ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

オーストラリアの男女デュオErasersの奏でるミニマルでマントラをベースにしたポップミュージック!

オーストラリア・パースを拠点に活動しているRupert ThomasとRebecca Orchardのエクスペリメンタル・ポップ・デュオErasers。地元パースのアンダーグランド・シーンで10年以上の活動歴があって、近年のニューエイジ・ミュージック見直しの中で、注目を浴びる存在となってきました。本日は2022年11月に米ポートランドのレーベルMoon Glyphよりカセットでリリースされた “Distance” を取り上げます。

 

Erasers / Distance

本作をリリースしたMoon Glyphは、サイケやドローン、ニューエイジ・ミュージックを中心に扱っていて、注目のレーベルでもあります。2019年末にMoon GlyphのオーナーSteve Rosboroughより新作の声がけがあったとのこと。ただ、実際に取り組み始めたのは2021年半ばからで、数週間かけて自宅で作曲し録音されました。Erasersの音楽に惚れ込んでいたSteve Rosboroughは、とにかくアルバムをリリースしたかったらしく、本人自らもアートワークなどで参加しています。

シンセサイザーの催眠的なメロディー、オルガンによるドローン、ドラムマシーンによるループされたリズムを組み合わせてサウンド構築。そこに、Rebecca Orchardのストイックで呪文のようなヴォーカルが絡む。本人達はミニマルでマントラをベースにしたポップミュージックと表現しています。マントラの持つ賛美歌や祈りといった要素を取り込んで、混沌とした時代に居場所を求めています。これまでのアルバムも素晴らしいのですが、マントラ度を高めてより深い瞑想的な領域へと進化しています。Erasersの最高傑作だと思う。

 

Erasersはライブ活動も積極的です。様々な場所でライブを行うことで、多くのインスピレーションを得ていると公言しています。それを素材として曲作りもしているようです。次作がどのような作品になるのか?今から楽しみでもありますね。