ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

Matt ValentineのPreserves名義による Galactic Ooze、彼の集大成を表した傑作!

Cosmic Principle Matt Valentine

サイケデリック・ロックからアシッド・フォークまで奏でるアメリカ・バーモント州の夫婦デュオMV & EE( Matt Valentine&Erika Elder)としてもお馴染みのMatt Valentine。彼は90年代中頃からThe Tower Recordingsというサイケ・フォークバンドで活動していた。2000年代初めには、フリーフォーク・ムーブメントの一角として脚光を浴びるようになる。これまでのフォークにエレクトロニカインプロビゼーション、ノイズなどを取り込んた様々なバンドが登場してきた。ただ、ブームはそう長続きはせず、2000年代中頃には終息してしまった。その影響なのかThe Tower Recordingsも活動休止となってしまう。Matt Valentineは同じくメンバーでもあったErika ElderとMV & EEしても活動していたので、その後はMV & EEを中心にソロも行い現在も勢力的に活動を行っている。

 

MV & EEの場合、自主制作を基本に自身のレーベルChild Of Microtonesからのセルフリリースが中心です。その為、日本での流通がスムーズに行かないことも多かった。Ecstatic Peace!、Time-Lag Records、Three Lobed Recordingsなどのレーベルが取り上げることで、彼らの存在を知ったリスナーも多い思う。今回、Matt Valentine Preserves名義の2020年にCDRリリースされていたアルバム ”Galactic Ooze” をFeeding Tube Recordsが今年春にレコードでリイシューしました。この音源に惚れ込んだFeeding Tube Recordsが、Matt Valentineにレコード化を勧めたとのことです。このことで、アマゾン辺りでも入手可能になりました。

 

Matt Valentine Preserves – Galactic Ooze

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本作はコズミックな雰囲気をベースにサイケデリック、ドローン、フォークなどの要素をぶち込んでカオスに鳴り響かせています。様々なシチュエーションを用いて、次々と繰り広げられる瞑想的でサイケデリックサウンド全7曲を収録。曲によって参加メンバーが違っていますが、Erika Elder、元The Tower RecordingsのSamara Lubelski、PG Six、Real EstateのJackson Pollis、Magik MarkersのJohn Shawらがクレジットされています。Matt Valentineのラリッたヴォーカルと変幻自在なギターを中心にして、それを支えるバックの面々が、遙か彼方へと私達を導いてくれます。素晴らしいアルバムです。

 

Matt Valentine Preserves名義でのリリースは、これが初めてであります。2019年には本人名義でタイトルをPreservesにしたアルバムもリリースしています。こちらも素晴らしいアルバムです。Preservesは保存する、維持するといった言葉の複数形でもあります。両アルバムとも、これまでの様々なミュージシャンとのコラボレーションを纏めたアルバムとされています。まさにアーカイブ音源といった内容で、各曲が独自性も持っており完成度が高いことにも納得です。 “Galactic Ooze” が続編となるのでしょうね。Preservesをアルバム名からユニット名に変更したことに、1人でなく皆と一緒に作り上げたMatt Valentineのコラボレーターに対する敬意も感じる。Matt Valentineの人脈があってこそのアルバムであり、彼の集大成を表した傑作といえる1枚です。

 

 

 

Matt Valentineのアルバムタイトル ”Preserves” も購入しました。

Matt Valentine / Preserves

 

2019年Beyond Beyond Is Beyond Recordsよりリリース。リリースされたことは知っていたが、購入ルートを見つけられずにいた。“Galactic Ooze”を購入した時に、アマゾンマーケットプレイスでの取り扱いを確認する。“Galactic Ooze”と同様のメンバーに加えて、Vibracathedral OrchestraのMichael Flower、 Dinosaur Jr.のJ Mascis、Sunburned Hand Of The ManのJohn Moloneyといった名前もクレジットされています。もの凄く興味深いです。レコードで注文していますが、まだ届いていません。届くのが楽しみです。

 

本来なら、MV & EEのCap Tripsを先に取り上げる予定でしたが、書きそびれていました。

MV & EE / Cap Trips

2020年11月にChild Of MicrotonesよりCDRにてリリース。セルフリリースの為、殆ど一般流通されることがないのが悩みところです。こちらもサイケデリックでぶっ飛んだ感じに仕上げています。彼らの傑作とも言える1枚です。

MV & EEのブログより購入することが出来ます。送料が高く付きますけどね。