ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

Swans結成時のドラマーだったJonathan KaneによるGuitar Trioの世界とは

Jonathan Kane - Wikipedia

Swans結成時のドラマーだったJonathan Kane。Swans脱退後はセッション・ドラマーとして様々な活動を行なって来ました。その中でもミニマル実験音楽作家Rhys Chathamとの出会いが、彼の音楽に大きな影響を与えました。Rhys Chathamと言えばギター・トリオ、100本ギター・オーケストラなどのプロジェクトが有名であります。Jonathan Kaneの2005年の初ソロ・アルバム「February」でRhys ChathamのGuitar Trioを奏でています。そのコンセプトを元に2枚シングルを経て2009年に彼の代表作とも言えるセカンド・アルバム「Jet Ear Party」をリリースします。

 

その後、2012年にIssue Project Roomでの2010年2月のライブ音源CDが限定リリースされたが、殆ど一般流通が無いまま入手困難となってしまった。Jonathan Kaneの情報も入って来ないので、ずっと気になっていたのです。最近になってSunwatchersのギタリストJim McHughとの2020年10月のライブ音源がnyctaperよりデジタル配信されていたことを知る。色々確認すると2017年よりFacebookベージを開設しており、地道にライブ活動を行っていたのでした。


今回、入手困難と思っていた Live At Issue Project RoomのデットストックCDを偶々運良くDiscogsで購入することが出来たので紹介したいと思う。デジタルとしては、以前からアップされていたが、フィジカル・メディアとして持たないと分らないことも多いしね。 

Jonathan Kane's February / Live At Issue Project Room

ライブ会場であるIssue Project Roomは、2003年にSuzanne Fiolによってブルックリンに開設されたエクスペリメンタルやアヴァン・ギャルドの音楽に特化したライブ・スペースです。本作にはSuzanne Fiolが2009年10月に亡くなったことも含めて彼女のバイオグラフィー的なことがCDのライナーノーツに記載されており、Dedicated to Suzanne Fiolと書かれています。メモリアル的なIssue Project Roomとしての初CDリリースにも納得です。Jonathan Kaneの彼女に対する思いも伝わって来ます。

 

これまではJonathan Kaneの単独名義でしたが、ライブ盤ということもあってJonathan Kane's Februaryというバンド名義になっています。Jonathan Kaneのドラムを中心にギター3人、ベース1人の5人編成で、ブルースロックを基本にミニマルでクラウトロック的な雰囲気も醸し出しています。ファースト・アルバムから2曲、セカンド・アルバムから4曲の全6曲収録です。いずれもJonathan Kaneの方向性がしっかりと反映されており、各メンバーの演奏力も高いため、安心して酔いしれることの出来るライブ盤です。


  

セカンド・アルバム「Jet Ear Party」リリース時のスタジオ映像で、Live At Issue Project Roomでは冒頭1曲目に収録されているGrippedです。最高に格好いい!!

 

参考までに Jonathan Kaneが影響を受けたRhys ChathamのGuitar Trioの映像です。こちらもメチャメチャにいいです!!


そろそろ Jonathan Kaneの新作も聴きたいところですね。 Jonathan Kane's FebruaryのGuitar Trio的な展開になるのか?それともコラボレーション的なユニットになるのか?今後も注目して行きたいです。