ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

L.A.F.M.S.オールスターズ・ノイズ・オーケストラAirwayの 2019年ライヴ音源!

Los Angeles Free Music Society (Airway) performance at the Museum of Contemporary Art, Los Angeles.

L.A.F.M.S.(Los Angeles Free Music Society)は、Le Forte FourのメンバーであったJoe Potts、Rick Potts、Chip Chapmanらによって1974年に Captain BeefheartFrank Zappaなどに影響を受けたアヴァンギャルドなアーティストの集団として結成されました。Le Forte Fourを始めとして、Smegma、Doo-Dooettes、その他ノイズやインプロなどのフリー・ミュージックを奏でるバンドやアーティストが参加。レコード製作、ライブ主宰を中心に、アートやファンションといった分野まで現在も幅広く活動を行っています。 

 

本日はJoe Potts率いるL.A.F.M.S.オールスターズ・ノイズ・オーケストラAirway の新作 “Live At Zebulon” が昨年12月にリリースされたので紹介します。AirwayはJoe Pottsの1977年にリリースした7インチシングルのタイトルでした。音によるサブリミナル効果や幻覚症状が如何に引き起こされるかを考えていたらしい。その試みをより深く実践しようとメンバーを集めて1978年にAirwayとして最初にリリースされたのが「Live At LACE」です。これまでに日本のノイズバンド非常階段とのスプリット・アルバム2作を含めて6作リリースされています。すべてライブ音源であります。サブリミナル効果や幻覚症状をリスナーに喚起させるには、一発勝負のライブ現場しかあり得ないということなのでしょうね。

 

Airway / Live At Zebulon

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2019年12月12日の地元ロサンゼルスでのライブ音源。メンバーとしてライブにも参加しているJohn WieseのレーベルHelicopterからのリリースです。L.A.F.M.S. のオールスターを中心とした13名編成で、ギター、ベース、ドラム、エレクトロニックス、木管楽器、テープ音源などが、自由奔放に掻き鳴らす異様なノイズ空間を構築。そこにVetza & Mayaのヒステリックなボーカルが絡む不思議な世界に惹き込まれます。

 

2018年リリースの前作 “Live At Moca” のように事前に提供された日本人アーティストJojo広重、冷泉淳、美川俊治ら9名の音源もTeam Airway Japanとして、その現場でミックスして流してしまう荒技がありました。今回はそうした仕掛けはないけど、前作同様にJohn Wieseがミックスを担当。彼は近年のAirwayにとって欠かせない存在です。カオスしつつもスッキリと纏めあげていて、これまで以上に中毒性の高いサウンドに仕上がっています。Airwayの最高傑作と言っても良いでしょう! 是非、大音量で聴いてサブリミナル効果や幻覚症状を体感してみてくだい!!

 

Airway / Live At Zebulonのラインナップです。

Guitar – Kevin Laffey、Rick Potts

Bass – Keith Lubow

Drums – Aaron Moore、Michael Ruiz

Electronics – Joe Potts、John Wiese

Woodwind – Ace Farren Ford

Tape – Joseph Hammer

Performer [Kaoscillators] – Fredrik Nilsen

Performer [Objects] – Tom Recchion

Vocals – Maya、Vetza

 

流石、L.A.F.M.S.オールスターズと言われる面々ばかりです。その中でちょっと興味深いことを発見しました。何と、イギリスのアヴァンギャルド・バンドVolcano The Bearの Aaron Mooreがドラマーとして参加しています。音楽的方向性は一致していますので、今後コラボレーションなど新たな展開に期待出来そうですね。

 

 

 

L.A.F.M.S.関連について、これまでも色々と書いています。


Volcano The Bearについても書いています。