ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

スウェーデンのアンダーグラウンド シーンで活躍しているBlodに嵌まっています!

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スウェーデンアンダーグラウンド シーンで活躍しているBlodは、Gustaf Dickssonのソロ・プロジェクトであり、ノイズ、インダストリアル作家の重鎮でもあるSewer ElectionことDan Johansson率いる即興アウトサイダー・アシッドフォーク・ユニットEnhet För Fri Musikのメンバーとしても活動しています。Blodとしては2014年より自宅録音を中心に多くのカセットやレコードをリリース。少量生産の為、入手困難であったが、最近になってリイシューされたことで注目を浴びる存在となっています。サイケやフォークを中心にアンビエントサウンドスケープなどユニークなアルバムを作っています。今年7月に2作品、8月に3作品の合計5作品も購入しています。これはもう取り上げて行くしかないですね。新作を中心に色々と紹介したいと思う。

 

Blod / Pilgrimss​å​nger

Discreet Musicよりレコードのみでリリースされた新作。タイトルPilgrimss​å​nger(巡礼者の歌)が示すように、スウェーデンキリスト教の文化から影響を受けた作品とのことです。スウェーデン語が分らない私には、歌詞の世界からどう影響を受けているのか理解出来ませんが、賛美歌的な雰囲気だけは充分に伝わってきます。

 

曲作りからオルガン、ギター、リコーダー、サックスなど全ての楽器をGustaf Dickssonひとりで行っています。Lo-Fiでポップでありながらも、不思議なカルト的要素も伺える。 彼のヴォーカルからは、何かを諭すような語りから歓喜に溢れた合唱まで多彩なアプローチを披露しています。LoopselのElin EngstromとAnna Johannessonが、ヴォーカルやコーラスとしてゲスト参加しており、Elin Engstromが歌っている “Låt Kärleken Slå Rot” には、不思議な力強さを感じてしまった。マスタリングはTreasury of PuppiesのJoakim Karlssonが担当しています。同郷で同じレーベルDiscreet Musicとはいえ、この人脈は興味芯々です。

 

曲のタイトルを書いたリーフレットやtexterと書かれた歌詞を掲載した小冊子が付いており、子供達と教会の写真が載っています。子供達の未来に対する願いや信仰についての思いでしょうか? 歌詞があるので、時間を掛けて翻訳するしかないのかな?聴き込んでいるうちに洗脳されてしまったかもしれませんね。ちょっとヤバいアルバムです。

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他に購入したBlodの4作品にについても簡単に紹介しておきます。

Blod / ABBA

2021年にDiscreet Musicより2枚組CDとしてリリース。Gustaf Dickssonの日常生活を収めたサウンドスケープ的な作品となっています。女性の嘆きのような会話から子供の鳴き声を絡めながら、ピアノ、ギターによる弾き語りです。たぶん、本人の奥さんや子供もでも出演させてしまったのか?12ベージの小冊子が付いて、幼い子供や女性のスナップ写真が掲載されています。ピアノの写真もあって、スウェーデンのメガ・ポップグループABBAのロゴが貼っていました。これがアルバム・タイトルとなったのですね。映画のワン・シーンでも観ているかのごとく聴き入ってしまった。

 

Blod// Livets Ord

2018年のカセットでリリースしていた音源をベルギーのAguirre Recordsが2枚組レコードで2020年にリイシュー。キーボードを中心としたアンビエントの世界。Gustaf Dickssonが参加しているEnhet För Fri Musikの影響を受けたようなくぐもった雰囲気が満載です。シンセに Jerker Jarold、フルートにEmelie Thulinがゲスト参加しています。

 

Blod / Knutna Navar

2018年にレコード、2019年にカセットでリリースされていた音源をベルギーのAguirre Recordsがレコードで今年になってリイシュー。先に紹介した3枚のアルバムが、それぞれ一つのコンセプトに基づいて制作されています。それに対して “Knutna Navar” は、Blod のすべての要素を凝縮して纏め上げた作品。Blod の原点と言っても過言ではない。まずは、“Knutna Navar” を聴いてから ”Pilgrimss​å​nger”、”ABBA”、”Livets Ord” を聴くのが、Blod の音楽性を把握しやすいと思った。

 

Blod / Leendet Fran Helvetet

2017年にレコード、カセットでリリースされていた音源を ベルギーのAguirre Recordsがレコードで今年になってリイシュー。本作も “Knutna Navar” 同様に様々な要素を絡めています。他の音源と比べるとフリーインプロヴィゼーションやジャズ色が強い一枚であり、その要素を軸にお馴染みのフォークやらポップスをミックスしたを独特の世界観を表しています。

 

Blod、如何でしたか? 年内にPilgrimss​å​ngerの続編がリリースされる情報もあります。今後もBlod(Gustaf Dicksson)の周辺を含めて注目していくしかないですね。今年はスウェーデンに嵌まっていて、当ブログでも幾つかのバンドやアーティストを取り上げています。参考までにアップしておきます。