ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

中東、東南アジアの民族音楽のアーキヴィストMark Gergisが集めたアーカイヴ音源とは

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中東、東南アジアなどの民族音楽のアーキヴィストとして、Sun City GirlsのAlan BishopのレーベルSublime Frequenciesや自身のレーベルSham Palaceでプロデュースやマスタリングなどを手掛けるMark Gergis。今回Mark Gergis名義で、彼が集めたアーカイヴ音源をコラージュしたアルバムがリリースされました。

 

Mark Gergis / Early-Century Sound Recordings

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1999年から2013年までにモロッコ、ヨルダン、シリア、トルコ、ラオス、タイの国々でフィールドレコーディングされた様々な音源をコラージュ。各国の民族音楽からアコギ1本によるフォーキーな曲などをベースにして、そこに現地のテレビ、ラジオ、生活音などの音素材がカオスに絡んで行きます。社会風刺も含めてドキュメンタリーとしての映像までも喚起させる臨場感で、スリリングに攻め込んでくるアルバムです。彼の音素材に対する拘りがもの凄く伝わって来ます。

 

「Early-Century Sound Recordings」のトレーラー映像です。

 

現在、彼はこのアルバムでも取り上げているシリアをメインにしたSyrian Cassette Archivesプロジェクトに取り組んでいます。シリアの1970年から2010年までのカセット音源を中心に、シリア・メディアの膨大なコレクションをアルバムにすることを目指しています。楽しみですね。

 

Mark Gergisはミュージシャンとしても活動中です。その時はPorestと名乗っていて、すでに幾つかのアルバムがリリースされています。 彼の個性を活かしたユニークで面白い曲が多いです。


 


オーストラリアの女性サックス奏者Rosalind Hallによるアンビエント・ドローンの世界

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オーストラリアの女性サックス奏者で、演劇音楽の作曲も行っているRosalind Hall。2019年にImportant Records傘下のカセットレーベルCassaunaよりリリースされた「Drift」を紹介します。これまでにチェリストJudith HamannやヴォーカリストAlice Hui-Sheng Changらとのコラボレーション・アルバムはありますが、「Drift」が単独名義としての初アルバムです。尚、フィジカル・メディアとしてリリースされてない曲は、Soundcloud等で公開になっています。

 

Rosalind Hall / Drift

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サックスに様々なエフェクターを活用して構築したドローンにシンセサイザー、パーカッション、フィールドレコーディングスを組み合わせたエクスペリメンタルな全3曲。これがサックスなの?と本来のサックス音から逸脱してしまった不思議なアンビエント・ドローンサウンド。これまでもアヴァンギャルドで実験的なことを行っていた様です。彼女がサックス用に作り上げたエフェクターによって、無限の可能性が広がっています。素晴らしいです!

Rosalind Hallはコラボレーション等で音楽フェスティバルに参加していて、この「Drift」からの曲も演奏されています。様々なオーケストラとも交流していて、今後の動向にも注目です。

 

 

 

 

Rosalind HallのHP


 

2020年1月のディスカホリック

2020年1月のディスカホリックは頂き物を含めて13タイトルの購入実績でした。折角、購入先を明記しているので、余裕が有るときに何処からの購入が多いか調べてみようかと思っている。最近だとBandcampでの購入が増えてるのは確かです。このブログでも、音源紹介するのに使っている。送料が高く付くことがあるので、悩みところです。ただ、アーティスト本人が直接絡んでいることもあるので、色々とサプライズも多い。今月もCD-R、1枚頂いていますしね。

 

 

Larsen+Z'EV / In V.tro(CD) 購入先Discogs Marketplace 購入価格$11.00(1,257円)

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買いそびれていた2011年リリースのLarsen+Z'EVのコラボレーション・アルバム。Larsenの新作 「Arrival Vibrate」の原点となっています。



 

Kreidler / Flood(CD) 購入先WOW HD 購入価格1,717

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伝統のジャーマン、クラウトロックを現代に引き継ぐデュッセルドルフのポストロック・エレクトロニクス ・バンドKreidlerの2019年後半にリリースされたアルバム。彼ら独特の音響美学が堪能出来ます。

 

 

Pan American / A Son(CD) 購入先WOW HD 購入価格1,465円

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元LabradfordのMark Nelsonのユニット Pan American、6年振りの新作。これまでのエレクトロニックス、アンビエントに加えてヴォーカルを入れるなど、スロコア、ポストロックの要素を取り入れた意欲作。

 

 

Martin Brandlmayr / Vive Les Fantomes(CD) 購入先Amazon.co.jp(marvelio-japan) 購入価格1,650円

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オーストリアのエクスペリメンタル・バンドRadianのドラマーMartin Brandlmayrの2019年リリースのソロ・アルバム。初のラジオアート作品に取り組んでいます。Miles Davis, Thelonious Monk, Billie Holidayといったジャズ界の大御所の音源を細切れに鏤めて、ラジオDJの声やフィールドレコーディングスされた音などをミックスして一つの作品に仕上げています。

 

 

Astatine / Treatment Of Abstract Objects For Unfinished Pointless Ends(Vinyl) 購入先Astatine Bandcamp 購入価格€35.00(4,442円)

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Astatine / Chamber Fracture(CD-R) Astatine Bandcampからの頂き物

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フランス、パリのインディーズ・ロック、ポストロック、スロコア系サウンドを奏でるバンドAcetate Zeroの中心メンバーStéphane Recrosioのソロ・プロジェクトAstatine。Sound In Silenceからの新作 「Global Exposure」が素晴らしかったので、自身のレーベルからもアルバムを購入しました。なんと、もう1枚プレゼントして頂きました。

 

 

 

Glenn Branca / Third Ascension(CD) 購入先Amazon.co.jp 購入価格1,569円

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2018年に亡くなったGlenn Brancaの2016年のNYでのライブ音源。5人のギターリストとドラマーの6人編成よる演奏で、指揮を取っているのがGlenn Branca本人です。音源だけでなく映像もセットして欲しかった!

 

 

Entlang / The Four Sisters(Vinyl) 購入先Amazon.co.jp 購入価格1,919円

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The Garbage And The FlowersのHelen JohnstoneとYuri Frusinが中心となった派生バンド。90年代に7インチ、10インチのみのリリースで終わってしまった。それを纏めたコンピレーション盤です。The Garbage And The Flowersより少しノイズポップ色が強いかな。

 

 

Brunhild Ferrari & Jim O'Rourke / Le Piano Englouti(Vinyl) 購入先Black Truffle Bandcamp 購入価格€32.40(4,112円)

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実験音楽の巨匠、故Luc Ferrariの奥さんで作曲家であるBrunhild FerrariとJim O'Rourkeとのコラボレーション作品。2014年の東京SuperDeluxeでのライブ音源です。Luc Ferrariのテープ音源を色々と活用しています。マスタリング、ミックスはJim O'Rourkeで、Oren AmbarchiのレーベルBlack Truffleからリリースです。Luc Ferrariへのオマージュが感じられる1枚です。

 

 

Carl Stone / Baroo(CD) 購入先Amazon.co.jp(marvelio-japan) 購入価格1,512円

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電子音楽家Carl Stoneの2019年リリースの「Baroo」。超ポップミュージックなんだけど、もの凄く変態です(笑)民族音楽?ジャズ?モンド・ミュージック?様々な音楽のネジを4,5本抜いてしまったらこんな感じになるかも。最高に楽しいです。

 

 

Laura Cannell / The Sky Untuned(CD) 購入先Amazon.co.jp(nagiry-jp) 購入価格1,753円

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イギリスの女性ヴァイオリニストLaura Cannellの2019年リリースのアルバム。ヴァイオリンとリコーダーを曲によって使い分けて、それぞれ多重録音して制作された音源。ミニマル、ドローン、アヴァン・フォークの世界を構築しています。素晴らしいです。


 

Rosalind Hall / Drift(Cassette) 購入先Art Into Life 購入価格1,597円

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サックスプレイヤーとして活動しているRosalind Hall。サックスに様々なエフェクターを使用して構築したドローンにシンセサイザー、パーカッション、フィールドレコーディングスを組み合わせたエクスペリメンタルな作品。本来のサックス音から逸脱してしまった不思議なアンビエント・ドローンサウンドです。

 

 

Aaron Moore / The Point Of The Equator(CD-R) 購入先Art Into Life 購入価格1,487円

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英国のVolcano The Bearのメンバーであり、マルチプレイヤーとして活動しているAaron Moore。彼の60枚限定のソロ・アルバム。彼の魅力を様々な音楽スタイルで表しています。面白いアルバムです。

 

ローファイなインディーズ・ロックとノイズ・サウンドが絡むAstatineの世界

AMPやMemory DrawingsといったバンドをリリースしてきたギリシャのレーベルSound In Silence。昨年ぐらいから積極的にフォローしていたところ、これだと思う素晴らしいアーティストAstatine(Stéphane Recrosio)に出会うことが出来ました。

 

Astatine(Stéphane Recrosio)

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90年代から後半から活動しているフランス、パリのインディーズ・ロック、ポスト・ロック、スロコア系サウンドを奏でるバンドAcetate Zeroの中心メンバーStéphane Recrosioのソロ・プロジェクトAstatine。現在Acetate Zeroは開店休業中ですが、Stéphane Recrosioは2011年よりAstatineの活動をメインにしている。これまで自身のレーベルOrgasmやFissileで多くのアルバムをリリースしていたが、自分のレーベル以外は少なく、昨年11月にSound In Silenceからリリースされた「Global Exposure」が初となります。

 

Astatine / Global Exposure(CDR)

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くすんだスモーキーなドローン・サウンドから始まって、囁くようなヴォーカルを取り入れたローファイなインディーズ・ロック、シュゲイザー崩れのノイズ・ギター・サウンドなどを雑多にコラージュさせた内容となっています。様々な楽曲がとりとめも無く並べられていますが、整えられた優しいホワイトノイズによって巧くブレンドされ、アルバムとしての統一感や雰囲気を醸し出している。ちょっと不思議で面白いアルバムです。レーベルSound In Silenceがやりたいと思っている音楽要素を凝縮したアルバムといっても過言でないと思う。

 

Sound In Silence Bandcamp


「Global Exposure」が良かったので、他のアルバムも聴いてみたいと思った。今度は自身のレーベルFissileから昨年の同じ時期にリリースした「Treatment Of Abstract Objects For Unfinished Pointless Ends」をAstatine Bandcampで購入しました。

 

Astatine / Treatment Of Abstract Objects For Unfinished Pointless Ends(Lath Cut LP)

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通常のヴァイナルではなく、プラスチックの一種ポリカーボネートを使用したLathe Cut(レースカット)で制作されたLPレコードです。超限定13枚で私が購入する時は、残り3枚でタイミング良く購入出来たと思う。ヴォーカルが入るローファイなインディーズ・ロックに音響ノイズが絡む感じは「Global Exposure」と同様ですが、曲間がなく、ラジオのDJ会話をコラージュするなど、ラフな感じでよりカオスして聞えます。このアルバムも素晴らしいです。

 

 Astatine Bandcamp

 

Astatine Bandcampからは、オーダーしたレコードと一緒にAstatineのCD-Rアルバムも送ってくれました。アーティストのBandcampだと様々なサプライズがあることも多いです。過去に色々と貰っていますからね。Astatine に感謝です。

 

Astatine / Chamber Fracture(CD-R)

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2014年リリースのアルバム。上記2枚のアルバムと同様に、ヴォーカル入りローファイなインディーズ・ロックとインストで実験的な曲の両方を織り交ぜています。アルバム制作におけるAstatineのアイデンティティーなのでしょう。このアルバムも良いですね。

 

 

 

イタリアのエクスペリメンタル・バンドLarsenのパーカッショニストZ'EVに捧げるレクイエム・アルバム

前回の記事「2019年アルバム・ベスト10」でベストNo.2に入れたイタリアのアヴァンギャルドでエクスペリメンタルなサウンドを展開するLarsenの新作「Arrival Vibrate」を取り上げます。このアルバムは2017年に亡くなったパーカッショニストZ'EVに捧げるレクイエム・アルバムです。

 

Larsenは1993年にイタリアのトリノで結成された4人組。初期のアルバムがMichael Gira のプロデュースで Young God Records からリリースされたことも有りました。ミニマル、ポストクラシカル、ドローンといった実験的要素を巧みに取り込みながら多彩なサウンドを構築しています。これまでに、Z'EV、Nurse With WoundとのコラボレーションやXXL(Xiu Xiuとのユニット)などを含めると17タイトルのアルバムをリリースしています。

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Larsenについては、過去にこんな記事も書いています。


一方、Z'EV(1951年2月8日ー2017年12月16日)はアメリカ出身で、パーカッショニストとしてGlenn Branca、Organum、Genesis P-Orridgeなど様々なミュージシャンとコラボレーションを行って来ました。インダストリアル・ミュージックの先駆者としても知られている。2016年に列車脱線事故に巻き込まれ、健康を害することになり、2017年12月16日に亡くなってしまう。

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Larsen / Arrival Vibrate

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2018年3月13日にZ'EVの追悼イベントが行われました。彼のドキュメンタリー映画Heart Beat Ear Drumも上映され、その後にLarsen が演奏していた曲のライブ盤です。如何にもZ'EVが参加している様な雰囲気をLarsenの4人が、このアルバムで醸し出しています。カセットのみのリリースでA面、B面1曲づつの全2曲です。B面はリミックス・ヴァージョンとなっています。このリミックスを行ってるのが、Z'EVとLarsenの共通の友人であるJohn Duncanが行っています。彼は「Z'EVの功績、存在感を高めることをしたかった」と発言しています。両者のZ'EVへの思いが伝わってくる素晴らしいアルバムです。

「Arrival Vibrate」のライブ映像です。

 

LarsenとZ'EVは2009年にコラボレーション・ライブを行っている。それをアルバムにした「In V.tro」が2011年にリリースされている。前半がライブ音源で後半がZ'EVによるミックス・ヴァーションとなっています。これを聴いた後で「Arrival Vibrate」を聴き直すとZ'EVイズムがLarsenにしっかりと継承されていることが確認出来ます。Z'EVの霊が宿ったような神聖なアルバムに本人も喜んでいるに違いない。

 

最後に2015年に公開されたZ'EVのドキュメンタリー映画「Heart Beat Ear Drum」トレーラー映像をアップしておきます。

Z'EV  R.I.P.


 

 

2019年アルバム・ベスト10

2020年初の更新です。今年もよろしくお願いします。

 

恒例の年間ベスト・アルバムの紹介です。2019年にリリースされた新作から私的にこれだと思うアルバムを選んでいます。今回も素晴らしいアルバムが多くて悩みました。2018年の時は絞りきれずにベスト20にしましたが、2019年はそれ以上に素晴らしいアルバムが有りました。結局、自分の中では選びきれずに収集がつかなくなった為、ベスト10に戻しました。リイシューや買いそびれていたもの、新たに出会ったアーティストやバンドなどにも、これと思うアルバムが多かったのも確かでした。YouTubeやBandcamp等で聴いたうえで購入しているので、外しが無くなったのも大きいですね。はたして、今年はどんな音楽に出会えるか今から楽しみです。 

 

No.1    Cosey Fanni Tutti / Tutti

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35年ぶりのソロ・アルバム。エレクトロニックでビートを効かせたサウンドは最高に格好いい!! 


 

No.2    Larsen / Arrival Vibrate

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インストゥルメンタル作でコラボレーションしたことのある故Z'EV(1951~2017)に捧げる追悼アルバムです。


 

No.3    Ian Brown / Ripples

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ローゼズ再結成を経てのソロ活動再開のアルバム。気負いもなく淡々と歌い上げる感じは、これまでに無く心に染みこんでくる傑作。


 

No.4    Wilco / Ode To Joy

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3年振りの新作。この間に各メンバー様々な活動を行って吹っ切れたのでしょう。よりシンプルに研ぎ澄まされた曲が多い傑作。          

 

 

No.5    Gong / Universe Also Collapses

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歴史あるバンドを継続させる難しさ。そのプレッシャーをはね除けて、各メンバーの力量がしっかりと反映された素晴らしいアルバム。


 

No.6    Baba Zula / Derin Derin

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今年9タイトルもアルバムを購入してしまったトルコのBaba Zula。どのアルバムも素晴らしいのですが、2019年ベストとなれば、これを選ぶしかないですね。

 

 

No.7    Ouzo Bazooka / Transporter

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クラウドファンディングに出資してまで応援したイスラエルのOuzo Bazooka。フジロックでのライブも胡散臭くて最高に良かったです。

 

 

No.8    The Clandestine Quartet / One for the Fossa, Two for the Wolverine

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Sun City GirlsのAlan BishopとRick Bishopの兄弟にChris Corsano、Michael Flowerが加わった新たなるバンド。進化したSun City Girlsを伺うことが出来ますよ。

 

 

No.9    Amp / Entangled Time

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スタジオ録音盤としては8年振りの新作。 アンビエント・シュゲイザーともいえるサウンドを是非とも大音量で聴いて欲しい!


 

No.10   Richard Youngs / Dissident

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エキセントリックな要素を封印して、ヴォーカルを中心にしっとりと歌い上げています。心が癒やされるアルバムです。

 

 

 

2019年12月のディスカホリック

2019年12月のディスカホリックは5タイトルの購入実績です。年間では125タイトルでした。年間ベストはいつもの様に年明けです。今年リリースのアルバムでまだ届いてないものが、4タイトルほど有りますしね。情報が多すぎて必要としているのに、タイムリーに購入出来ないと言った感じかな。

今年も駄文に付き合ってくれた皆さんに感謝です。来年も現状維持で更新していきますので、よろしくお願いします。

 

Richard Youngs / Dissident(Vinyl) 購入先Amazon.co.jp 購入価格3,055円

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1年に何枚もアルバムをリリースしているRichard Youngsです。今年もフィジカルメディアとして3枚のアルバムをリリースしました。その中でヴォーカルを中心としたのがDissidentです。彼が影響を受けた英国のミュージシャン、The FallのMark E Smith、Van der Graaf Generatorの Peter Hammill、Martin Carthy、Vernon Elliotらに対するオマージュを表したアルバムとのことです。Richard Youngsのエキセントリックな要素を封印して、しっとりと歌い上げています。バックの演奏もヴァイオリン以外はすべて本人が行っています。

 

 

Richard Youngs / New World Memory(Vinyl) Richard Youngs Bandcamp 購入価格£32.00(4,732円)

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2019年にリリースされたもう1枚が、尺八、ギター、ピアノ、メタロフォン、ドラム、シンセを別々に録音してハーモナイズドして作り上げた実験音楽です。マスタリングはStephan Mathieuが行っています。Richard Youngs自身のレーベルのみでの販売で、注文したら直接本人から送って来ました。

 

 

Thuja / Hills(Vinyl) 購入先Amazon.co.jp 購入価格2,282円

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Glenn Donaldson、Loren Chasse、Steven R. Smithなど5人が集まって結成された実験即興音楽集団Thuja。今は活動していませんが、一時期もの凄く嵌まっていました。2002年にLast Visible DogよりCDRでリリースしていた音源のリイシュー盤です。

 

 

Astatine / Global Exposure(CDR) 購入先Sound In Silence 購入価格€14.00(1,766円)     

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90年代から後半から活動しているフランス、パリのインディーズ・ロックバンドAcetate Zeroの中心メンバーStéphane Recrosioのソロ・プロジェクトAstatine。Acetate Zeroは開店休業中ですが、Astatineは2011年より多くのアルバムをリリースしています。今年も2枚リリースされています。その1枚がGlobal Exposureです。ギリシャのレーベルSound In Silenceからで、ノイズ・コラージュされたギター・サウンドからさり気なくヴォーカルを取り入れたローファイなインディー・ロックまでを織り交ぜた内容です。Sound In Silence色の出ているアルバムで面白いです。自身のレーベルからリリースされた今年のもう1枚もオーダーしていますが、こちらは来年になりそうです。



Wilco / Ode To Joy(CD) 購入先WOW HD 購入価格1,352円

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3年振りの新作。この間に各メンバー様々な活動を行って、新たな気持ちでこのアルバムに取り組んだのでしょう。まだ、じっくりと聴けていないけど、よりシンプルに研ぎ澄まされた曲が多い感じがする。2002年の「Yankee Hotel Foxtrot」以来の傑作かな。