ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

Alison CottonとMark NicholasのデュオThe Left Outsidesのメランコリックながらも温もりを感じるアシッドフォークの世界とは

The Left Outsides | Andy Martin - Visual Artist | Photographer | Film Maker  | UK

ロンドンを拠点とするAlison CottonとMark Nicholasの夫婦デュオThe Left Outsides。2人は2000年代中頃にThe Eighteenth Day Of Mayのメンバーでした。The Eighteenth Day Of Mayが解散した後、2007年にThe Left Outsidesとして活動します。今回、The Left Outsidesの6枚目となる新作がリリースされました。彼らの傑作とも言える内容です。併せてAlison Cottonの2作目となるソロ・アルバムもリリースされたので両方紹介したいと思う。

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The Left Outsides / Are You Sure I Was There?

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Alison Cottonの奏でるビオラ、ピアノ、オルガンとMark Nicholasの多彩なギターの音色を基本に、これまでになくサイケデリックでダークに鳴り響く。2人のストイックな雰囲気を醸し出す催眠的な歌は、60年代、70年代のアシッドフォークを彷彿とさせます。今の混沌とした状況をメランコリックに伝えつつも、どことなく温もりをも感じる。映画のサウンド・トラックストーリーテリングを意識したような展開。アルバム・タイトル「私はそこにいたのですか?」にあるように、自分達の居場所を再確認をしながら夜明けを待っている情景をイメージしながら聴いている。目新しいことは何もなく、むしろ古典的でありがら、様々な思いを掻きたててくれる魅惑的な全11曲。聴けは聴くほどにその魅惑に取憑かれていく素晴らしいアルバムです。夜明けは近い!

 

 

Alison Cotton / Only Darkness Now

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アルバム・タイトルも凄いです。前作に引き続いてのドローン・アンビエントの世界。チェロ、オムニコードハーモニウム、ピアノ、ヴォーカル&ヴォイスとマルチ・インストゥルメンタル奏者としての力量をさらに進化させています。ラスト5曲目は故Dorothy Carterの「Shirt Of Lace」をカヴァーしていますが、Alison Cottonワールドに変化させて宇宙の彼方へと導いてくれます。

 尚、このアルバムはQuietus Albums Of The Year 2020のベスト11位に選ばれています。


 

The Left Outsidesは、The Eighteenth Day Of Mayの元メンバーBen Phillipson、Karl Sabinoと集結してThe Trimdon Grange Explosionとしても活動しています。以前、The Trimdon Grange Explosionを取り上げた時に、Alison Cotton、The Left Outsidesについても書いています。