ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

ブルックリンの解散したPillのメンバーとEatersのメンバーが合体したP.E.のデビューアルバム!

P.E. / Person(Ltd LP) | to'morrow records

またまた、新たなるバンドに出会うことが出来ました。解散したNYブルックリンのバンドPill(Benjamin Jaffe、Jonathan Campolo、Veronica Torres)に同じくブルックリンのBob Jones、Jonathan Schenkeによるコラボレーション・ユニットEatersのメンバーが合体して結成されたP.E.  PillのPとEatersのEでP.E.ですね。彼らの2020年3月リリースのデビューアルバムを紹介します。EatersのBob JonesがポートランドサイケデリックバンドEternal Tapestryの元メンバーであり、Volcano The BearのAaron Mooreらと実験的なジャズ・トリオGospel Of Marsでも活動していました。最近になってBob Jonesについて検索していた時に、P.E.の存在を知ったのであります。

 

P.E. / Person

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サックス、ベース、ヴォーカルに絡むパーカッシブなデジタルビートとカオスティックに鳴り響くシンセでサウンド全体を構築。インダストリアル、パンク、エレクトロニック、ディスコ、アヴァン・ギャルドなどの要素を取り入れて、アクティブに様々なことを試みてくる。それにより、時代を超越したノーウェイヴ的な雰囲気を醸し出しています。

 

アルバムタイトル「Person」は、人を構成する様々な感情を表しているとのこと。それらをポジティブに捉えて行こうとしています。貴方の心が壊れていたとしても“We dance to forget our heads”とVeronica Torresが歌っています。ストイックに淡々と歌い上げるVeronica TorresのヴォーカルはP.E.にとって必要不可欠な存在です。ハッピーな内容のアルバムではないのですが、不思議と元気の貰える素晴らしい1枚。プロデュースとマスタリング、アートワークはEatersのJonathan Schenkeが行っています。

 

「Person」リリース後は、2020年の10月にはカセット音源「Sick, Sad, Fun」」と新曲2曲がリリースされています。「Sick, Sad, Fun」」はアルバム「Person」のアウトテイク、ライブ音源、ミックスヴァージョンを纏めたコンピレーションです。ライブバンドとしての実力も確認出来ます。今回、「Person」のレコードとのセット販売企画でこのカセット音源も一緒に購入しました。一方、新曲2曲はBandcampでのデジタル配信です。The Stoogesと Ramonesのカヴァー曲です。ライブツアーに備えてカヴァー曲を録音したとのことですが、原曲から大きく逸脱した内容にもP.E.らしさを感じます。コロナ後の彼らの動向も注目ですね。

 

 

PillのBandcamp 

 

EatersのBandcamp