuですから、まともにダンス・ミュージックなどやる訳がありません。アルバム・ジャケットの内側には、Smash The Hegemony of Dance  Stand Stillと大きく書かれています。毎度のことながら尖がっていますし、カオスティックなサウンドは,さらに進化を深めた感じです。

 

前作「Long Live Pere Ubu!」が、自分たちの名前の由来となったフランスの劇作家Alfred Jarry(1873 ~1907)の1896年に公開されたUbu Roiの物語をコンセプトに制作された劇場サウンド・トラックを基本としていただけに、物語の内容が分からないと、ちょっと辛かったところもあった。ただ、今回の「Lady from Shanghai」は、35周年に相応しいPere Ubuサウンドとなって蘇っています。

 

最初にPere Ubu流のダンス・ミュージックと書いたが、それを象徴する曲が冒頭の1曲目に収録されています。「Thanks」と題された曲は、Anita Wardのディスコ曲として有名な「Ring My Bell」のサビのメロディーの部分を使っているのである。どっかで聴いたことのあるメロディーだなあと思っていたが、CDジャケットには、クレジットされていない。気になって調べてみると、海外のレビューでは、この部分が結構取り上げられていたのでありました。勝手に使用したので「Thanks」ということなのでしょうかね(笑)。まあ、Pere Ubuらしいですね。

 

全体的には、エレクトロ・デジタル色が強く出ているが、曲そのもののベースは、昔も今も基本的には何も変わっていない。オリジナル・メンバーは、David Thomasだけになっているが、今のメンバーとは、15年近く一緒に活動をしている。David Thomasのワンマンバンドの様に思われるが、意外と民主的なバンドであり、今回もソングライティングはPere Ubu名義になっている。

 

バンドの方は、4月からUKツアーが始まるようである。何とか日本でもライブをやって欲しいのだが・・・