ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

Richard Youngsあれこれ

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80年代末からスコットランドグラスゴーを拠点に活動をし、エクスペリメンタルでアヴァンギャルドサウンドからヴォーカルものまでも熟す鬼才Richard Youngs。デビュー時から精力的にアルバムをリリースしており、ディスコグラフィも膨大な数となっている。加えて、コラボレーション・アルバムやプロジェクトなども多いので全てを把握することは困難であるが、私がフォローし始めた90年代中頃に比べる情報が入手し易く、ネットなどで様々な作品が聴くことが出来るようになっている。今現在もアルバム制作意欲は旺盛で、今年になってフィジカルメディアだけで3作品もリリースされている。最新作を購入したら、勢いで買いそびれていた最近のアルバムを5タイトルも購入してしまった。

 

 

Richard Youngs / Arrow(CD)

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イギリスのアンビエント・レーベルPreserved Soundからリリースされた2018年の最新作。ピアノの即興演奏にオルガン、パーカッション、電子音などを組み合わせたポスト・クラシカルなミニマルミュージックの世界。すんなりと聴き入ってしまう傑作です。

 

 

Richard Youngs / Red Alphabet In The Snow(CDr)

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ArrowがPreserved Soundからの2作目となれば、1作目も聴きたくなりますよね。それで購入したのが、2014年にリリースされたPreserved Soundからの1作目 Red Alphabet In The Snowです。アコースティック・ギターバンジョーウクレレに絡むヴァイオンリのドローンやヴォイス・コーラスなどで幻想的なサウンドを聴かせます。こちらも傑作です。

 

 

Richard Youngs / This Is Not A Lament(2CD)

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2017年にリリースされたスコットランドの民族楽器バグパイプをモチーフに各コラボレーターとの曲を纏めたアルバム。ソロ曲も含めて、Neil Campbell(Vibracathedral Orchestra、 Astral Social Club)、Oren Ambarchi、Simon Wickham-Smith、Sybren Renema(Death Shanties)、Donald WG Lindsayなどとのコラボ曲が収録されています。バグパイプの伝統的な音の出し方を逸脱した不思議な世界が醸し出されています。最高に面白いです。


 

Richard Youngs / Belief(Vinyl)

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CharlatansのTim Burgessも運営に関わっているレーベルO Genesisからの初アルバムで2018年にVinylオンリーでリリース。Richard Youngsのヴォーカルもので、アヴァン・フォークを中心に異形な雰囲気満載ですが、しっかりと心に染みいって来ます。近年のヴォーカルものの中では一番好きです。


 

Neil Campbell&Richard Youngs / Six Scores(Vinyl)

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2017年にリリースされたNeil Campbell&Richard Youngsのコラボレーション・アルバムです。90年代初期から親交が深く、お互いのアルバムやバンド、プロジェクトなど様々なことで交流してきた2人であります。ただ、Neil Campbell&Richard Youngs名義のアルバムとなると、何と17年振りのリリースとなります。今回のSix Scoresは予め6曲の楽譜が有って、Neil Campbellがエレクトロニックスとヴォーカル、Richard Youngsがヴァイオリンとヴォーカルに担当を決めて、相談無しでそれぞれ録音した物をミックスさせるというルールで制作されました。相手を知り尽くした間柄ですから、制約を設けないと新たなるものは生まれないと思ったのかな。仕上がったサウンドは、毎度のエクスペリメンタルでアヴァンギャルドの世界ですが、新鮮に聴くことが出来たので効果は出ていますね。

 

様々な音楽に果敢にチャレンジしているRichard Youngs。やはり鬼才というべきなのでしょう。マイナーなインディペンデントの一角に埋もらせておくには勿体ない存在です。彼の一筋縄でいかない音楽の世界を知る切っ掛けとなれば幸いです。