ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

The Parelsの奏でる摩訶不思議で奇妙なサウンドとは

摩訶不思議なサウンドを奏でるロサンゼルスのEddie RuschaとJim GoodallによるThe Parels。今年リリースされた5年振りの3rdアルバム “Soul Moth” を紹介します。この2人、ノイズ・シューゲイザーバンドMedicineのメンバーでもありました。

 

Eddie Ruscha Talks New Music, Secret Circuit, Classic Past Work, and  Upcoming Projects — Weirdo Music Forever

Eddie RuschaはMedicineのファースト・アルバムのみの参加で、ベースとアルバムデザインを担当していました。このアルバムデザインを共同で行ったいたのが、LAFMS(Los Angeles Free Music Society)の中心バンドSmegmaのメンバーでもあったTom Recchionだったのです。2016年のLAFMSのコンピレーションBoxにも1曲ですが、参加しています。様々なバンドを経て、ソロ・プロジェクトSecret Circuitとしても活動しています。

 

Primary

一方、Jim Goodallは80年代初期からドラマーとして様々なバンドで活動しており、90年代Medicineの結成時からのメンバーで、解散、再結成を経た現在もMedicineとして活動しています。あのノイズバンドWhitehouseのメンバーだった時もありました。

 

The Parels / Soul Moth

PrimarySecondary, 2 of 2

前作同様に、今回もフィンランドのレーベル、Lal Lal LalとIkuisuusの2社からの共同リリースです。Soul Moth(魂蛾)と題された本作からは、サイキックな雰囲気も感じられます。エキゾチック・サイケ、スワンプ・ファンク、ミュージック・コンクリートサウンド・コラージュなど、今あるジャンルを一度解体して再構築したかのような奇妙なサウンドに仕上げています。聴き込むことで、深みにマハっていく厄介な作品です。2人のマルチプレイヤーとしての力量が最大限に活かされた内容となっています。

 

Eddie Ruschaがプロデュースを行っていて、Jim Goodallがアートワーク担当しています。アルバムジャケットもユニークで奇妙です。繭の中に花がある裏ジャケットがちょっと不気味ですね。マスタリングをフィンランドのエレクトロニクス奏者Samuli Tannerが行っています。彼はフィンランドのインプロ・サイケフォークバンドKemialliset Ystävätに参加したり、同国の実験音楽家の巨匠である故Pekka Airaksinenともコラボレーションもしている新進気鋭のミュージシャンです。フィンランドアメリカ(ロサンゼルス)との接点も興味深い。ただ、リリースしているLal Lal LalとIkuisuusは、こうした摩訶不思議なサウンドを全世界から探しているレーベルでもありますしね。

 

The Parelsについては、前作 “Mineral Kingdom” も取り上げています。