ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

Sun City Girls関連の新作あれこれ

 Sun City Girls - credit: Toby Dodds

Sun City Girlsの新作(2004年のライブ盤)、弟Rick BishopのSir Richard Bishopによる新作、そして兄Alan Bishop率いるThe Dwarfs of East Agouzaの新作がリリースされました。前回のブログ記事「2020年7月のディスカホリック」で購入履歴を書いていますが、これは纏めて紹介するしかないですね。Sun City Girlsについては、これまで何回か取り上げています。過去のブログ記事もアップしますので、こちらも参考にして頂くと有難いです。

 

 

Sun City Girls / Live At The Sky Church-September 3rd, 2004

f:id:hiroshi-gong:20200713230421p:plain

2000年以降のSun City Girlsは、Carnival Folklore Resurrectionと題されたアルバム・シリーズを2005年までに14タイトルもリリースしていた。これまでのフォーキーでパンキッシュなサウンドインプロヴィゼーション、フリージャズ、中東やアジアと言ったワールドミュージック、サンプリングなど様々な要素を取り込んだアルバムが多くなっていた。

 

本作は2004年9月3日にシアトルのSky Churchで行われたBumbershootフェスティバルのライブ音源LPと映像を収めたDVDのセットです。Carnival Folklore Resurrectionシリーズの影響を受けて、何でもアリアリの状態でカオティックにぶっ飛んだライブになっています。Sun City Girlsのかぶり物をしている画像は色々とあるが、ライブ映像はあまり観たことが無い。貴重なパフォーマンスが記録された1枚だと思う。尚、このアルバムのマスタリングにMark Gergisの名前がクレジットされています。

マスタリングを担当したMark Gergisについても、今年前半に取り上げています。


 

Sir Richard Bishop / Oneiric Formulary

Oneiric Formulary | Sir Richard Bishop 

Sun City Girlsとして活動している1998年にアコースティック・ギターを駆使したインストゥルメンタル・アルバム「Salvador Kali」でソロ・デビューしてから、多くのソロ・アルバムをリリースしているSir Richard Bishop。全てを把握している訳じゃないが、アコースティック・ギターを中心とした作品で、John Fahey(1939~2001)を彷彿させていた。このことからJohn Faheyの後継者の1人にも取り上げられ、アコースティック・ギターの名手として評価を確立していった。

 

本作はレコードとカセットでリリースされ、私は価格の安かったカセットで購入しました。ギター・インストゥルメンタルを中心にアンビエントから映画のサウンド・トラック風の曲まで、ギターの多彩な奏法を用いてドラマチックに鳴り響いてきます。Sun City Girlsで養ってきたアヴァンギャルドでエクスペリメンタルな要素も取り入れた全10曲を収録。Sir Richard Bishopのギターに対する愛情がヒシヒシと伝わってくると同時に、これまでの彼が行って来たギター・ワークの集大成とも言えるアルバムに仕上がっています。

Bandcampでは、3曲のみの公開なので、Youtubeでもアップしておきます。

 

 

The Dwarfs of East Agouza / The Green Dogs Of Dahshur

f:id:hiroshi-gong:20200713231143p:plain

The Dwarfs of East Agouzaは、エジプト出身の2人のミュージシャンSam Shalab(ギター)、Maurice Louca(オルガン、シンセサイザー、ビーツ)、そしてSun City GirlsのAlan Bishop(ギター、ベース、サックス)の3人組バンド。辺境トライバルでアヴァンギャルドサウンドを奏でています。2016年に活動を開始して、これまでに5枚のアルバムをリリースしています。尚、Sam Shalabはカナダ、モントリオールを拠点に、Shalabi Effectのメンバーとしても活動しています。

 

5作目となる本作もエジプト、カイロで録音され、Vinylオンリーでのリリースです。これまで同様にアラビア語による表記もされています。因みにバンド名は   أقزام شرق العجوزةになります。3人のインプロから醸し出されるコラージュ的な音像に不穏で不気味な雰囲気を感じさせる全4曲。アラビアンチックなテイストも取り込んでトランス状態へと導いてくれます。世界の辺境音楽に精通してるAlan Bishopだからこそ、成し得るサウンドであることを再確認したアルバムです。

Alan Bishopのエジプト 絡みは、The Dwarfs of East Agouzaだけではありません。もうひとバンドThe Invisible Handsもあります。過去の記事「Sun City Girlsあれこれ」で取り上げています。確認してみてください。