ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

2026年9月のディスカホリック

物置に17年近く放置しているCDを処分するために、某レコード店に買い取りを頼んだ。今回も20%増しのキャンペーンです。一度にすべて処分すれはいいのにと思う人も居ると思うが、徐々にやって行くのがいいのですよ。一応、品定めもしなきゃならないし、時間も掛かる。物置からCDの入った段ボール箱を持ってきて、何も考えずに一気にやろうと思っていた。しかし、段ボール箱を開けて一番初めに目に付いたのが、Akron FamilyのLove Is Simpleだった。2007年の個人的ベストアルバムNo.1ですよ。当時、“これを聴かずして、他に何があるんだよ!” と豪語していました。さすがにこれは処分を外しました。ほんの少しだけ聴こうと思っていたが、しっかりと何回も聴き入ってしまった。そのため、その日のCDの品定め作業は中断となってしまった。

 

今回はこのAkron FamilyのLove Is Simpleについても取り上げます。

Akron Family / Love Is Simple

本作はSwansのMichael Giraが主宰するレーベルYoung God Recordsから2007年にリリース。2002年から2013年まで活動していたアメリカの4人組フォークロック・バンドです。ニューヨークのブルックリンで結成され、フリー・フォークやサイケデリック・ロックなどを融合させた独自の音楽性で人気を集めました。特に本作は呪術的な詠唱やノイズやエレクトロニクス、美しいコーラスワークが万華鏡のように目まぐるしく変化して、祭りの高揚感とその後の静けさを組み合わせた彼らの最高傑作です。

 

 

 

2026年9月のディスカホリックは、レコード7、CD3、カセット2の12作品の購入実績でした。今月もこれだと思うものが目白押しです。何とか個別に取り上げたいと思っています。

Eddy Current Suppression Ring / In Light of Recent Events(Vinyl) 購入先Tower Record Online 購入価格4,290円

オーストラリア・メルボルン出身のガレージ・ロックバンドEddy Current Suppression Ringの前作から約7年ぶりとなる新作です。すっとぼけたヴォーカルとギターの疾走感が気持ちいい!

 

 

Earthball / Actual Earth Music-Volume 3 & 4(CD) 購入先Tower Record Online 購入価格2,890円

カナダのインディー・ノイズ・アヴァン・ロックバンドEarthballの今年リリースされたライブアルバム。彼らの場合、ライブ盤もスタジオ盤も殆ど変わらないですね。

 

 

Parts & Labor / Set Of All Sets(CD) 購入先Tower Record Online 購入価格3,190円

アメリカ・ブルックリン出身のノイズ・ロックバンドParts & Labor が 15年振りとなる新作です。

 

 

The Hobknobs / The Hobknobs(CD) 購入先Tower Record Online 購入価格2,690円

オランダのロッテルダムを拠点とするインディーポップ・デュオThe Hobknobsのデビューアルバム。ローファイなこのポップ感、いいですね。

 

 

The Telescopesの2作品

The Telescopes / Static Charge(Vinyl) 購入先Tower Record Online 購入価格5,210円

Tapete RecordsよりリリースされたThe Telescopesの新作です。

 

The Telescopes / Editions II: Space Fest(Vinyl) 購入先Disk Union Online 購入価格3,542円

The TelescopesのレーベルGlass ModernよりリリースされたRecord Store Day 2026の限定アイテム。2015年12月4日にポーランドのグダニスクで開催された音楽フェス Spacefest! でのライブ・アルバムです。

 

 

Vox Populi! / In Dub(Vinyl) 購入先Disk Union Online 購入価格4,180円

1980年代に活動したフランスのエスノ・インダストリアルバンドVox Populi! のアーカイブ音源を、現代パリの気鋭プロデューサー4組がダブの視点で再構築した作品です。

 

 

Bird People / Valley Quests(Cassette) 購入先Feathered Coyote Records Bandcamp 購入価格€32.50EUR(3,149円)

オーストリア・ウィーンのUlrich Musa-Rois率いるサイケデリック、フリー・フォーク、ドローン・ミュージックを奏でるプロジェクトBird Peopleの新作。これまでは様々なメンバーの参加で制作されていたが、今回は相方であるSwantje Musa-Roisとのデュオ作品となっています。

 

 

Various Artists/ Sounds from A Berry Feast Vol. 7(Cassette) 購入先Feathered Coyote Records Bandcamp 購入価格€32.50EUR(3,149円)

Feathered Coyote Recordsからリリースされたリリースされたコンピレーション・アルバム。7組収録していますが、いずれもオーストリアで開催されている、サイケデリック、ドローン、フォーク、ノイズ、実験音楽を中心とした音楽フェス A Berry Feast の出演アーティストです。Bird Peopleも参加しています。

 

 

Steven R. Smith / Half Light Unfolding(Vinyl) 購入先Eiderdown Records Bandcamp 購入価格$35.00 USD(5,817円)

Steven R. Smithの新作です。これまでのドローンやサイケデリックな作風から一線を画し、アコースティックなアプローチを取り入れた新境地的な作品となっています。

 

 

Nick Jonah Davis / Rose Delta Rising(Vinyl) 購入先Eiderdown Records Bandcamp 購入価格$35.00 USD(5,817円)

イギリス・ダービーシャー出身のギタリストNick Jonah Davisの新作。これまでのギターソロ的な作風からドラム、ダブルベース、ストリングスが加わり、フォーク、カントリー&ブルース、フリー・インプロヴィゼーションを融合させた世界です。

 

 

Drew Gardner / Rabbit Ears(Vinyl) 購入先Eiderdown Records Bandcamp 購入価格$35.00 USD(5,817円)

Jeffrey Alexander + The Heavy Liddersのギタリストとしても活動しているDrew Gardnerの新作。サイケデリック・ロックをベースに、フリー・ジャズ的なアプローチも展開している即興ギター・ジャムの世界です。

 

 

 

 

今月更新した記事です。

 

 

The Durutti Columnの奇跡の新作 Renascent に寄せて

Reilly: ‘I’ve been through 13 psychiatrists. So that’s enough of that.’

The Durutti Columnとの出会いは、今から43年前、私がレコード会社の新人営業マンとして働いていたときでした。レコード店の担当者から “ちょっとお疲れ気味だね、こんなの聴いてみたら” と勧められたのが、1980年のデビュー作で名盤「The Return Of The Durutti Column」であった。“静かなるパンクだよ” と言われても、当時は ”何それ?” と思ったのです。まだ国内盤が出る前で、情報もほとんどない時代でした。しかし、恐る恐る針を落としてみて、私は一瞬でドツボに嵌まってしまったのであった。好きな音楽に関われる仕事に就いていたものの、毎日売り上げに追われ、自分の会社のレコードに対して “誰が買うんだよ” と愚痴ばかり。プライベートで音楽を聴く気になれなかったのも確かです。今思うと、そんな私の状況を察して声をかけてくれたレコード店の担当者には、感謝しかありません。その後、その仕事を離れてしばらくは音楽への興味を失っていたが、The Durutti Columnだけはしっかりと追い続けフォローし続けていた。

 

2010年にThe Durutti ColumnのVini Reillyが脳梗塞で倒れ、危篤状態にあったことは伝わっていた。その後、しばらく情報が途絶えていたが、2023年にイギリスのThe Guardian紙にVini Reillyのインタビューが掲載された。彼は長年にわたるPTSDとの闘いについて語り、脳梗塞が心身に与えた肉体的・精神的な負担を明らかにした。脳梗塞後もギターはずっと続けており、ある程度のレベルには達したものの、全盛期のレベルには程遠いとも吐露しています。自宅でのレコーディングも行ってはいるが、“60年間演奏してきたことで素晴らしい人生を送ってきた。これでもう十分だ” と記事は締めくくられている。この記事を読んだとき、彼がこのままゆっくりとフェイドアウトしていくのだろうと、誰もが思ったに違いない。

 

Guardian紙のインタビュー記事です。

 

ところが、今年7月に15年振りとなる新作がリリースされたのです。The Guardian紙が彼を取り上げた影響は、個人的にとても大きかったと思っている。まだインタビューを受ける余力があったこと、そして記事でも言及されていた2020年の自宅でギターを弾く映像を見て、これならいけると感じたリスナーも多かったはずです。そして何より、The Durutti ColumnのメンバーであるBruce MitchellやKeir Stewartの後押しもあったのでしょうね。

 

2020年のギターを弾く映像です。

 

The Durutti Column / Renascent

本作は、Vini Reillyの残されたわずかな力を振り絞り、自宅で様々なセッションを重ねながら作られました。彼のギターとヴォーカルのほか、ドラムやパーカッションには結成時からの相棒であるBruce Mitchell、プロデュース、ベース、キーボードには1998年からサウンドを支えてきたKeir Stewartが参加。さらにゲスト・ヴォーカルとして、今年6月にロンドンで開催されたMeltdown Festivalの一環として企画されたThe Durutti Columnのトリビュート公演に参加していた、Caoilfhionn Roseも参加しています。

 

冒頭の1曲目 Echoes in the Memory は、1分半にも満たない短い曲ですが、これぞVini Reillyのギターワークだと強く実感させられた。Caoilfhionn Roseがヴォーカルを務める4曲目 Agonistes や8曲目 Sargasso Sea にはハッとさせられ、バンドへのリスペクトとオマージュをしっかりと感じ取ることができます。一方、Vini Reilly自身が歌う5曲目 Liars や9曲目 Scammer からは、生死の境をさまよった彼だからこその、不思議な力強さを感じた。特に Liars は、I'm sorry、I love you と囁くように歌っている。これはリスナー始めとして支えてくれた人々へのメッセージです。思わずほろっとしてしまった。Durutti Columnが長い歴史の中で培ってきたアンビエント、ポストパンク、ドリームポップといったすべての要素が、見事にまとめ上げられています。そしてその中心でVini Reillyのギターは、今もなお美しく新鮮に鳴り響く。

 

Vini Reilly with Bruce Mitchell, the drummer in the Durutti Column

アルバムタイトルの Renascent は、復活を意味する言葉です。しかしプレスリリースによると、この新作はThe Durutti Columnにとって最後のアルバムになる可能性が高いとのこと。現在73歳のVini Reillyは、86歳になったBruce Mitchellとその家族に守護者として支えられているようです。1980年代のファクトリー・レコード時代から、幾多の変化や困難を共にしてきた二人の絆は、まるで長年連れ添った老夫婦のようでもあります。Vini Reillyには、これからもどうか穏やかに、少しでも長く生きてほしいと願わずにはいられません。

 

 

Sam Gendel & Sam Wilkesの待望4作目、これまでのサックスとベースとはまったく異なる世界!

ともにロサンゼルスの次世代ジャズシーンを牽引するサックス奏者Sam GendelとベーシストSam Wilkes。個々に様々な活動を行いつつ、デュオとしての代表作「Music for Saxofone & Bass Guitar」でその実力と知名度をさらに広めていきました。今年5月にSam Gendel & Sam Wilkesの3回目となる来日公演が行われたが、残念ながら行くことができませんでした。ただ、その来日に合わせるかのように、待望の4作目がリリース。今回はセルフリリースとのことで、4月にデジタルを先行配信させ、レコードとカセットは7月になってからの発売となりました。

 

Sam Gendel & Sam Wilkes / Unrelated

本作は、彼らの代名詞であったサックスとベースの組み合わせから離れ、ギター、ギターシンセ、ウインドシンセ、ベースを駆使する新たなる試みを実践している。これまでのカッチリとした音作りというよりも、無造作に鳴らされるシンセ、乾いた質感のギター、曖昧で控えめなリズムによって幻想的で浮遊感あふれる幽玄なサウンドを構築しています。全8曲で約27分というコンパクトな作りになっているが、1音 1音をしっかりと聴いていくと軽やかでありながら、どこか奇矯な音の配置を感じる。前衛的とまでは言わずとも、ジャズ、アンビエント、エレクトロニカを緩やかに横断するアプローチは、実験音楽シーンにも精通している彼ら独自の音響空間でもあります。

 

セルフリリースということもあって、マスタリング以外の作曲、録音、編曲、ミキシングはすべて2人が行い、さらにレコードやカセットなどの梱包や発送も自ら行っていたようです。まさにDIY的な制作に拘った本作は、これまでのサックスとベースとはまったく異なる世界に戸惑ったリスナーも多いと思う。だが、アルバムタイトル Unrelated が示すように “そんなの関係ねぇ” と一撃を食らわしているかのようです。改めて、彼らの幅広い音楽センスを見せつけられた1作です。今更ですが、5月のライブに行くことができなかったことを悔やんでいる。

 

 

 

Sam Gendel & Sam Wilkesの過去のアルバムについて書いています。

 

 

Modern Natureのメンバー Jack CooperとTara Cunninghamによるデュオ・プロジェクトThe Sleevesのファースト・アルバム!

5efbbadb 9f17 4dc0 81e1 33e37fc8ef51

The Sleevesは、ロンドンを拠点に活動するインディーロック・バンドModern NatureのメンバーであるJack CooperとTara Cunninghamによって結成されたデュオ・プロジェクトです。Jack Cooperはソロも含めて様々なバンドで活動したあと、2019年にModern Natureを結成。当初はソロ・プロジェクト的で流動的なメンバーであったが、マルチに活動しているJeff Tobias(Thee Reps、Sunwatchers)とWill Young(Beak>)の2人が定番メンバーとなってModern Natureサウンドを構築。そして、2025年にTara Cunninghamが初参加したModern NatureのアルバムThe Heat Warpsで、新たな魅力を引き出し大きく評価されていったのです。その勢いのまま、The Sleevesとしてのファースト・アルバムを2026年5月にレーベル12XUよりリリースしました。

 

The Sleeves / The Sleeves

Jack CooperとTara Cunninghamのヴォーカルとギターによる相互作用に焦点を当てた、全10曲を収録しています。お互いにママス&パパスやサイモン&ガーファンクルの音楽を聴いたり口ずさむことから、往年のフォークやポップスからの影響を感じさせる美しいハーモニーを取り入れていった。その一方で、即興演奏による予測不能なギターワークがサウンドスケープの様に掻き鳴らされる。その音色は、鳥のさえずり、鐘の音、ラジオの雑音といったイメージを漂わせてくる。このシンプルで飾り気のないサウンドに空間という音響テクスチャーを組み合わせながら、The Sleevesの世界を構築している。Modern Nature からベースとドラムが抜けただけのサウンドではない。2人が持っている力量が最大限に凝縮された傑作。聴く者に不思議な心地よさを与えてくれる1枚です。

 

The Sleevesは、「ギターとボーカルの使い方において、馴染みのある要素と未知の領域が刺激的に融合した作品です。完全にジャンルレスで曖昧な領域こそが、私たちの真価を発揮する場所のようです。これは他の誰にも作れない音楽だと感じています。」と語っている。日本の音楽メディアele-King では “Still House Plantsがプロデュースしたサイモン&ガーファンクル“ と称されています。この例えにびっくりしたが、思わず納得した。海外の音楽メディアNo More Workhorseは、「音楽的に、最も静かな時期のTelevisionを彷彿とさせます。」と書かれている。The Sleevesの ”完全にジャンルレスで曖昧な領域“ に通じるような気がする。

 

ele-Kingのレビューです。

No More Workhorseのレビューです。

 

Tara Cunninghamは、Modern Natureに正式加入するまえに、Jack Cooperとコラボレーションしていた。その音源は、2025年1月にカセットとしてMossy Tapesよりリリースされています。2本のギターによる即興演奏です。まだ、お互いのヴォーカルについては、理解していなかったのかな?

 

 

 

Modern Natureについて書いています。

Tara Cunninghamが参加した2026年のアルバムThe Heat Warpsです。

Tara Cunninghamが参加してない2021年のアルバムIsland Of Noiseです。是非とも聴き比べて欲しいです。

 

 

Blodの実在しない映画のサウンドトラック

Blodは、スウェーデン・ヨーテボリのアンダーグラウンドシーンを中心に活動するマルチミュージシャンGustaf Dickssonによるソロプロジェクトです。2014年頃から活動を開始し、独自のDIYアート・ロックやフォーク・ミュージックを展開しています。2020年にはMatthias Anderssonと一緒にレコードショップ兼レーベルDiscreet Musicを立ち上げ、北欧のみならず、世界のアンダーグラウンドシーンや実験音楽の重要な発信地となっています。本日は2026年4月に自身のレーベルDiscreet Musicよりリリースされた新作 Förlorarnas Natt を取り上げます。

 

Blod / Förlorarnas Natt

本作はこれまで何作か続いたGustaf Dickssonのギターとヴォーカルを中心に、多彩なゲストがバックヴォーカルやコーラスで参加する伝統的なフォーク展開ではありません。前作 Den Oändliga Historien(ネバーエンディングストーリー)を取り上げた時に、この路線に終止符を打とうとしているのかもしれません、といったことを書いていた。まさにその通りで、全編インスト作品で新たな方向を示しています。過去にアンビエントやサウンドスケープ的な作品はありましたが。

 

今回は 実在しない映画のサウンドトラックというシネマティック・コンセプトのもとで作られています。ある若者が金曜日の夜を過ごす中で、大人の世界へ一歩を踏み出す無邪気な希望、傷つきやすい心、そして大人たちの裏切りや破られた約束といった物語が、音楽を通じて描かれています。Gustaf Dickssonはこのサウンドのインスピレーションとして、スウェーデンの映画音楽作曲家Björn Isfält(1942‐1997)、スウェーデンの世界的なポップ・グループであるABBAのメンバーBenny Andersson、さらにはイタリアの伝説的な歌姫Patty Pravo、イタリアの伝説的な作曲家Piero Umiliani(1926‐2001)を上げている。それとFörlorarnas Nattのアルバムジャケットは具体的な情報はないけど、たぶんPatty Pravoの肖像画だと思う。

サウンドはドラム以外のすべてをGustaf Dickssonが担っており、DIYを追求している。インスピレーションを受けたアーティストの影響なのか、どことなく70年代のノスタルジックでメランコリックな雰囲気を醸したインディーなムードポップを現代に蘇らせている。アメリカの音楽サイトPitchforkでは、Gustaf Dicksson のことを1960年代末から1970年代にかけてスウェーデンで大きく巻き起こったプロッグ・ムーブメントの精神的後継者と称している。これは反商業主義と政治思想が結びついた独自の音楽・文化的運動であり、幅広いジャンルを取り込んでのDIY精神に満ちた遺産であると綴っている。凄いですね。個人的にはこのシネマティック・コンセプトに基づいた映画を作って欲しいと思いますが。

 

 

 

インスピレーションを受けたアーティストとしてBjörn Isfält、Benny Andersson、Patty Pravo、Piero Umilianiの4人を上げているが、ほとんど知らないので適当に音源をアップしてみました。あとBenny Anderssonが在籍していたABBAは、Blodのアルバム名にABBAと付いた作品があります。本作でもBennyという曲が収録しています。Gustaf DickssonのABBAに対する思いが伝わりますね。

Björn Isfält

Benny Andersson

Patty Pravo

Piero Umiliani

 

 

 

Blodについて、色々と書いています。

 

 

Brokenchordの新作、モータリック・グルーヴとノイジーなギターや電子音が絡むスリリングでエモーショナルな世界

brokenchord (@brokenchord_) • Instagram photos and videos

BrokenchordはリトアニアのマルチミュージシャンErnestas Kausylasによるソロプロジェクトです。Thom Yorkeに才能を見出されRadioheadのミックス・コンピレーションアルバム TKOL RMX 1 2 3 4 5 6 7 に参加していました。このアルバム、Caribou、Four Tet、Jamie XXといった錚々たる面々がいるなかで、BrokenchordとしてGive Up The Ghostをミックスしています。他にも舞台音楽や映画音楽なども手掛けており、リトアニアの演劇賞 Auksinis scenos kryžius の音楽部門でノミネートされたこともあるようです。本日はアムステルダムを拠点とする新進気鋭のレーベルSouth of Northより2026年7月にリリースされた3作目となる新作 Lima Echo Crack! を取り上げます。

 

Brokenchord / Lima Echo Crack!

これまで培ってきた電子的なポストロックというよりも、ノイジーなギターを中心としたクラウトロック、サイケデリックへと向かっている。さらにベースとドラムのゲストミュージシャンを入れてバンド編成の生々しさを表していると思う。そこにErnestas Kaušylasの得意分野である電子音楽やミックスを駆使して、ダークな雰囲気を醸しながらスリリングでエモーショナルな世界を構築してくる。冒頭1曲目 Prowler の不穏な電子音SEからざらついたギター音が入ってくる辺りは、何とも言えずに高揚感が増してくる。2曲目   MKUltra Scarecrow のダウナーでルーズな浮遊感溢れるヴォーカルが心地いい。後半の3曲、PBR、Tomorrow Knows、Liquid Mind Experimentは、さらにカオティックに鳴り響く。クラウトロック風のモータリックなグルーヴとノイジーなギターや電子音が巧く絡み合う。このサウンド全体から漂う音響質感は、電子音楽出身であるErnestas Kaušylasだからこその技だと思う。素晴らしいです!

 

本作は一人の男がシステムへと取り込まれていく心理的な崩壊を描いたコンセプト・アルバムとのことです。レーベルSouth of NorthのBanndcampには、“冷や汗をかきながらホテルのベッドに横たわり、天井の扇風機がゆっくりと回転し、ヘリコプターやドローンのフラッシュバックが脳裏をよぎる。目を閉じても、ストロボライトと爆発ばかりだ。どうする?逃げる?それとも留まって任務を完遂する?その間にも、ラジオの雑音を通して聞こえる音がモーターリックパルスに変わり、複合施設のクリック音やカチカチ音、暗号解読、ゾーン要素認証が、リスナーを再プログラムし、残るのは混乱した人間だけとなる。” と書かれている。サスペンス映画の予告のような感じです。これを頭に入れながら聴くのも有りですね。

 

 

本作のリリースを記念したパーティーでのライブ映像です。50分近くあります。暇な時にでも覗いてみてください。

 

 

2026年8月のディスカホリック

8月24日付けamass.jpの記事でCD復活の記事が出ていた。これについて書こうと思っていたら、ブログ仲間のShigeo Hondaさんも取り上げていた。海外のBandcampでも、これまではレコードとカセットが中心となっていたが、このところCDもしっかりと掲載されるようになってきた。やはり需要があるということなのでしょうね。40年以上前CDが出た時に、レコード会社の新人営業マンとしてレコード店にレコードを売るために駆けずり回っていた。その数年後には、レコード店からCD店へと一気に変わっていたことを現場で確認してきた。対応しきれないところは淘汰されていく。それは凄まじい状況であった。まあ、自分のところも淘汰されたけどね。日本の場合、レコード会社の親会社が家電メーカーであったことも多くて、CDプレーヤーを売るためにレコードでの新作を出さなくなったことも大きい。海外では一定数のレコードは作られていたけどね。

2000
年代に入ると音楽ストリーミングの普及でデジタル音源が中心となりつつあった。CDは元々デジタルデーターをフィジカルとして形にしただけなので、どうなっていくのか興味をもっていた。2000年代中頃は年間400枚以上のCDを買っていただけにね。やはりCDの売り上げは落ちるなかで、レコードやカセットが見直されるようになった。デジタル音源といった実体のないものよりも、フィジカルで持ちたいというリスナーが多くいたのでしょうね。それと1曲ごとではなく、アートやパッケージを含めて作品全体としてのメッセージを問うアルバムが多くなったことも要因のひとつかな? 個人的な感想ですが。それだけならレコードだけで充分だけど、もっと価格的に安くて簡単に扱うことのできるCDに向かうのもありだと思う。海外からレコード1枚だけ注文すると送料含めて1万円ってこともありますから。あとShigeo Hondaさんが言っているように「ストリーミング疲れ」もありますね。なんでも聴けるということは、何も残らない気もする。聴き方を否定するつもりはない。ただ個々の聴き方の選択肢が増えることは大歓迎です。

 

 

 

2026年8月ディスカホリックは、レコード3、CD3、カセット1の計7作品の購入実績でした。このところ、タワーレコード・オンラインで購入することが多くなっています。昨年は4作品しか購入してないのに、今年はすでに14作品も購入している。新作の予約受付が意外と早かったり、コアなものでも取り寄せが可能だったりする。その分、アマゾンでの購入は減っているけどね。

Tara Clerkin Trio / Somewhere Good(CD) 購入先Tobira records 購入価格2,848円

イギリス・ブリストルを拠点に活動するアヴァン・ポップバンドTara Clerkin Trioの2026年6月リリースの新作。ローファイで様々な要素を絡めながら、ほのぼのとした雰囲気が心地いい。癒されますね。

 

 

Nein Flower / Nein Flower(Cassette) 購入先Tobira records 購入価格3,173円

ベルリンを拠点とするNein Rodere(David Roeder)とアメリカ・ホートランドを拠点とするNowhere Flower(Lila Jarzombek)のカセットによる2026年リリースの初コラボレーション。アウトサイダーなフリーフォークを奏でています。2人とも好きなアーティストだけに嬉しい!

 

 

Brokenchord / Lima Echo Crack!(Vinyl) 購入先 Meditations 購入価格5,788円

レーベルSouth of Northより2026年7月リリースのリトアニア出身のマルチミュージシャンBrokenchordの新作。ダークでダウナーな雰囲気を醸しながらクラウトロック、サイケデリック・ロック、ポストロック、エレクトロニクスを奏でています。最高にかっこいい!個人的には2026年アルバム・ベスト10入りの1枚です。

 

 

Seefeel / Sol.Hz(CD) 購入先Tower Record Online 購入価格2,860円

2026年5月リリースの新作。ここ数年のライブは、Mark Cliffordが一人でギターやハードウェアを操るパフォーマンスなのですが、アルバムとなるとやはりSarah Peacockのファルセット・ヴォーカルがあってこそのSeefeelですね。様々な要素を取り込んでSeefeelらしいサウンドを展開しています。

 

 

The Durutti Column / Renascent(Vinyl) 購入先Tower Record Online 購入価格5,290円

 

The Durutti Columnの16年振りの新作。Vini Reillyは2010年以降に3度の脳卒中を患い、一時は本当にヤバいと思っていただけに、この復活はすごく嬉しい!

 

 

Alan Licht / Havens(2Vinyl) 購入先Tower Record Online 購入価格6,290円

 

買いそびれていたアメリカの実験的ギタリストAlan Lichtの2024年リリースしたソロアルバム。今年5月の来日公演に行けなかったことを今更ながら悔やんでいる。

 

 

Ear Has No Lid / Unquestioned Answers(CD) 購入先Ear Has No Lid Bandcamp 購入価格2,860円

上記でブログをシェアさせて頂いたShigeo Hondaさんによる自主制作プロジェクトEar Has No Lidの3作目となる新作。本人は、「日々のサウンドスケッチから始まりました。計画されたことは何もありません。ただ音の動きだけがありました。電子的な即興演奏とiPhoneのフィールドレコーディングをループに切り、解体し、新しい形に再構成。その結果、馴染みのある音が静かに感情的なものへと溶け込んでいき、変化し続ける音の風景のコレクションが生まれました。」 そして「音楽の流れは明け方から夜までの1日のようなもの」と語っている。後半になるとより重厚なサウンドになっており、まさにサウンドスケープを表した作品です。素晴らしい!

 

前作同様に今回もパッケージにも拘っていて、A5サイズ12ページのフォトブックレットと一緒になっている。パッケージ含めて一つの作品というインディーズならではの発想も凄くいいです。参考までに、前作はこんなパッケージでした。

 

改めてShigeo Hondaさんのメイン・ブログです。

Ear Has No Lidのアルバム制作過程を綴ったブログです。

 

 

 

 

今月更新した記事です。