ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

スペイン出身でフランスを拠点に活動しているBorja Flamesのエクスペリメンタルなアヴァン・ポップな世界とは

スペイン出身で90年代後半より音楽活動を行っていたBorja Flames。2000年代後半にフランスに拠点を移してMarion Cousinと組んだフォーク・ユニットJune et Jimで、その存在を知られるようになります。2016年にはソロとしても活動を始めている。本日はBorja Flamesの今年リリースされた3作目 “Nuevo Medievo” を取り上げます。

 

Borja Flames / Nuevo Medievo

これまでのBorja Flamesのソロ・アルバムは、June et Jimで培ってきたフォークやシャンソンの雰囲気を活かしつつ大胆にエレクトロニクスを導入してアルバムを作ってきました。本作は1作目、2作目の流れを踏まえながら、ダンサブルでグルーヴ感を意識した変則的なリズムをベースにしてエレクトロニクスをスペーシィーに散りばめたサウンド。そこにヴォーカルやコーラスが美しく絡んでいます。

 

Borja Flames以外には、June et Jimの相方であるMarion Cousin、アヴァン・ボサノヴァ・ポップバンドClaptrapのメンバーでもあるPaul Loiseau、2000年代初期より様々な音楽活動を行っているRachel Langlaisが参加して制作されました。特にMarion Cousinは、これまでのBorja Flamesのソロ・アルバムにも参加しています。2021年にはJune et Jimの後継ユニットとしてBorja FlamesとCatalina Matorralを結成してアルバムもリリースしている間柄です。

 

この4人が奏でるエレクトロなサウンドは、時には80年代のニューウェーブやポストパンクをも彷彿させます。4曲目 “Magnetismo” では現代社会における様々な感情に対して、Que Sera, Sera(ケセラセラ)と歌い上げています。宇宙、宗教、戦争といったことも色々と歌っていますが、楽観的で最後は踊ってしまえ的な雰囲気が満載です。エンターテインメント性も備えたエクスペリメンタルでアヴァン・ポップな世界へと進化しています。素晴らしいアルバムです。

 

 

 

この記事を書いている時に、Borja FlamesとMarion Cousinの新たなるユニットCatalina Matorralを結成していたことを知った。2021年にリリースされたファースト・アルバムを即購入しました。

Catalina Matorral

 

Marion Cousinについて記事にしています。