ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

Sunburned Hand Of Man「Headless」、これまでのトリッキーでカオスな部分を控えめにしているけど、彼らの名盤の1枚です

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ボストンを拠点にして90年代中頃より、John Moloneyを中心に様々なメンバーが流動的に集まってライブ活動を行なっているSunburned Hand Of The Manの新作がリリースされました。新作といっても2017年に録音された音源で、20本限定のカセット「Intentions」としてリリースしていたアルバムのVinylリイシューです。

 

今回はタイトルを「Headless」に変更してCardinal Fuzzと自身のレーベルManhandとの共同リリースです。ただ、2020年2月に限定300枚のVinylでリリースされましたが、すでにBandcampでは販売終了になっています。彼らにすれば毎度の展開ですが、フィジカル・メディアに拘る身としては厳しいですね。まあ、購入出来たので良しとしましょう。

 

Sunburned Hand Of The Man / Headless

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本作はバンド結成時からのメンバーJohn Moloney、Robert Thomasに加えてGregary War、Jeremy Pisani、Ron Schneidermanの5人が参加。レコーディングとミキシングにNo Neck Blues BandのJason Meagherを起用していることも興味深い。

 

これまでのトリッキーでカオスな部分を控えめにして、ギターをメインにアシッドサイケ・フォーク、クラウトロックの要素を取り入れた展開を打ち出している。冒頭の1曲目「Prism Mirror Lens」がミニマルチックでメローに鳴り響く。アルバムの中では3分台の短めの曲でありますが、まさに本作を象徴とするこの曲に心地よく引き込まれて行きます。その他、自由奔放に各メンバーが音を出してるジャムセッション的な曲では、即興ではなく、アンサンブルに沿って曲が作られている為、安心して身を委ねことの出来る曲ばかりです。彼らのアルバムの中でも、聴きやすくすんなりと心に染みいってきます。アルバムのリリース量が多いSunburned Hand Of Manですが、この「Headless」も彼らの名盤の1枚だと思う。

 

全曲インストかと思いきや、ラスト9曲目「Framework」にヴォーカルが入っています。Robert ThomasとGregary Warの2人だけで録音して追加で収録されたようです。Sunburned Hand Of The Man流のユニークなヴォーカル曲です。アルバム全体の流れからすると逸脱した感じですが、完成度の高いアルバムをそのままリリースするのではなく、少しお遊びがしたかったのかな?と思ってしまった。彼ららしいですね。

 

 

 

 

Bandcampでは、もう「Headless」に続く新作「Covered In Mud」がデジタルで公開されています。まだ、よく聴いていませんが、ヴォーカルを駆使したアルバムです。いずれThree LobedからのVinylリリースも予定されています。こちらも楽しみです。毎度のように少量生産だと思うので買いそびれることのないようにしたいですね。

 

 

Sunburned Hand Of The Manについては、昨年こんな記事も書いています。