ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

東欧や中欧の伝統音楽の雰囲気を持った独特の世界を奏でるMagic Carpathians Project

今回も2017年アルバム・ベスト10に入れた中からMagic Carpathians Projectについて書きます。1998年にポーランドのAnna NacherとMarek Styczyńskiの2人が中心となって結成されました。Carpathiansとはカルパティア山脈のことであり、主にスロバキアポーランドウクライナルーマニアにまたがっています。まさに彼らの奏でる音楽も、東欧や中欧の伝統音楽の雰囲気を持った独特の世界であります。バンド名はポーランド語表記でProjekt Karpaty Magiczneとされることもあり、Projectは付いたり付かなかったりしています。昨年はMagic Carpathians Projectの「Khemia」とAnna Nacher&Marek Styczyński名義による「Throbbing Plants」がリリースされました。

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Magic Carpathians Project「Khemia」

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昨年12月にリリースされた「Khemia」。タイミング良く年内にギリギリに届きました。インドの民族楽器シュルティ・ボックスのドローン音をベースにしてシンセやオルガンが絡み、幾つかの民族打楽器がリズミックに鳴り響く。そこにAnna Nacherのヴォイス&コーラス、ポエムリーディングが呪文のように訴えかけてくる。民族音楽電子音楽、さらには宗教音楽の要素まで取り入れたサイケデリックな魔力にどんどん引き込まれて行きます。Marek StyczyńskiはAnna Nacherと共に曲を作り、マルチに様々な楽器を用いてサウンドを構築しています。他のメンバーは流動的ですが、このアルバムに参加しているJan KubekやDawid Adrjanczykは節目節目でMagic Carpathiansを支えてきたメンバーでもあり、息もピッタリです。ライブにおける彼らの存在も注目です。

 

 

2011年のライブ映像です。 

 

 

Anna Nacher&Marek Styczyński「Throbbing Plants」

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昨年3月にリリースされた「Throbbing Plants」。タイトルのThrobbing Plants、植物の鼓動とでも訳するのかな。大自然をテーマにストーリーテリングしている内容です。フジャラ、ダクソフォンといった民族楽器から未知の楽器、そして団扇太鼓まで用いたアンビエントサウンドはAnna Nacherの語りをさり気なくしっかりと包み込んでいます。言葉の意味が分からなくても2人の思いは充分に伝わってきます。

 

 

 Magic Carpathians Projectの前作は以前に書いてます。