ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

2021年アルバム・ベスト10

年明け最初の投稿はいつものようにアルバム・ベスト10です。毎度の拙い文章ですが、毎回読んで頂いている皆さんに感謝です。今年もよろしくお願いします。

 

渋谷陽一の著書に「ロックはどうして時代から逃れられないのか」というのがある。昨年はまさにその言葉を表したように、今この時代に何を伝え、どう響かせるかを問うたアルバムが多かった気がする。素晴らしいアルバムが多く選考に悩みましたが、何とか10枚を選びました。過去にベスト20にしたこともありましたが、自分の中で収拾がつかなくなったこともあって今回もベスト10です。2021年リリースの新作アルバムを対象にメジャーからマイナー、ベテランから新人、ジャンルも色々ですが、個人的にはバランス良く纏まったと思っています。

 

No.1 Low / Hey What

スロウコアの先駆者とも言われるLow。その原点を押さえつつ、これまで培ってきたなエッセンスを凝縮させて異次元の世界へと達した最高傑作! 


 

No.2 The Telescopes / Songs Of Love And Revolution

1987年から活動を続けるイギリスのサイケデリック・バンドThe Telescopes。Stephen Lawrieのソロ・プロジェクトですが、よりガレージな雰囲気をも兼ね備えたギターバンド的なサウンドになっています。今だからこそLove And Revolutionなのでしょうね。


 

No3 Sky Burrow Tales / Seafarin' & Backporchin'

レーベルFeathered Coyote Recordsを主宰しながら、様々なバンドやプロジェクトでも活動しているUlrich Rois。原点に戻って彼を支えてきた相方Swantje Musaと組んだSky Burrow Tales。フリー・フォーク・ムーブメントの雰囲気を彷彿させる傑作!


 

No.4 Matt Lajoie / Paraclete Tongue

Ash Brooksと共にレーベルFlower Room を主宰しながら、様々な活動を行っているMatt Lajoie。今年多くのアルバムをリリースしています。その中からの1枚です。ギターニューエイジミュージックによる全4曲。牧歌的な雰囲気も醸し出しながら広大な宇宙へと導いてくれます。


 

No.5 Pelt / Reticence、Resistance

今年はPelt派生バンド、Black Twig Pickers、Spiral Joy Band、Eight Point Starの新作がリリースされました。どれも素晴らしいアルバムでしたが、最後にPelt本体の9年振りとなる新作がリリースされれば、もうこれしかないですね。故Jack Roseと正面から向き合った傑作!


 

No.6 Six Organs Of Admittance / The Veiled Sea

90年代後半よりギタリストBen Chasnyのソロ・プロジェクトとして活動しているSix Organs Of Admittance。本作は多彩な要素を含んで、単なるギタリストで終りたくないという意欲を感じると共に、でもギタリストであることを再確認させられるサウンドを巧く纏め上げた傑作!


 

No.7 Sam Gendel & Sam Wilkes / Music for Saxofone and Bass Guitar More Songs

2人とも今や大人気のミュージシャンです。2018年リリースのMusic for Saxofone and Bass Guitarの第1弾の流れを踏襲しつつ、本作ではより自由でエクスペリメンタルなサウンドに仕上がっています。素晴らしいアルバムです。


 

No.8 Antoine Loyer & Megalodons malades、Begayer / Sauce chien et la guitare au poireau


ベルギーのシンガーソングライターAntoine Loyerとフランスのサイケ・トリオBegayerのスプリット・アルバムでありコラボレーション・アルバムです。両者の魅力を1枚のアルバムに詰め込んだ独創性あふれる傑作!      


 

No.9 Steven R. Smith / In The Spire

様々な名義を使うことで隠者的なイメージを持たれていたSteven R. Smith。いよいよ表舞台に出てくる日も近いと感じる重要なアルバム。


 

No.10 Liila / Soundness Of Mind

禅宗寺院での共同生活で出会い結成されたLiila。全体的にオリエンタルな雰囲気が漂っています。彼らの原点となっている禅宗の影響が大きいのでしょうね。まさに心が洗われる素晴らしいアルバムです。


 

今年もサブスクやデジタルが主流の中で、フィジカルに拘ってコツコツと買い続けていきますね。それと、2年間何もライブに行くことが出来なかったので、ウズウズしています。いい年になって欲しいです。