ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

Sun Raの1966年の未発表ライブ音源!

今年はSun Ra(1914年5月22日~ 1993年5月30日)の生誕100周年であります。この生誕100年を記念してMarshall Allen率いるSun Ra Arkestraが世界各地でライブ活動を行なっている。日本でも7月4日と5日に東京・表参道のBlue Note Tokyoでライブが行われた。残念ながら観に行くことは出来なかったけどね。Sun Ra亡き後もArkestra を率いているMarshall Allenも、今年90歳ですから本当に驚いてしまう。

 

そんな中で、Sun Raにとっては興味深い作品がArt Yardよりリリースされました。Art YardはSun Raのリイシューやアーカイブ音源をリリースしてきたレーベルです。ここからリリースされる作品は良質なものが多いので、Art Yardのリリースであれは、迷わず買ってしまう。

Sun Ra And His Band From Outer Space / Space Aura 

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「Space Aura」は1966年5月、NYのUniversity of Buffalでの未発表ライブ音源です。レーベルとしても初レコード(10インチ)オンリー作品なのであります。Marshall AllenをはじめとしてJohn Gilmore、Pat Patrickなど、お馴染みのメンバーが参加。Sun Raのピアノ・ソロから始まってミスティックなSun Ra流のスウィング・ジャズ、そして実験的な演奏を繰り広げるフリー・ジャズまでの全4曲が収録されている。フリー・ジャズという新たなる流れが定着しつつあった時でもあり、混沌とした時代背景をこのレコードから伺うことが出来る。

 

Sun Raの名盤とされる「Nothing Is...」も、この時代のライブ盤でした。2010年になって、やっと完全収録されたコンプリート盤がリリースされた。本来は2セットのライブ構成だったのである。今回の「Space Aura」では、A面とB面で雰囲気が少し違う。本来のライブは、これもまた2部構成でスウィング・ジャズ編とフリー・ジャズ編と分けて演奏したのかと勝手に想像している(笑)。それならば、早くコンプリート盤をリリースして欲しいと思う。まあ、私の根拠の無い願望ですけどね。

 

ただ、昔からSun Raの版権管理はいい加減だった。日銭を稼ぐように、その日のライブ音源を複数に売っていたという。いまだに多くの未発表音源が出て来るのも納得である。ここはArt Yardさんに頑張って貰うしかないですね。