フジロック フェスティバル、出演者第2弾が発表されました。この時点で日割りが出ることも嬉しいです。日曜日のグリーン・ステージ、ヘッドライナーがThe Cureなので、前回のような3時間近いライブは無しかな? そうなるとグリーンのエンディングは電気グループとか、様々な予測を考えるのもフジの楽しみです。
個人的にThom Yorke Tomorrow's Modern Boxes、The Waterboys、Courtney Barnett、toeあたりは、しっかりと観ていきたいところですね。
フジロック出演者、第1弾発表の時に何も書かなかったけど、今年もフジロックは行きますよ!チケットも購入して宿も予約しました。3月始めには第2弾の発表ですかね?楽しみです。
さて、毎度のディスカホリックですが、2月は10タイトルの購入実績でした。今年になってから、レコードの比重が多くなっています。CDでのリリースがなく、レコードとデジタルのみでのリリースが多くなっているのも確かのようですね。
Charalambides / Tom And Christina Carter(2Vinyl) 購入先Drawing Room Records Bandcamp 購入価格$47.00(5、297円)
2018年後半にリリースされた7年振りの新作。この2人の関係は終わってなかったのですね。Tom CarterのギターとChristina Carterのヴォーカル、ハーモニカだけによるシンプルな展開に心を奪われてしまった。
La Tène / Vouerca-Fahy(CD) 購入先Three:four Records Bandcamp 購入価格15.00CHF(1,727円)
2016年リリースのファースト・アルバム 。前々回の記事で取り上げています。
Dire Wolves / Excursions To Cloudland(Vinyl) 購入先Amazon.co.jp 購入価格2,358円
2017年3月リリースの初Vinylアルバム。
Dire Wolves / Oceans Of Green(Vinyl) 購入先Amazon.com 購入価格$33.66 (3,829円)
同じく2017年5月リリースのVinylとして2枚目となるアルバム。
前回の記事で取り上げています。彼らは、自身のFacebookやInstagramでこの記事をシェアしています。嬉しいです!!!
Pete Bassman / Lost In Space(Vinyl) 購入先Discogs 購入価格£28.50(4,268円)
Spacemen 3の初代ベーシストだったPete Bassman。その後、The Darkside、Alpha Stoneで活動していたのですが、2000年以降は音楽シーンから居なくなっていました。2014年に7インチシングルで音楽シーンに復活します。2016年にアルバムがリリースされていたことを今頃になって知りました。これまでの経歴を凝縮したスペーシーでサイケディリックなサウンドは素晴らしいです。
Trimdon Grange Explosion / Trimdon Grange Explosion(Vinyl) 購入先Record Shop Reconquista 購入価格3,557円
Alison Cotton(ヴィオラ、ヴォーカル)、Ben Phillipson(ギター、ヴォーカル)、Mark Nicholas(ベース)、Karl Sabino(ドラムス)の4人で結成されたサイケデリックなフォーク・バンド“Trimdon Grange Explosion。2010年に7インチシングルでデビューして以来のファーストアルバムを昨年リリース。2人のヴォーカルを要して、自分達の曲の他、独自にアレンジした英国のトラディショナル・ソングのカヴァー曲を交えたアルバムです。心地よく鳴り響いてきます。
Alison Cotton / All Is Quiet at the Ancient Theatre(Vinyl) 購入先WOW HD 購入価格2,945円
Trimdon Grange ExplosionのメンバーでもあるAlison Cottonの昨年リリースされたソロ名義初のアルバム。ヴィオラを中心としてリコーダー、ハーモニウム、そして彼女のヴォーカルまでも絡めたポスト・クラシカルなドローン世界。タイトルAll Is Quiet at the Ancient Theatreのイメージがそのまま伝わって来るような素晴らしいアルバムです!
La Stpo(La Société des Timides à la Parade des Oiseaux)/ Les Liquidateurs (Vinyl) 購入先In-Poly-Sons 購入価格€24.90(3,257円)
先月購入したLa Stopの新作L'Empreinteが、リリース元と揉めてお蔵入りになっていました。そのアルバムからの1曲をレコード化して2015年にリリースしていたのが、Les Liquidateursです。チェルノブイリ原発や福島原発に対するLa Stopのメッセージが込められています。L'EmpreinteのCDと聞き比べていますが、やはりレコードの方が柔らかく聞えます。
Swervedriver / Future Ruins(CD) 購入先WOW HD 購入価格1,295円
4年振りの新作。ラフな作りであるが、安心して聴いていられる好盤。是非とも、また北海道でライブをやって欲しいです!
The Dead C / Rare Ravers(CD) 購入先WOW HD 購入価格1,022円
ニュージーランドのノイズ・バンドThe Dead Cの新作。これまでに無く叙情性も兼ね備えていて聴きやすいかも? しかしながら、彼らの目指している基本路線にブレはないです。大音量で聴いてトリップしてみてね!
ブログのアクセス数が急に伸びていたので何かと確認してみたら、「2018年アルバム・ベスト20」のNo17に選んだDire Wolvesが、自身のFacebookやInstagramでこの記事をシェアしていたのでした。もの凄く嬉しいです。そんなことで、Dire Wolvesについて書いてみました。
2008年にJeffrey Alexander(ギター)が中心となって結成されたサンフランシスコのエクスペリメンタル・ロック・バンドDire Wolves。メンバーはSheila Bosco(ドラム)、Brian Lucas(ベース)、Arjun Mendiratta(ヴァイオリン)、レコーディングとなるとLaura Naukkarinen (Lau Nau)、Georgia Carbone、Kelly Ann Nelsonら3人のヴォイス・パフォーマー兼ヴォーカルがアルバムによって参加しています。
Jeffrey Alexanderは2013年からJackie-O Motherfuckerのメンバーとしても活動しており、2018年のベストNo.1に選んだアルバム"Bloom"でギター、シンセサイザーとマルチな才能を遺憾なく発揮しています。Jackie-O Motherfucker側からもMichael Whittakerが、Dire Wolvesのアルバムにフルートでフル参加ではないのですが、ちょこちょこと顔を覗かせているようです。
個人的に興味深いのはベースのBrian Lucasが、90年代に活動しとていたサンフランシスコのサイケデリック・バンドMirzaのメンバーであったことです。大好きなバンドでしたが、アルバム3枚ほどで終わってしまいました。元メンバーのGlenn Donaldsonは、Dire Wolvesの"Paradisiacal Mind"でフォトグラフィーとしてクレジットされています。このサンフランシスコ人脈、良いですね!
Dire Wolvesのアルバムはカセット音源が中心で、デビュー以来すでに12タイトルもリリースされています。最近になってやっとレコードでもリリースされるようになりました。それでも3タイトルのみです。まずは、昨年後半にリリースされた"Paradisiacal Mind"に嵌まってしまい、「2018年アルバム・ベスト20」に入れました。その記事を彼らがシェアしてくれたので、嬉しさのあまり残り2タイトルのレコードも購入したのでした。
Dire Wolves / Excursions To Cloudland
2017年3月にリリースされた初Vinylです。ミニマルでサイケデリックに鳴り響くサウンドに、Laura NaukkarinenのスキャットとArjun Mendirattaのヴァイオリンがさり気なくスペース感を醸し出しています。ゆっくりと微睡みの世界へと導いてくれる素晴らしいアルバムです。
Dire Wolves / Oceans Of Green
2017年5月リリースでVinylとしての2作目。”Excursions To Cloudland”の続編とも言える内容です。アルバムタイトルやジャケットからも想像できるように、大海原を流れに任せて漂っている感じ。こちらも素晴らしい!
Dire Wolves / Paradisiacal Mind
2018年11月リリースでVinylとしての3作目。「2018年アルバム・ベスト20」の時に書いているように、クラウト・ロック、スピリチュアル・ジャズ、プロクグレッシブ・ロックといった要素も採り入れて、より一層、瞑想的でコズミックな雰囲気満載のサウンドを展開しています。 新たにヴォイス・パフォーマーとしてGeorgia Carboneが加入しています。これまでの功績を築いてきたLaura Naukkarinenも2曲でゲスト参加しています。2人のヴォイス・パフォーマーによるラスト曲でタイトルナンバーでもある”Paradisiacal Mind"は圧巻です。
FacebookのコメントでDire Wolvesは let's tour Japan! と書いてました。プロモーターの皆さん、是非とも彼らを日本に呼んでください!日本じゃ、殆ど無名に近い存在ですが、Jackie-O Motherfuckerとのカップリングなら可能性はありますね。
La Tèneはヨーロッパの鉄器時代のラ・テーヌ文化を意味しており、そこから受け継がれきた民族音楽をモチーフにミニマルなドローンミュージックを奏でるバンドです。手回し器具のついた弦楽器のハーディ・ガーディ担当のフランス人Alexis Degrenier、ふいごを付けたオルガンのハルモニウムとエレクトロニクスを操るスイス人D'incise、そしてパーカッションのスイス人Cyril Bondiという3人のメンバーで結成。3人とも様々なプロジェクトに参加しており、D'inciseとCyril BondiはアヴァンギャルドなInsub Meta Orchestraで10年近く一緒に活動してきたメンバーでもあります。
2016年に1st「Vouerca-Fahy」、2017年に 2nd「Tardive-Issime」、そして2018年に3rd「Abandonnée-Maléja」をリリースしています。私はLa Tèneの存在を今年になって知り、1月に 2ndと3rdをレコードで購入しています。この2枚のアルバムに嵌まってしまい、2月になって1stも購入しました。「2019年1月のディスカホリック」の時に書いているように、La Tèneについては別枠で取り上げている次第です。
La Tène / Vouerca-Fahy
スイスのレーベルThree:four Recordsから2016年にリリースされた1st「Vouerca Fahy」は、2nd、3rd同様に素晴らしいアルバムです。このアルバム、レコードだと片面1曲の2曲収録ですが、CDはボーナス・トラック追加の3曲だったのでCDで購入しました。当時、ヨーロッパツアー後に人気沸騰して1stは瞬く間に完売と情報があったのですが、追加でプレスしたのでしょう。Three:four RecordsのBandcampで購入することが出来ました。1曲目はLa Tèneの原点ともいった感じのアンサンブルを聴かせてくれます。2曲目、3曲目が、ロックファンをも唸らせるトライバル・サウンド!かっこいいですよ。
La Tène / Tardive-Issime
2017年にリリースされた2nd「Tardive-Issime」は、Three:four Recordsの他にBongo Joeからもリリースされるようになりました。人気が出てきたということなのでしょうね。全2曲収録のこのアルバムは、Alexis Degrenier(ハーディ・ガーディ)、D'incise(ハーモニウム、エレクトロニクス)の民族楽器によるドローン・サウンドにCyril Bondiの強靭なパーカッションが絡んでいます。ゆっくりとシンプルに鳴り響いて音のレイヤーを築いている様は、延々と聴きたいと思うヤバいサウンドです。
La Tène & Jeremie Sauvage & Jacques Puech & Guilhem Lacroux、Jeremie Sauvage / Abandonnée-Maléja
2018年の3rd「Abandonnée Maleja」もThree:four RecordsとBongo Joeの共同リリースです。本作は2枚組レコードで各面1曲の全4曲収録。La Tèneの3人に加えて、2人のバグパイプ奏者 Jacques Puech、Louis Jacquesが参加した1枚目と、12弦ギター奏者Guilhem Lacroux、ベース奏者 Jeremie Sauvageが参加した2枚目による内容です。単なるゲスト扱いではなく、ジャケット正面にしっかりとクレジットしていることで、彼らに対するLaTèneの敬意を感じます。基本的な方向性は一緒ですが、ゲストが参加したことで、より一層スピリチュアルで陶酔感やトランス感満載になっています。嵌まると抜け出せない中毒性の高いサウンドは、最高に素晴らしい!
メンバーが様々な活動を行っているため、周辺には知られていない面白いバンドが多数存在しています。今後はその辺りも注目していきたですね。最後にLaTèneのライブ映像があったのでアップしておきます。
今年初のディスカホリックは4タイトルの購入実績でした。いつもよりかなり少ないです。その分、しっかりと聴くことが出来ました。特にLa Tèneのサード・アルバムは、2018年に購入していたら、年間アルバム・ベストNo.1に入れたかった内容です。La Tèneのファースト・アルバムも注文していますので、届きしたい別枠で 書きたいと思っています。
XXL (Xiu Xiu Larsen) / Puff O'Gigio(Vinyl) 購入先Bad Paintings Bandcamp 購入価格£29.99(4,478円)
アメリカ、カリフォルニアのノイズポップ・ユニットXiu Xiuとイタリアのアヴァンギャルド・バンドLarsenの合体バンドXXLの昨年後半にリリースされた4作目。両方の特徴を巧くミックスした内容になっていて、ちょっと不思議な世界です。2月にXiu Xiu、Larsen共に新作のリリース予定なので、こちらも楽しみです。
La Tène / Tardive Issime(Vinyl) 購入先Meditation 購入価格2,465円
Alexis Degrenier(ハーディ・ガーディ)、D'incise(ハーモニウム、エレクトロニクス)、Cyril Bondi(パーカッション)のフランス人、スイス人2名の3人が2016年に結成したバンドLa Tene。民族楽器の織りなすミニマル・ドローンは最高にヤバいサウンド!「Tardive Issime」は2017年リリースのセカンドアルバムです。
La Tène + Guests / Abandonnée Maleja(2Vinyl) 購入先Meditation 購入価格2,869円
2018年リリースのサードアルバム「Abandonnée Maleja」は、La Tèneの3人に加えてバグパイプ奏者、エレキベース、12弦ギター奏者のゲストが参加しています。嵌まると抜け出せない中毒性の高いサウンドは、最高に素晴らしいです。
La Stpo(La Société des Timides à la Parade des Oiseaux)/ L'Empreinte(CD) 購入先La Stop Bandcamp 購入価格€18.00(2,349)
フランスのアヴァンギャルド・バンドLa Stopの2018年リリースの新作。数年前にリリースする予定であったが、リリース元と揉めてお蔵入りになっていたようです。これまでのLa Stopのアヴァンな世界を凝縮した素晴らしいアルバム!
1994年に結成して以来、Tom Greenwoodを中心として活動し続けるUSアヴァン・ロックバンドJackie-O Motherfucker。2000年代初頭のフリー・フォーク・ブームで異才を放っていて、2002年リリースの「Change」で日本でも注目を浴びるようになりました。フリー・フォーク・ブーム以前から、フリー・フォームでサイケデリックなサウンドを展開し、ブームが終わった後も、そのモチベーションを維持してきた彼らです。メンバーは、基本的に流動的で、レコーディングともなると多彩なゲストが多数参加してくる。Tom Greenwoodが言うには、パーマネントなメンバーは僕一人だけかな?と発言している。彼らの昨年リリースされたアルバム「Bloom」を前回の記事「2018年アルバム・ベスト20」のNo.1に選出したので、もう少し書いていきたいと思う。
Jackie-O Motherfucker / Bloom
スタジオ・アルバムとしては7年振りで、3年以上かけて制作された11作目。Tom Greenwoodと10年振りにアルバム参加しているアルトサックスの Michael Whittaker以外は、ほぼ新メンバーでの布陣です。興味深いのは、サンフランシスコのエクスペリメンタル・ロックバンドDire WolvesのギタリストJeffrey Alexandeが参加していることです。Dire Wolvesも昨年後半に素晴らしいアルバム「Paradisiacal Mind」をリリースしており、Jackie-O Motherfucker側からもMichael Whittakerがゲスト参加しています。双方の交流関係もいい感じであることか伺えます。それと元TristezaのChristopher Spragueもベースとして参加。彼は自身のスタジオSanto Studioを提供しており、Tom Greenwoodと共にプロデューサーとしてもクレジットされています。
アルバム制作は、街の郊外にある橋の建設用のパイプ置き場にメンバーが定期的に集まって、パイプの美しいリヴァーブと共に長時間のフィールド録音を行うことからはじまっています。その時の録音物は、冒頭の1曲目「The Pipe」や5曲目「Wild Geese」のインスト曲で効果的に使用されており、全体のアクセントにもなっていて摩訶不思議な世界を醸し出している。他の曲はTom Greenwoodのヴォーカルをメインに、フォーク、ロック、ジャズ、ノイズ、民族音楽など様々な要素をギター、ヴァイオリン、サックスやフルートなどの管弦楽器を駆使したフリーキーでアヴァンなサウンドとのせめぎ合いです。これがバランス良くアヴァン・ポップでモダンに鳴り響く。全6曲収録のこのアルバムは、彼らの最高傑作だと断言出来る素晴らしさです。2007年の初来日ライブを観ているので、このアルバムでのライブが観たいですね。
今年最初の更新は恒例の年間アルバム・ベスト10なのですが、2018年は絞りきれずにベスト20になってしまいました。18年リリースの新作が対象で、リイシュー盤やライブ盤、コンピレーション盤は外しています。ベスト20に入れそびれたアルバムも多く、後半の順位はかなりアバウトになっています。それだけ素晴らしいアルバムが多かったのです。今年もベテラン、中堅、新人、そして、メジャー、マイナーに拘らず新作を中心に追いかけたいと思いますので、よろしくお願いします。
No.1 Jackie-O Motherfucker / Bloom
Tom Greenwood 率いるアヴァン・ロックバンドJackie-O Motherfuckerの7年振りの新作。フォーク、ロック、ジャズ、ノイズ、民族音楽など様々な要素をギター、ヴァイオリン、サックス、フィールドレコーディングスなどを交えてサイケデリックでエクスペリメンタルに鳴り響く世界です。最高に素晴らしいです。
No.2 Clan Caiman / Clan Caiman
アルゼンチンのマルチ・インストゥルメンタリスト作家Emilio HaroのバンドClan Caimán。様々な音楽活動を行っており、自身のバンドで活動するのは、今回が初めてです。そのアルバムをリリースするのが、何と日本のレーベルEM Recordsです。ポストロック的な佇まいでミニマルやアンビエントの要素も採り入れたエキゾチックなトライバル音楽。聴けば聴くほどに和んでいくちょっと不思議な世界です。
No.3 Elephant Micah / Genericana
Joseph O'Connellによるソロ・プロジェクト Elephant Micah。フォークをベースにしながらも、アンビエント、エレクトロといったエクスペリメンタルな要素を取り込んだ世界。白昼夢の中で微睡んでいたらいつの間にか海に流されてしまったといった幻想的な想起をもさせる傑作です。
No.4 Oneida / Romance
NYブルックリンのインディーズバンドの大御所Oneida。サイケデリック、ポストパンク、ガレージロック、もう何でもアリアリでカオスしまくりのごった煮サウンドは最高です。本作は、更に一歩進んで各メンバー自由奔放に音を出しあってバトルを繰り返す変態サウンドへと進化しています。
No.5 Cavern Of Anti-Matter / Hormone Lemonade
StereolabのTim Gane率いるCavern Of Anti-Matterのサード・アルバム。デジタルとアナログを融合させ、ミニマルでエクスペリメンタルに鳴り響く。ベルリンを拠点に活動していて、より一層クラウトロックに対するオマージュを感じられる傑作。
No.6 Sandro Perri / In Another Life
カナダ、トロントのシンガー・ソングライターSandro Perriの7年振りの新作。In Another Lifeと Everybody’s Parisの2曲によるミニマル・ポップソングは、ほのぼのと心が癒やされます。追加収録でゲスト・ヴォーカルとして参加したDestroyerのDan BejarとThe Deadly SnakesのAndré Ethierが、それぞれにEverybody’s Parisを歌っています。こちらの方はアレンジも変更してプロデューサーとしての実力も発揮しています。
No.7 Dirty Projectors / Lamp Lit Prose
前作のセルフタイトルのアルバムで内省的なことをすべて吐きだして、吹っ切れたのでしょう。本作では本来の奇天烈サウンドで未来に向かおうとしている意欲作。素晴らしいです。
No.8 Yo La Tengo / There's A Riot Going On
「今そこで暴動が起っている」というタイトルからは過激で刺激的な動をイメージしたサウンドを思い浮かべるけど、Yo La Tengoはいつもと変らないドリーミーでポップなアルバムに仕上げています。しかし、ただ単にポップじゃないところが、彼らの魅力でもあります。アンビエントやミニマル、そしてジャズの要素をも採り入れてくるあたりは流石です。
No.9 Made To Break / Trebuchet
数多くのプロジェクトで活躍するサックス、リード楽器奏者Ken Vandermarkを中心としたフリージャズ・バンドMade To Break。この新作ではShellacのBob Westonが録音、ミックス、マスタリングを行っています。まさに「ハードコア・パンクに対するフリージャズからの回答」といった言葉がピッタリのサウンドになっています。
No.10 Peaking Lights / Sea Of Sand
LAを拠点に活動するサイケデリックでダブ・ポップ的なサウンドを奏でる夫婦デュオPeaking Lightsの新作。このエレクトロニックで摩訶不思議なグルーブ感は、彼らしか出せない世界です。
No.11 Richard Ashcroft / Natural Rebel
やりたいことをあれこれ取り込んだ前作よりも、方向性を絞ったことでスッキリと纏まって聞える新作。アコースティックギターを中心としたサウンドが彼の歌声を力強く引き立ててくれる傑作!
No.12 Smashing Pumpkins / Shiny & Oh So Bright Vol.1 Lp: No Past, No Future, No Sun
3/4によるオリジナルメンバーによるSmashing Pumpkinsの新作。大したことないと思っていたら、これが予想以上に良いです。これまでを踏襲しつつも、新たなる展開もしっかりと取り込んでいます。曲数を8曲にして、無駄なくスマパンのアイデンティティを伝えているアルバムです。
No.13 Marc Ribot / Songs Of Resistance 1942-2018
Marc Ribot名義でアンチ・トランプをテーマにしたアルバム。彼自身による楽曲の他、過去のプロテスト・ソングのカヴァー曲を含めて豪華なゲストTom Waits、Meshell Ndegeocelloらをフィーチャーして作り上げています。心に突き刺さる傑作です。
No.14 Richard Youngs / Belief
CharlatansのTim Burgessも運営に関わっているレーベルO GenesisからリリースされたRichard Youngsのヴォーカルアルバムです。アヴァン・フォークを中心に異形な雰囲気満載ですが、しっかりと心に染みいって来ます。近年のヴォーカルものの中では一番好きです。
No.15 Stop Motion Orchestra / Lightworks
レコメンデッド系のチェンバー/アヴァン・ロックを奏でるテキサス州オースティンのStop Motion Orchestraの2作目。エクスペリメンタルで有りつつも、ポップに鳴り響いてくれます。
No.16 God Is An Astronaut / Epitaph
アイルランドのポスト・ロックバンドGod Is An Astronautの8枚目。メンバーであるKinsella兄弟の親戚の子供さんが亡くなったことに対するレクイエム・アルバムで、ジャケット・アートワークにも表れています。これまで以上に、よりダーク・ヘビィーでメランコリックに宙を舞うサウンドは圧巻です。彼らの思いがヒシヒシと伝わって来ます。
No.17 Dire Wolves / Paradisiacal Mind
サンフランシスコのエクスペリメンタル・ロック・バンドDire Wolvesの新作。クラウトロック、スピリチュアル・ジャズ、プログレッシブ・ロックなどの要素を組み合わせたバンドです。瞑想的でコズミックな雰囲気満載のサウンドを展開しています。
No.18 Landing / Bells In New Towns
コネチカットのサイケデリック、アンビエント・ロック・バンド Landing の新作。シューゲイザー的な雰囲気をも感じさせる好盤です
No.19 Low / Double Negative
新たなる方向性を示したLowの意欲溢れる新作。彼らのこれまで培ってきたスロウコア的サウンドにノイズやシンセの音が鏤められて、よりダイナミックで幻想的に聞えます。
No.20 Begayer / Terrain A Mire . Une Maison Retive . Contrainte Par Le Toit
ブルース、フォーク、民族音楽など、これらの要素を自作楽器でチープかつサイケデリックに掻き鳴らすフランスの3人組Begayerの2作目。時折、垣間見えるノイジーな雰囲気が心地良いです。