ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

2021年7月のディスカホリック

今月、はてなブログでフォローしているShigeo Hondaさんの「Sound & Silence」の記事で、この「ディスカホリックによる音楽夜話」を取り上げて頂きました。6月のディスカホリックでPresident Onlineの「店頭でワクワクしながらCDを選ぶという人が絶滅危惧種になった本当の理由」について少し触れたが、その事に関してShigeo Honda流の深い考察で書かれています。

そして、最後の方の項目「音楽を探す場所と方法」でPitchfork、Bandcamp、AppleMusic、KEXP - YouTubeAmoeba Music - YouTubeと一緒に当ブログも紹介しています。こんな拙い文章のブログでありますが、もの凄く有難く嬉しかったです。

Sound & Silence」では、音楽、オーディオ、本について様々な視点で捉えて纏め上げています。自分も色々と参考にしていることも多いです。皆さんも是非、ご覧くださいませ。

 

今月のディスカホリック、購入履歴は12タイトルの実績でした。

 

Ash BrooksとMatt Lajoieのソロ、コラボレーションなど6タイトルも購入しました。前回のブログ記事で取り上げています。

Matt Lajoie / Paraclete Tongue(Vinyl) 購入先Tobira Records 購入価格2,809円

2021年リリースのギターニューエイジミュージックによるアルバム。 

 

Matt Lajoie / Star Maps(Cassette) 購入先Tobira Records 購入価格1,693円

2021年リリースの最新作。サイケデリックでコズミックなギターが格好いい! 

 

ML Wah / Deep Roots(Vinyl) 購入先Tobira Records 購入価格2,723円

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2019年リリース、Matt LaJoieのML Wah名義によるアルバム。

 

Ash Brooks / Temple Of The Roses(7inch Vinyl) 購入先Tobira Records 購入価格1,723円

 

2020年リリース、4曲収録の7インチシングル。

 

Ash & Herb / In Now Time Vol.4(Cassette) 購入先Tobira Records 購入価格1,623円

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2021年リリース、Ash BrooksとMatt LaJoieによるコラボレーションAsh & Herb。In Now Timeと題されたライブシリーズの4作目。

 

Starbirthed / So Long, Green Lodge(Cassette) 購入先Tobira Records 購入価格1,693円

2020年リリースのAsh BrooksとMatt LaJoieによるニューエイジアンビエント・ユニットStarbirthedのアルバム。 

 

この記事をツイッターで投稿したあと、Flower Roomからリツイートして頂きました。もの凄く嬉しいです。

 

 

John Luther Adams / Arctic Dreams(CD) 購入先Art Into Life 購入価格2,237円

アメリカの現代音楽作曲家John Luther Adamsの新作。

 

 

Headroom / Rubber Match(7inch Vinyl) 購入先Grapefruit Records 購入価格$25.54 USD(2,946円)

 

 今年初めにリリースされた7インチEquinox 20に続く第2弾。

Headroomについては、 今年4月に取り上げています。


 

Matt Valentine Preserves / Galactic Ooze(Vinyl) 購入先Amazon.co.jp 購入価格2,691円

 

夫婦デュオMV&EEでお馴染みのMatt Valentineの2020年アルバム。今年になってレコードでリイシューされました。

 

 

先月購入したZementの新作ライブ盤「Schleifen」が素晴らしかった為、彼らの旧作2タイトルも購入しました。

Zement / Zement:Werk(CD) 購入先Zement Bandcamp 購入価格€15.00 EUR(2,046円)

 

2016年リリースのファーストアルバム。 

  

Zement / Klinker(CD) 購入先Zement Bandcamp 購入価格€15.00 EUR(2,046円)

2018年リリースのセカンドアルバム。

 

 

Spiral Joy Band / I Was Born Under A Wandrin' Star(Cassette) 購入先Feathered Coyote Records Bandcamp 購入価格€20.00 EUR(2,717円)

各メンバー様々なバンドに関わりながらも2005年から活動しているSpiral Joy Bandの新作。

 

 

レーベルFlower Room を主宰しながら、ソロやコラボレーションなど様々な活動を行っているAsh BrooksとMatt Lajoieの世界に魅了されています!

Cosmically-Inspired Show  Combines Music, Improv Art

アメリカ・メイン州ポートランドを拠点に音楽活動しているAsh BrooksとMatt Lajoie。2人は2017年に自分達の音源をリリースするレーベルFlower Roomを立ち上げます。カセットやレコードを中心にソロ音源、コラボレ-ション音源など多数リリースしています。自主制作的なレーベルなのでフィジカルメディアを見つけたら即購入しないと直ぐに完売となることが多いです。今回、日本のレコード店Tobira RecordsのHPで色々と検索していた時に、目に付いたのがMatt Lajoieの「Paraclete Tongue」であります。どことなく剽軽なこのジャケットに魅せられてしまい、そこからレーベルFlower Roomの存在を知りハマッてしまった。Matt Lajoie中心にパートナーであるAsh Brooksの7インチや2人のコラボレーションなどTobira Recordsより6タイトルも購入したので紹介します。 

 

Matt Lajoie / Paraclete Tongue(Vinyl)2021年リリース

ギターニューエイジミュージックによる全4曲。エフェクターを駆使してレイヤーに掻き鳴らされるギターサウンド。牧歌的な雰囲気も醸し出しながら広大な宇宙へと導いてくれます。私が魅されたこのジャケットもMatt Lajoieが手掛けています。素晴らしい1枚です。 

 

Matt Lajoie / Star Maps(Cassette)2021年リリース

自分達のレーベルFlower RoomではなくシカゴのEye Vybe Recordsより4月後半にリリースされた最新作。Paraclete Tongueをより進化させたサイケデリックでコズミックなギターによる全5曲。クラウトロックの先人達の影響も垣間見ることが出来る傑作。 

 

ML Wah / Deep Roots(Vinyl)2019年リリース

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Matt LaJoieのML Wah名義によるアルバム。自身のヴォーカルも組み入れながら、ダブルベース、トランペット、トロンボーンなども駆使してスピリチュアルでオーガニックに鳴り響いています。Paraclete Tongue、 Star Mapsのギター中心のサウンドとは異なる方向性を示していますが、ほのぼのと聴き入ってしまった。

  

Ash Brooks / Temple Of The Roses(7inch Vinyl)2020年リリース

4曲収録の7インチシングル。ドリームポップとサイケフォークを組み合わせて、ローファイにエキゾチックな雰囲気を漂わしている。Matt LaJoieもベース、パーカッションなどで参加しています。

  

Ash & Herb / In Now Time Vol.4(Cassette)2021年リリース

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Ash BrooksとMatt LaJoieによるコラボレーションAsh & Herb。Matt LaJoieは自身のソロユニットHerbcraftの名義になっています。In Now Timeと題されたライブシリーズの4作目。2021年2月21日のライブストリーミングパフォーマンス音源です。全4曲収録で、冒頭の1曲目にAlice Coltrane & Joe Hendersonのカヴァー曲Earthを持ってくる辺りは、彼らの幅広い音楽志向性を表していると思う。サイケジャムセッションからアシッドフォークまで2人の魅力満載のアルバムです。 

  

Starbirthed / So Long, Green Lodge(Cassette)2020年リリース

Ash BrooksとMatt LaJoieの2人は、Ash & Herb以外にもStarbirthedとしても活動しています。こちらはヴォイス、ギター、シンセ、パーカッションなど駆使してニューエイジアンビエントといった3曲を収録。Ash&Herbとは違う不思議な魅力を表しています。 

 

Flower Roomとして、自分達以外のアーティストのアルバム・リリースも手掛けており、トータルするとこれまでに72タイトルものアルバムを世界に送り出しています。DIY精神に乗っ取り、今この瞬間を記録して素早くリリースしたい思いが伝わってきます。今後も注目していくしかないですね。

 

 

ブルックリンの解散したPillのメンバーとEatersのメンバーが合体したP.E.のデビューアルバム!

P.E. / Person(Ltd LP) | to'morrow records

またまた、新たなるバンドに出会うことが出来ました。解散したNYブルックリンのバンドPill(Benjamin Jaffe、Jonathan Campolo、Veronica Torres)に同じくブルックリンのBob Jones、Jonathan Schenkeによるコラボレーション・ユニットEatersのメンバーが合体して結成されたP.E.  PillのPとEatersのEでP.E.ですね。彼らの2020年3月リリースのデビューアルバムを紹介します。EatersのBob JonesがポートランドサイケデリックバンドEternal Tapestryの元メンバーであり、Volcano The BearのAaron Mooreらと実験的なジャズ・トリオGospel Of Marsでも活動していました。最近になってBob Jonesについて検索していた時に、P.E.の存在を知ったのであります。

 

P.E. / Person

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サックス、ベース、ヴォーカルに絡むパーカッシブなデジタルビートとカオスティックに鳴り響くシンセでサウンド全体を構築。インダストリアル、パンク、エレクトロニック、ディスコ、アヴァン・ギャルドなどの要素を取り入れて、アクティブに様々なことを試みてくる。それにより、時代を超越したノーウェイヴ的な雰囲気を醸し出しています。

 

アルバムタイトル「Person」は、人を構成する様々な感情を表しているとのこと。それらをポジティブに捉えて行こうとしています。貴方の心が壊れていたとしても“We dance to forget our heads”とVeronica Torresが歌っています。ストイックに淡々と歌い上げるVeronica TorresのヴォーカルはP.E.にとって必要不可欠な存在です。ハッピーな内容のアルバムではないのですが、不思議と元気の貰える素晴らしい1枚。プロデュースとマスタリング、アートワークはEatersのJonathan Schenkeが行っています。

 

「Person」リリース後は、2020年の10月にはカセット音源「Sick, Sad, Fun」」と新曲2曲がリリースされています。「Sick, Sad, Fun」」はアルバム「Person」のアウトテイク、ライブ音源、ミックスヴァージョンを纏めたコンピレーションです。ライブバンドとしての実力も確認出来ます。今回、「Person」のレコードとのセット販売企画でこのカセット音源も一緒に購入しました。一方、新曲2曲はBandcampでのデジタル配信です。The Stoogesと Ramonesのカヴァー曲です。ライブツアーに備えてカヴァー曲を録音したとのことですが、原曲から大きく逸脱した内容にもP.E.らしさを感じます。コロナ後の彼らの動向も注目ですね。

 

 

PillのBandcamp 

 

EatersのBandcamp

 

 

2020年6月のディスカホリック

昔はCDやレコードを買わないことには、内容が確認出来なかった。雑誌レビューや店頭でのキャッチ・コピーを参考にワクワクしながらCDを選んでいた。例えそれが外れたとしても、元を取るために10回は聴くようにしていた。その事で新たなる発見が出来ることもあった。これだと思う1枚に出会うには、それなりの無駄も必要であるというのが私の持論でもあった。

 

President Onlineの記事で「店頭でワクワクしながらCDを選ぶという人が絶滅危惧種になった本当の理由」を見つけたので紹介します。サブスクリプションで選曲の自由が実現した。選び放題ということは、結局何も選べないことになり、自分から進んで誰かの指示に従いたがるようになる。聴く音楽を自分で決められなくなっているのだと。AIが選んだ好みの音楽だけじゃいずれ飽きられてしまう。好きなものだけでは進化の余地がないとして、最後は適度にユーザーを裏切ることが必要なのだと書かれている。選ぶワクワク感を奪っておいて何をいっているんだかな?

 

私は音源のさわりを知る上でSpotifyなど利用することもあるが、最終的にはCDやレコードに拘っている。フィジカルで聴かないと記憶に残らないのも確かです。これだと思う1枚に出会うにはやはり買うしかないと再確認した。


 

2021年6月のディスカホリックは10タイトルの実績でした。今月も素晴らしいアルバムに多く出会えてます。

 

Sunwatchers / Brave Rats(Vinyl) 購入先Big Love Records 購入価格4,190円

 

前回のブログ記事で取り上げたNYのバンドSunwatchersの2020年の12インチEP盤。


  

P.E. / Person(Vinyl) 購入先The Stone Records Vinyl+Cassetteセット購入価格3,480円

 

解散してしまったNYのバンドPillにEatersのメンバーが合流して結成されたP.E.  PillとEatersでP.E.ですね。2020年のデビュー・アルバム。ノーウェイヴ的な雰囲気がいいです。  

 

P.E. / Sick, Sad, Fun!(Cassette) 購入先The Stone Records 

アルバム「Person」のアウトテイク、ライブ音源、ミックスヴァージョンを纏めたコンピレーション・カセット。 

 

 

The Telescopes / Absence Presence(Vinyl) 購入先Discogs(Total Records) 購入価格€37.99EUR(5,230円)

今年2月に「Songs Of Love And Revolution」がリリースされたばかりですが、早くも新作の登場です。今回はアコースティック・ギター中心のアルバムです。このダウナーな感じが最高です。



 

Steven R. Smith / In the Spires(Vinyl) 購入先Worstward Recordings Bandcamp 購入価格$45.00 USD(5,123円)

Ulaan Janthina、Ulaan Passerineなどの名義でも活動を行っているSteven R. Smithの新作。 

 

 

Zement / Schleifen(Vinyl) 購入先Zement Bandcamp 購入価格€38.00 EUR(5,167円)

ドイツの2人組Christian Büdel、Philipp Hagerによるネオ・クラウトロックZementの新作。ミニマルで気持ちよく鳴り響いています。 


 

Angel Archer / LightRay Variations(CD) 購入先Angel Archer Bandcamp 購入価格$20.00USD(2,296円)

Dire Wolvesのベーシストとしても活躍しているBrian Lucas率いる3人組バンドAngel Archerのセカンドアルバム。本人よりこんな包装で送ってくれました。メチャ嬉しいです!!

写真の説明はありません。 


  

Mountain Movers / World What World(Cassette) 購入先Trouble In Mind Records Bandcamp 購入価格$26.00USD(2,984円)

 

2000年代中頃より活動しているDan Greene率いるThe Mountain Moversの新作。Dan Greene以外のメンバーはHeadroom のメンバーです。 


 

Stefan Christensen / City Code(Vinyl) 購入先Tobira Records 購入価格3,638円

Headroom、Centerのメンバーでもあり、C/Site Recordingsのレーベル・オーナーとしても活躍しているStefan Christensenの2018年リリースのアルバム。 


 

Club Sound Witches / Steep St(Cassette) 購入先Tobira Records 購入価格2,000円

Steep St (Cassette, Album, Limited Edition) album cover 

オーストラリアの実験的アンビエント・デュオClub Sound Witchesの新作。 


 

政治的メッセージを掲げながら、縦横無尽にジャンルの垣根をぶっ壊して掻き鳴らすSunwatchersのサウンドにハマッています!

Jeff Tobias(サックス)、Peter Kerlin(ベース)、Jason Robira(ドラムス)、Jim McHugh(ギター)、の4人によるニューヨークのバンドSunwatchers。先月のブログでJonathan Kaneについて書いた時に、Jim McHughとのコラボレーション・ライブ音源がnyctaperよりデジタル配信されていたことに触れた。それが切っ掛けでSunwatchersに興味を持ってしまったのであります。色々と調べていくとJeff Tobiasは2000年代後半にはOf Montrealのメンバーとしてサックスを吹いており、2019年にはThee Repsのデビュー・アルバムでベーシストとしてもマルチに活動していました。

 

Jeff Tobias、Jason Robira、Jim McHughはジャズ・パンクバンドDark Meatのメンバーで、この3人が集まって2014年にSunwatchersを結成し、自主制作のカセット・アルバムをリリースします。2016年にPeter Kerlinが参加したことで、よりアグレッシブでメッセージ性の強いバンドになったようです。これまでに自主制作やセルフ・リリース、ライブ・アルバムなども含めて9タイトルもリリースしています。彼らの縦横無尽にジャンルの垣根をぶっ壊して掻き鳴らすサウンドに嵌ってしまい、アルバム2枚とEP盤1枚を購入したので紹介します。

 

Sunwatchers / Illegal Moves

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2019年2月にTrouble In Mindよりリリース。Pitchforkが取り上げるなど、彼らの知名度が一気に上がったとも言えるアルバムです。4人の英知を結集させて、クラウトロック、ジャズ、サイケデリックなどに様々な要素がコラージュされた傑作。

 

Sunwatchers / Oh Yeah?

2020年4月にTrouble In Mindよりリリース。冒頭の「Sunwatchers vs. Tooth Decay」からギターとサックスのバトルを中心に暴走しまくった曲が満載。ノイズやジャズをベースにマスロック的なサウンドで攻め込んできます。こちらも素晴らしいアルバムです。 

  

Sunwatchers / Brave Rats

2020年5月にAmish Recordsよりリリース。「Oh Yeah?」の続編と言える新曲4と Illegal Movesからのライブ音源、ミックスヴァージョンの2曲を纏めた12インチEP盤。

 

Sunwatchersはインストゥルメンタルのバンドです。その彼らが掲げているメッセージとは以下の文言になります。

Sunwatchers Stand In Solidarity With The Dispossessed, Impoverished and Embattled People of The World.

Sales and proceeds from this and all our other albums go to benefit prison-abolition and anti-carceral-state advocates and organizations.

”Illegal Moves”、”Oh Yeah?”のアルバムにもしっかりとクレジットされています。政治的内容にも踏み込んでいるので翻訳はしませんが、このようなメッセージを掲げながら、音楽とどう向き合っていくのか、今後も注目していくしかないです。

 

 

 

Sunwatchersを知る切っ掛けとなったJonathan KaneとJim McHughとのライブ音源は、この記事で取り上げています。


 Jeff Tobiasが参加しているThee Repsについて書いています。


Sunwatchersを色々と検索していくと、興味深い記事に出会いました。Jason Robiraの新たなるユニットDream Dadsについて書かれています。


 

サンフランシスコの変態キチガイ・バンドCaroliner RainbowやSunburned Hand Of The Manのメンバーでもあった Phil Franklinのソロ・プロジェクトFranklin's Mintの13年振りとなる新作

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2001年よりSunburned Hand Of The Manのメンバーとして多くのアルバムに参加しているPhil Franklin。ドラム、パーカッションをメインに様々な楽器を弾き熟すマルチプレヤーでもあります。Sunburned Hand Of The ManのリーダーJohn MoloneyもドラマーなのでPhil Franklinが参加したアルバムはツイン・トラムなどよりリズムに重点をおいたアルバムが多いのも確かです。

 

今回、Phil Franklinのソロ・プロジェクトFranklin's Mintの13年振りとなる新作「Temporary」がSunburned Hand Of The Manの自主レーベルManhandからリリース。現在、Phil Franklinはオーストラリア・シドニーに住んでいて、同じくオーストラリアに住んでいる元Mr. BungleのメンバーであったDanny Heifetzと組んで製作されました。

 

Franklin's Mint / Temporary

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ManhandなのでCDRかと思っていましたが、ちゃんとCDでのリリースです。Phil Franklinがヴォーカル、ギター、曲作りを担当して、Danny Heifetzが録音、ミックスを行っています。 Sunburned Hand Of The Man のJohn Moloney、 Robert Thomasといった面々もゲスト参加。コロナ渦で様々な制限がある状況で制作されているようです。これまでのFranklin's Mintに比べると、よりシンプルでコンパクトにPhil Franklinのヴォーカルに焦点を当ててフォーキーなサウンドを響かせています。研ぎ澄まされたPhil Franklinの歌声が心に染みこんで来る素晴らしいアルバムです。 5曲目「hAApy birthdAAy」のハッピーバースデーソングは何人かの友人にメッセージとして送りました。

 

Bandcampのレビューでは、Phil Franklinが自身のバイオグラフィ的なことを書いています。その中で驚いたのか、90年代に彼がサンフランシスコの変態キチガイ・バンドCaroliner Rainbowのメンバーだったということです。バンドリーダーであるGruxも含めて、偽名や匿名で参加していて、ライブは顔の見えない変な扮装をして演奏していました。Gruxは精神障害者生活保護を受けていたといった噂もあって、変態キチガイ・バンドとして有名になったのです。そのCaroliner Rainbowのメンバーとして日本にも来たことがあると書かれています。これまで情報が無かっただけに衝撃的です。この記事を書く時にPhil Franklinの画像を探していたのですが、中々見つからず、結局本作CDのスリーブにあった写真を使用しています。このことからしても素顔をさらすことは嫌なんだということに納得です。

 

 6年前にCaroliner Rainbowについて書いています。

 

 1994年来日時のGruxのインタビュー記事です。

【インタビュー】キャロライナー・レインボー CAROLINER RAINBOW「花形文化通信」NO.68/1995年1月号 | 花形文化通信

 

 

ノイズ、ポスト・パンク、フォークまで多彩な音楽性を披露しているギタリストStefan Christensenに魅了されています

Stefan Christensen's Favorite Albums of 2018 – Your Favorites' Favorites

アメリカ・コネチカット州ニューヘイブンを拠点に活動しているギタリストStefan Christensen。2000年代初期より音楽活動を行っており、様々なバンドやユニットを経て2015年よりソロ名義でも活動をスタートします。今はHeadroom、Centerのメンバーでもあり、C/Site Recordingsのレーベル・オーナーとしても活躍しています。彼の多彩な音楽性に魅了されて、5作品も購入したので紹介します。

  

Stefan Christensen / Shake Off The Village(2017年Vinylリリース)

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冒頭の1曲目「Cat's Song」の不穏で不気味な曲に続く、2曲目「Over Scrawl」のラジカルに鳴り響くギター・サウンドにノック・アウトされました。ギターにエフェクターを散りばめながら、物憂げなStefan Christensenのヴォーカルが絡む。ドラムにはHeadroomのDavid Shapiroが参加しています。9曲目のラスト曲はライブ録音で同じくHeadroomのKryssi Battalene、Rick Omonte らも参加しており、アルバムを盛り上げています。ノイジーでチープな演奏から醸し出されるStefan Christensenの世界にハマッてしまう切っ掛けとなった1枚でもあります。 

 

 

Stefan Christensen & Friends / Unknown Fortune(2019年Vinylリリース)

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Headroom、Mountain Moversのメンバー全員が参加し、レコーディングやマスタリングがJohn Millerとなれば、これはもうHeadroomのセカンド・アルバムと言ってもいいでしょうね。Stefan ChristensenとKryssi Battaleneのギター2本によるアンサンブルを軸にしっかりと纏まっています。少し前にHeadroomをブログで取り上げた。その時に、その周辺も含めてユニークな活動を行っていると書いた。改めてコネチカット州ニューヘイブンのインディーズ・シーンはStefan Christensenの存在無くしては語れないことを、このアルバムを聴いて再確認した。

 

 

Stefan Christensen / The Upcoming Flame(2019年Vinylリリース)

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Stefan Christensenの持っている様々な要素をすべて取り込んだ力作。彼のヴォーカルを前面に打ち出した曲からポスト・パンク、オルタネイティブな曲、アコースティック・ギター1本でメロディーを奏でる曲まで、彼の魅力を満載したアルバムです。8曲目「Unkempt Power (This City's Hold)」では、Dinosaur Jrを彷彿させるギター・ワークーを披露し、ラスト9曲目「G Roberts」はLoren Connorsの別名Guitar Robertsのことで、彼に対するオマージュを表した曲で締めています。もの凄く興味深いです。動と静を駆使しながら不思議な世界を構築しています。

 

 

Stefan Christensen / Passage Thruways Bent(2020年Cassetteリリース) 

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Non-Event主催による2020年8月18日Stefan Christensenの自宅でのライブ音源。ヘビィーでノイジーなギター・ワークを中心に4曲収録。インプロビゼーションを軸にミニマルやドローンなども駆使して刺激的な演奏です。このアルバムにもドラムとしてHeadroomのDavid Shapiroが参加しています。Stefan Christensenの轟音ギタリストとしての力量に脱帽させられる1枚。素晴らしいアルバムです。

 

 

Stefan Christensen / Loimaa(2021年Cassetteリリース)

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最新作はフォ-キーなサウンドを中心にカセット・リリースしているレーベルGarden Portalからのアルバムです。アコースティック・ギターだけで製作され、電子音が効果的にコラージュされています。Stefan Christensenのヴォーカルも3曲目「Loimaa VIII」とラスト8曲目「Loimaa III」で聴くことが出来ます。しっとりと歌いあげていてシンガーソングライターとしての力量も再確認出来ます。レーベルの意向を加味して、シンプルでアンビエント、ドローン、フォークの雰囲気を醸し出している。心に染みいってくる傑作です。

 

Stefan Christensenを知る切っ掛けとなったバンドHeadroomについて、少し前に書いています。