ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

Eternal Tapestryの野イチゴが描く異空間サイケデリアの世界とは、

 

Eternal Tapestry / Wild Strawberries

オレゴン州ポートランドを拠点に活動しているサイケデリックなドローン・サウンドを奏でるEternal Tapestry。Jackie O Motherfuckerのメンバーとして活動していたこともあるNick Bindemanを中心に2005年に結成されました。2007年にCDrやカセットで作品をリリースし始め、地道な活動が評価され、2011年にThrill Jockeyからリリースされた「Beyond The 4th Door」でさらに注目を浴びる様になりました。そして、Sun Arawとのコラボレーションを含めた4作品をリリース後、一端はThrill Jockeyを離れるのですが、再び Thrill Jockeyからリリースされた2015年の新作「Wild Strawberries」が凄い。

 

彼らの目指していたサウンドのすべてをこの1枚にぶち込めた大作であります。ドラッキーなサイケ・ギターに絡むオルガン・ドローンの異空間は、ミニマルで時にはアンビエントに私達を地の果てまで引き摺りこんでくれます。曲名がアルバムタイトルのナンバーの「Wild Strawberries」を始めとして、各曲地元の植物から付けられています。ジャケットのアートワークも植物で、この白黒のコントラストがアルバムの怪しげな雰囲気をも表していす。人里離れた大自然の中で録音されたというこのアルバムから、Eternal Tapestryの描くサイケデリアの神髄を是非とも感じ取って欲しい。

 

それにしても、このCDは収録時間80分で8曲というボリュームです。やりたい放題にやったとすれば、Thrill Jockeyの彼らに対する思いも相当なものであります。今後、この関係も注意深く見守って行きたいところですね。