ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

ドイツのBrannten Schnüreが奏でるシュールで不思議なフォークミュージック!

ドイツ・ヴュルツブルクを拠点とするChristian Schoppik、Katie Richによるエクスペリメンタル・ダークフォーク・デュオBrannten Schnüre。数年前からコアな人気を得ており、リリースされるアルバムの殆どが瞬殺で廃盤となっています。入手しようと色々と検索しているのですが、高い価格での取引になってしまうので躊躇していた。デジタル配信については、あまり積極的ではなく、フィジカルを購入しないとアルバム音源を聴くことが出来ないことも多い。

 

今回、3年振り7作目となる新作 “Das Glück Vermeiden” が、自身のレーベルQuirlschlängleよりレコード500枚限定でリリースされました。すでに品薄状態でSOLD OUTや1万円を超える価格で表示されています。自分はタイミング良くDiscogsにて€40.00 EUR(5,964円)で購入することが出来た。日本ではArt Into Lifeさんが、今回限りの入荷ということで扱っていたが、アップしたと思ったらすぐにSOLD OUTになってしまった。

 

Brannten Schnüre / Das Glück Vermeiden

アルバムタイトル ”Das Glück Vermeiden” は、「幸福でないこと」を意味しており、コロナパンデミックで疲弊した感情をコンセプトに作り上げた作品です。Katie Richのストイックなヴォーカルは、子供のように無邪気でありながらも不穏な雰囲気をも醸し出している。その歌声を包み込むように、様々なアコースティック楽器とエレクトロニクスをコラージュのように散りばめたシュールで不思議なフォークミュージックを展開。

 

タイヤの軋み、救急車のサイレン、鳥のさえずり、といった日常風景の音も取り入れながらドキュメンタリー映画を見ているかのような感じで心に染みこんで来る。シュールで不思議な世界で終っても面白いのであるが、アルバムタイトルでもあるラスト曲 “Das Glück Vermeiden” がメルヘンチックに未来へと繫ぐ。もはやダークフォークじゃないですね。短いこの曲はChristian SchoppikとKatie Rich の2人のヴォーカルで「幸福でないこと」に対する出口を見出している。

 

独自の美学と感覚で纏め上げた最高にヤバいアルバムです。再プレス、またはリイシューを早く行って欲しい!!

音源について、色々と聴いて貰いたいのですが、今のところYouTubeでこの1曲のみ公開になっています。もっと大々的にPRしても良いかと思うけど、これもBrannten Schnüreの戦略なのでしょうね。ただ、過去のアルバムの一部は、YouTubeを中心にアップされています。興味のある方は、是非聴いて欲しい!

 

 

そして今年10月には、2015年にオーストリアのFeathered Coyote Recordsよりカセット音源でリリースしていた3作目 “Geträumt Hab Ich Vom Martinszug” が、ベルギーのAguirre Recordsよりレコードとしてリイシューされました。早めに国内で予約を入れていますが、未だ入荷していません。Aguirre RecordsではすでにSOLD OUTになっています。本当に購入出来るのかな?と心配になって来ました。Discogsでは6,000円中ぐらいから10,000円超える価格で表示されていますけどね。

Brannten Schnüre / Geträumt Hab Ich Vom Martinszug

 

 

今年、彼らはBrannten Schnüre以外にも、様々なアルバムをリリースしています。簡単に紹介しておきます。

Lauten der Seele 

今年2月にリリースされたChristian Schoppikの変名ユニットLauten der Seeleとして発表した初のソロアルバム! 1950年代にドイツで制作された故郷をテーマとする映画 "Heimatfilme"  をコンセプトにした作品です。

 

Freundliche Kreisel

今年3月にリリースされたアンビエントポルターガイストと異名を持つBaldruinとBrannten Schnüreによるコラボレーション・プロジェクトです。Brannten Schnüエレクトロ色を押し出した作品となっています。

リリース元の関係もあると思うが、両方ともレコードのみのリリースで国内より意外と簡単に購入することが出来ました。