ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

スウェーデンのピアニストAlex Zethsonが奏でる室内楽アンサンブルによるガムランやクラウトロックの世界とは

スウェーデンのピアニストでコンポーザーでもあるAlex Zethson。Trondheim Jazz Orchestra、Fire! Orchestra、Angles 9などのメンバーであり、レーベルThanatosis Produktionも主宰しながら様々な活動を行っている。彼を中心に実験的ジャズ、現代音楽、民族音楽、ロックなど様々な形態の即興音楽シーンで活躍する13人のミュージシャンで構成されたAlex Zethson Ensembleの2021年にリリースされた1st作に魅了されています。

 

Alex Zethson Ensemble / Some Of Them Were Never Unprepared

f:id:hiroshi-gong:20220224233454p:plain

ガムランクラウトロック、 Tony ConradやArnold Dreyblattに影響を受けて作曲したとAlex Zethsonは語っています。ピアノ、ギター、チェロ、コントラバス、ヴァイオリン、シェイカー、ドラム、ゴングを駆使した ”Some Of Them Were Never Unprepared” のPart 1、Part 2による2曲を収録。

 

Part 1はガムランの雰囲気を醸し出すようにトン、トン、トン、といったパーカッシブでクールなミニマルミュージックを展開。ストイックな前半から後半の徐々にばらける感じがドローン的で刺激的なアンサンブルです。Arnold Dreyblattの ”Propellers In Love” に通じる部分もあって、影響を受けたことに納得。

 

Part 2は緩やかで自由奔放に音を掻き鳴らしている感じ。コントラバスの重低音をベースに各パートが自己主張をしながら一体となって攻め込んできます。Tony Conrad & Faustの “Outside The Dream Syndicate” を思わせるといったレビューも有ったが、まさにクラウトロック室内楽アンサンブルで行うとこうなるのでしょう。臨場感溢れる素晴らしい楽曲です。

アルバム・ジャケットはスウェーデン国立科学技術博物館が所有する撮影者不明のファウンド・フォトを使用とのこと。このジャケットが気になって、CDを購入することになってしまったのです。リリースは自身のレーベルThanatosis ProduktionとNYのレーベルRelative Pitch Recordsの共同リリースとなっています。

 

Alex Zethson Ensembleのラインナップです。

alex zethson ensemble — thanatosis

Torbjörn Zetterberg,、Contrabass
Elsa Bergman、Contrabass
Leo Svensson、Cello
My Hellgren、Cello
Anna Lindal、Violin & Contact Mic
Josefin Runsteen、Violin
Giannis Arapis、Guitar
Anton Toorell、Guitar
Kasper Agnas、Guitar
Andreas Hiroui Larsson、Drums & Gongs
Niclas Lindström、Shaker
Karin Ingves、Piano
Alex Zethson、Piano

 

 

2016年に設立されたAlex Zethsonが主宰しているレーベルThanatosis ProduktionのBandcampです。ミニマルミュージックやエクスペリメンタルミュージックを中心にリリースしています。多くのアルバムでエグゼクティブ・プロデューサーとしてAlex Zethsonが参加しています。