ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

サックス奏者でSunwatchers、Modern Nature、TheeRepsのメンバーでもあるJeff Tobiasの初ヴォーカル・アルバム!

サックス奏者でありマルチ・インストゥルメンタリストとしてSunwatchers、Modern Nature、TheeRepsなどのメンバーでもあるJeff Tobias。サックスを基本としたアルバムもあるのですが、何と彼のヴォーカルによるソロ・アルバムがリリースされました。

 

Jeff Tobias / Recurring Dream

曲の構想は2017年頃より、シンセサイザー、ベース、クラリネットでデモ音源を自宅にて作っていたとのことです。これらが自身のソロ・アルバムと感じたときに、これまでとは違うスタイルを追求したいと思っていた。その結果、ヴォーカルものに辿り着いたとインタビューに答えています。2019年秋より実際に録音が始まって出来上がったアルバムが “Recurring Dream”です。

 

これまでJeff Tobiasが関わってきたバンドやソロ活動とは異なり、初のヴォーカル・アルバムです。ヴォーカル、シンセサイザー、ギター、サックス、クラリネットなど多くの楽器を1人で行い、ドラムにNick Podgurski、ヴィブラフォンにCory Brackenがサポート・メンバーとして参加。曲によってDave Rude(TheeRep)、Jason Robira(Sunwatchers)ら多くのゲスト・メンバーが加わっています。

 

サウンド的には様々な楽器を駆使してジャズロック、ポストロックといった雰囲気をエクスペリメンタルに掻き鳴らしている。そこにJeff Tobiasのヴォーカルが絡むことで全体を通じてキャッチーでポップに仕上がっています。ゲストメンバーによるバッキングヴォーカルやコーラスのアレンジも巧さを感じる。Jeff Tobiasのシンガーソングライター及びプロデューサーとしての実力を思う存分に発揮した傑作となっています。

 

あと、興味深いのは、Jeff Tobiasが歌う歌詞の世界です。過激に政治的メッセージを掲げているSunwatchersのメンバーでもあります。本作ではお金に対する中毒、日常生活における闇、ベネズエラの内政問題など、周りで起きている様々な事象について彼の独自の視点で捉えています。アルバム冒頭の1曲目 “Our Very Recent Past” の歌詞をアップしておきます。凄い歌詞です!!

本当のファシストが誰なのかがわかった時にはもう遅すぎたのだ。すべてのインクが乾き、すべての列車が駅を離れてから久しい。まだ見ぬ顔を愛でるのは誰なのか?出来たかもしれないことを考えると涙が出ますが、それはいつでも言えることでしょう。私達のごく最近の過去からの何かが警告として機能することができれば、私達にいくつかのビジョンを与えてください。自分の小さな感覚をあきらめて、憎むべき潮を打ち砕くのを手伝ってください。

 

今現在はJeff Tobias Recurring Dream Bandとしてデビューライブを行っているようです。尚、5月にModern Nature、6月にSunwatchersのライブ予定もあるとのこと。特にSunwatchersはそろそろ新作が出ても良いかなと思っているので楽しみです。

 

 

 

Jeff Tobiasがメンバーとして参加しているバンドSunwatchers、Modern Nature、TheeRepsについても個々に書いています。