ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

ブラジルのサイケデリックバンドOruãのクラウトロック、アシッドジャズ、インディーズ・ギターロックなど様々な要素を纏めた世界!

ブラジルのサイケデリックバンドOruãは2016年末にリオデジャネイロダウンタウンで結成します。Oruãの中心メンバーであるLê AlmeidaとJoão Casaesは、Doug Martsch率いるUSインディー・ギターバンドBuilt To Spillのメンバーでもあり、昨年リリースされた名盤 “When The Wind Forgets Your Name” にも深く関わっていました。今はOruãの活動に専念していますが、Built To Spillの活動と並行しつつOruãとしてのアルバム制作も行っていました。本日はOruãの3作目で、昨年9月にドイツのカセット専門レーベルCassettendienstよりリリースされた “Íngreme” を紹介します。

 

Oruã / Íngreme

Lê Almeida(ギター、ヴォーカル)、João Casaes(キーボード)、Bigú Medine(ベース)、Karin Santa Rosa(ドラム)のラインナップで、初期のメンバーであったDaniel Duarteがマスタリングとドラムで参加しています。音源の方はフィジカルより先にデジタル配信を2021年10月より行っており、当初はツインドラム編成で活動を行っていた。ただ、昨年後半のライブツアーからは4人編成となっている。Lê AlmeidaとJoão Casaes以外は、これまでも流動的でしたからね。

 

クラウトロック、アシッドジャズ、インディーズ・ギターロックなど様々な要素を醸し出しながらOruãとしてのサイケデリック感を構築。ローファイでぐぐもった雰囲気のサウンドに、Lê Almeidaのどことなく中性的なヴォーカルが、アルバム全体を巧く纏め上げています。歌詞の方は、過去の人種差別的なブラジルにおける奴隷制に対するメッセージなどもさり気なく取り込んでいるようです。面白いのは4曲目 “Eucalypsus” や8曲目 ”Cavalo Branco“ が、もろにBuilt To Spillの影響を受けた感じで思わず苦笑いしてしまった。レコードやCDよりもカセットでのフォーマットが、このアルバムに似合っている気がする。

 

Oruãはブラジル本国のみならず、これまでもアメリカ、ヨーロッパでも積極的にライブツアーを行って来ました。このアルバムでさらに飛躍することは間違いない。日本にも来て欲しいです。フジロックで呼んでくれないかなあと思っています。参加メンバーは違うけど、2019年3月のライブ映像をアップして置きます。

 

2022年アルバム・ベスト10にも入れたBuilt To Spill “When The Wind Forgets Your Name” について書いています。このアルバムでOruãのことを知ったのでした。