ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

轟音スペース・ジャムバンド化となったPrimordial Undermind の新作!

Primordial Undermindは90年代初頭にEric Arnによってロサンジェルスで結成され、ボストン、サンフランシスコ、オースチンと拠点を移し、2005年よりオーストリアのウィーンに定住して活動しているエクスペリメンタル・サイケデリックバンドです。Eric Arn以外のメンバーは流動的で、2001年リリースの “Beings Of Game P-U” では、CharalambidesのギタリストTom Carterも参加していました。今回、久しぶりの新作 ”An Imaginal Abydos“ が、Sunrise Ocean Bender RecordsとDeep Water Acresの2社よりレコード・オンリーでリリースされました。

 

Primordial Undermind / An Imaginal Abydos

スタジオ録音アルバムとしては、前作 “Last Worldly Bond” 以来の11年振りの新録となっています。2019年から2020年に地元ウィーンで録音されており、Eric Arnのギターとヴォーカル、Antonio Rosa de Pauliのベース、Xavier Scholzのドラムス、Christoph Johannes Weikingerのギターの4人編成です。Eric ArnとChristoph Johannes Weikingerの2本のギターがノイジーに掻き鳴らされ、Antonio Rosa de PauliとXavier Scholzのリズム隊が変幻自在にそれを支えています。

 

インプロヴィゼーション的なギターサウンドにグルーヴ感を兼ね備えたリズム隊がバランス良く絡んでいます。ストパンクからサイケデリック・ロックプログレ的な要素も醸しつつ、より轟音スペース・ジャムバンド化した感じで攻め込んでくる。30年の活動歴のあるベテラン・バンドで有りながら、ここまで刺激的なアルバムを作り上げたことに驚いています。ギターのフリークアウトがふんだんに盛り込まれた全7曲、フル・ボリュームで聴いて欲しい。貴方を宇宙の彼方へと導いてくれますよ!

この10年は、ソロ活動中心に様々なミュージシャンとのコラボレーションを行っています。Primordial Undermindについては、メンバーを集めて単発的にライブ活動も行っていたようです。Eric Arnがいうには、今のメンバーと2018年より様々な活動を行っているとのことです。パンデミックがあって、各メンバーも個々に活動を行っている中で、Primordial Undermind として4年も交流が続いているのは、初めてだとも語っています。Christoph Johannes Weikingerとのコラボレーション・ユニットOuter Vertexも進行中とのことです。今後も注目していくしかないですね。