ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

Oren Ambarchi “Live Hubris” は、石橋英子、Jim O’Rouke、Mats Gustafsson、が参加したミニマルでコズミックな世界!

Oren Ambarchi “Live Hubris” は、2016年にリリースされた傑作アルバム “Hubris” のライブ盤です。2019年に50歳になったOren Ambarchiと彼がオーナーを務めるレーベルBlack Truffleの10周年のお祝いの一環として、ロンドンの Café Oto で行われたライブ・パフォーマンスのドキュメントであります。2021年12月にBlack Truffleよりレコード・オンリーでリリースされ、すぐに完売状態となった人気作です。自分は今年1月にBlack Truffle Bandcampで何とか購入することが出来ました。もっと早めにブログで取り上げようと思っていたが、延び延びになってしまった。少し前にリプレスされたようですが、円安のため購入時よりも高くなっていますね。

 

Oren Ambarchi / Live Hubris

15人編成でBlack Truffleファミリーと言われるメンバーJim O’Rouke、石橋英子、Crys Cole、James Rushford、Joe Talia、Julia Reidy、Will Guthrieの他、Mats Gustafsson、Johan Berthling、Andreas Werliinのスウェーデン人脈も参加しています。Konrad Sprengerの奏でるエレクトロニクスとOren Ambarchiのギターを筆頭に7人のギタリストによるアンサンブルを中心に、曲によってフルート、サックス、3台のドラムなどが効果的に絡んできます。ジャーマン・エレクトロニクス、フリージャズといった雰囲気を醸しながら、ミニマルでコズミックな世界へと導いてくれます。

 

2016年のスタジオ盤 “Hubris” は、緻密に計算されつくした完璧なグルーヴ感を構築した傑作といえるアルバムとなった。今回のライブ盤は、曲構成もHubris Part1からPart3の3曲と同じで、一部メンバーも被っている。にも関わらず “Live Hubris” という別世界を作り上げてしまった。諸処の事情があって最低限の事前準備だけで臨んだライブだったようです。

Part1では、Jim O’Roukeのギターシンセ石橋英子のデジタル処理されたフルートが無機質なエレクトロニクス・サウンドに花を添えています。一方、Part3は、Andreas Werliin、Joe Talia、Will Guthrieによるトリプル・ドラムに絡むMats Gustafssonのバリトン・サックスが自由奔放に掻き鳴らしている。こうしたライブならではのワイルドなインプロヴィゼーションを駆使した結果が、別世界を築いたと思う。各メンバーのテンションの高さとOren Ambarchiに対する思いが一つになって出来た素晴らしいライブ盤です。是非とも大音量で聴いてトリップして欲しい!

 

 

9月にDrag Cityより新作 “Shebang” もリリースされています。注文済みで間もなく届く予定です。こちらも楽しみです。

 

 

10年前にもこのブログでOren Ambarchiを取り上げていました。