ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

Marion Cousinの歌声に絡むKaumwaldの異端エレクトロ・ノイズの世界とは

MARION COUSIN & KAUMWALD + VeryDub | 13.06.19 | emmetrop.fr

フランス、ノルマンディー出身で舞台翻訳なども手掛ける女性音楽家Marion Cousin。彼女はBorja FlamesのユニットJune et Jimのメンバーとしても活動していました。Marion Cousin名義のアルバムとなると、2016年のフランス人チェリストGaspar Clausとのコラボ・アルバム「Jo Estava Que M'Abrasava」があります。このアルバムでヴォーカリストとして躍進しました。

 

本日はそれに続くMarion Cousinの2作目「Tu Rabo Par'Abanico」を紹介したいと思う。今回もコラボ作であります。一緒に共演するのは、2人のフランス人Clément Vercelletto、Ernest BergezによるユニットKaumwaldです。 彼らはエレクトロニクス中心に様々なサウンド構築を行っています。この3人が織り成すぶっ飛んだ音楽を是非聴いて欲しい!

 

Marion Cousin & Kaumwald / Tu Rabo Par'Abanico

「Tu Rabo Par'Abanico」は、前作の共演者であるGaspar Clausの主催するレーベルLes Disques du Festival Permanentと、アヴァンギャルドシャンソン、フォーク、コンテンポラリー、ワールドミュージックを提示し続けるフランスのレーベルLe Sauleとの共同で2020年5月にリリースされました。

 

Marion Cousinのアヴァンギャルドシャンソンに合わせて、Kaumwaldのパーカッション、エレクトロニクスが絡んでいます。彼女の凛とした哀愁を感じさせる歌声をぶち切るがごとく散りばめられた異端エレクトロ・ノイズの数々。お互いの主張を真っ向からぶつけ合った中から醸し出される美しく華麗に鳴り響く世界。中世ヨーロッパ的な雰囲気も感じられます。伝統と実験の融合から生み出された素晴らしいアルバムです。

前作と聴き比べてもMarion Cousinのトラディショナルな歌声は基本何も変ってません。ただ、彼女の歌声に共演者の奏でる演奏が絡むことで、これまでに無い世界を生み出していることは確かです。今年はドローン、アンビエント楽家Golem Mecaniqueのアルバム「Nona, Decima Et Morta」にもゲスト参加しているMarion Cousinです。今後もコラボ企画を続けるのか?あるいは単独名義でアルバムをリリースするのか興味深いところでもあります。

 

 

参考までに前作Marion Cousin & Gaspar Claus「Jo Estava Que M'Abrasava」と今回の共演者であるKaumwald「Rapa Nui Clan」もBandcampでアップしておきます。