ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

2人のSamが奏でるサックスとベースのための音楽、その2

ともにLAを拠点とするアンダーグラウンド・ジャズ・シーンで活躍するサックス奏者Sam GendelとベーシストSam Wilkes。2人の存在感を示したのが、2018年の傑作「Music for Saxofone and Bass Guitar」です。その第2弾がLeaving Recordsからカセットでリリースされました。2017年から2021年にかけての録音とクレジットされており、前作のアルバムタイトルそのままで、最後にMore Songsが付いています。2人の盟友であるInc. No WorldのDaniel Agedも数曲でゲスト参加している。

 

Sam Gendel & Sam Wilkes / Music for Saxofone and Bass Guitar More Songs

サックスとベースの音を中心にパーカッションやエレクトニックス、そしてフィールドレコーディングされた音がさり気なく絡んだスピリチュアルアンビエントジャズの世界。サックスの音色が変幻自在に鳴り響き、ギターノイズを思わせるような曲もあります。一方でベースはしっとりと、時にはファンキーにサウンドを支えています。前作を踏襲しつつ、より自由でエクスペリメンタルなサウンドに仕上がっています。

 

全9曲収録で様々な試みを行っているにも関わらず、そのトーンや全体的な空気感が同じでグイグイと瞑想へと導いてくれます。絶妙にくぐもった音像が気持ちいいです。彼らのサウンド構築に対する巧さを感じる。何時間でもエンドレスに聴いていたいと思う1枚です。

 

前作についても書いています。

 

 

 

今年色々と注目を集めているSam GendelとSam Wilkesの2人ですが、特にSam Gendelが大人気です。「Music for Saxofone and Bass Guitar More Songs」の少し前にリリースされていたのが、Sam Gendelのアーカイブ音源「Fresh Bread」です。3本組カセットで2012年から2020年にかけて自宅で録音されたパーソナル・アーカイブとライヴ音源で構成されています。日本国内盤のみ3枚組CDとのことです。まだ、しっかりと聴けていませんが、いい感じです。あと、今月にSam Gendelが結成していたジャズトリオIngaの封印されていた音源も日本企画としてCDでリリースします。今後もしっかりとフォローしていくしかないですね。

Sam Gendel / Fresh Bread

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