ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

2020年5月のディスカホリック

フジロックについて日経新聞が中止の誤報を掲載するなど、様々な情報が錯綜していますが、スマッシュからの公式発表はまだ何も出ていません。フジロックを愛するファンとしては、じっと待つしかないのです。結果がどうであれ、受け入れるしかない。ネットの書き込みを見るとお前ら本当にフジロックを愛するファンなの?と思ってしまう。フジロックに限らず、早く通常にライブが出来る状況になって欲しい!

 

今月のディスカホリックは9タイトルの購入でした。海外からの荷物も遅れながらも届くようになりちょっと一安心です。

  

Wire / Mind Hive(CD) 購入先Amazon.co.jp(ZOverstocksJPN) 購入価格1,886円

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2020年1月リリースの新作。時代としっかりリンクしつつ、フレッシュさも兼ね備えたこんなベテラン・バンドって他にあるのだろうか? しかも、Wireらしさは少しも失われずに新たな側面を表した素晴らしい1枚です。

 

UUUU / UUUU(12Vinyl) 購入先Amazon.co.jp 購入価格2,459円

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Graham Lewis、Matthew Simms、2人のWireのメンバーSpiritualizedのアルバムにも参加していたTim Lewis、TomagaのドラマーValentina MagalettiによるプロジェクトUUUUの2018年リリースの12インチ・シングル。

 

Slows / Enormous Pause(Cassette) 購入先Store15Nov 購入価格2,100円

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WireのMatthew SimmsのSlows名義による2018年リリースのカセットアルバム。オルガンとシンセでアンビエントアンビエント・ドローンの世界を構築。 

 

Wireの新作「Mind Hive」、UUUU、Slowsについて書いています。


 

Charlemagne Palestine / STTT THOMASSS‘’’’’’‘’’ DINGGGDONGGGDINGGGzzzzzzz ferrrr TONYYY’’’’’’’’(Cassette) 購入先Store15Nov 購入価格2,346円

ミニマル作曲家Charlemagne Palestineによる2016年に亡くなったTony Conradのトリビュート公演のライブ音源。

 

 

Adam Franklin / Drones & Clones(Vinyl) 購入先Amazon.co.jp 購入価格2,307円

 

イギリスのシューゲイザーバンドSwervedriverのヴォーカルでギタリストでもあるAdam Franklin。彼の2013年ダウンロード・オンリーでリリースされたソロ・アルバム「Drones & Clones」がヴァイナル・リイシュー。 

 

前回の記事で書いています。


 

Bardo Pond / Adrop、Circuit Viii(Vinyl) 購入先Amazon.co.jp(Rarewaves-jp) 購入価格3,264円

2006年リリースのAdrop、2008年リリースのCircuit Viiiの2枚のアルバムをセットにしてのヴァイナル・リイシュー。

 

 

Seefeel / Peel Session (12Vinyl)  購入先Amazon.co.jp(Rarewaves-jp) 購入価格3,205円

 

Warp Records30周年記念「WXAXRXP SESSIONS」シリーズとして2019年にリリースされた12作品の1枚。1994年にBBCの伝説的DJ、ジョン・ピールの番組『Peel sessions』で放送された音源。Seefeelは現在も活動しているので、早く新作が聴きたいですね。

 

 

Neil Campbell / sound for empty centre(CDR) 購入先Neil Campbell Bandcamp 購入価格£7.15(989円)

 

次から次へとアルバムをリリースしているNeil Cambellの新作。 1曲45分の曲に徐々に引き込まれてきます。

 

Sticky Foster and Neil Campbell / Split Cane Enabled、Theme From Resonant Ache(Cassette)  購入先Neil Campbell Bandcamp 購入価格£6.15(850円)

       

これまでに何作かリリースしているSticky FosterとNeil Campbellのコラボレーションによる新作。2人のヴォイスにSticky Fosterのリード、Neil Campbellのギター、ピアノ、エレクトロニクスが絡む不思議な世界。

 

Neil Campbellについては、今年3月に記事を書いたばかりです。この後に新作をリリースするとは、もの凄い制作意欲です。


 

 

Adam Franklin(Swervedriver)の2013年ダウンロード・オンリーのカラオケ・アルバム?がヴァイナル・リイシュー!

イギリスのシューゲイザーバンドSwervedriverのヴォーカルでギタリストでもあるAdam Franklin。彼の2013年ダウンロード・オンリーでリリースされたソロ・アルバム「Drones & Clones」がヴァイナル・リイシューされました。

 

Adam Franklin / Drones & Clones

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このアルバムは2007年から2010年に制作されたAdam Franklinの3枚のソロ・アルバムの中から9曲を選曲し、追加でインストによる新曲を収録した全10曲入り。それなら単なるベスト盤?いや違いますよ。元々Adam Franklinのヴォーカルの入った曲から、そのヴォーカルを取り除いた演奏だけを収録。簡単に言うとカラオケですね。カラオケとなってもその完成度がもの凄く高いアルバムになっています。メローに響き渡るギターを中心にアンビエントエレクトロニカの要素を散りばめたサウンド。そこにシューゲイザーブレンドしたドリーミーなインスト集です。アルバム裏ジャケットには、10 Songs、No Wordsとサブ・タイトルが大きく書かれています。インスト曲に後からヴォーカルを入れるのは有るかと思うけど、その逆というのはあまりきいたことが有りません。まさに前代未聞のカラオケ・アルバムです。ポストロックファンにもお勧めの1枚!

 

ヴォーカル入りのオリジナル音源もアップしておきます。是非聴き比べてくさい。

1曲目「Two Dollar Dress」は、2009年リリースの「Spent Bullets」より

2曲目「Lord Help Me Jesus, I've Wasted A Soul」は、2010年リリースの「I Could Sleep For A Thousand Years」より

4曲目「Walking In Heaven's Foothills」は、2007年リリースの「Bolts Of Melody」より

ヴォーカルの有る無しで雰囲気が違って聞えますが、演奏自体は一緒です。オリジナル曲がしっかりと制作されているので、ヴォーカルなしのカラオケ・ヴァージョンでもアルバムに出来ると思ったかもしれませんね。Adam Franklinの飄々としたヴォーカルも魅力的であるが、個人的には「Drones & Clones」の方に無限の可能性を感じてしまった。

 

Swervedriverについては、90年代初期のCreation Recordsデビュー時よりフォローしていた。99年に活動休止になって2008年に再結成してライブ活動再開するも、2015年に新作リリースされるまで時間が掛かっていた。この間、新作に対する期待は高まっていたものの、メンバーのソロ活動までフォローしきれていなかったのです。今回、Adam Franklinの素晴らしさを確認させてくれたリリース元Glass Modern Recordsに感謝です。昨年のSwervedriverの来日公演には行くことが出来なかったが、2015年の来日は行っている。その時にAdam Franklinとホンの一言二言、話をしたことを思い出してしまった。


 

 

「ロックでなければなんでもいい」と言い放ってから43年!今が一番ロックしているWireの新作「Mind Hive」

英国ポストパンクの先駆者Wire。彼らの初期のキャッチフレーズは「ロックでなければなんでもいい」だった。あれから43年経った今も勢力的に活動し続けています。現在はColin Newman(ヴォーカル、ギター)、Graham Lewis(ベース、ヴォーカル)、Robert Gotobed(ドラムス)のオリジナル・メンバー3人に加えて、2010年よりMatthew Simms(ギター、シンセサイザー)が参加しています。このブログでも取り上げているかと思いきや、個別記事では書いていませんでした(汗)  2020年1月に新作がリリースされたので紹介します。

 

Wire / Mind Hive

2017年リリース「Silver / Lead」以来の新作。これまでのように歌詞をGraham Lewis、曲をColin Newmanが中心となり、サウンド構築は4人全員で行っている。プロデュースとミックスはColin Newman、エンジニアはMatthew Simmsが担当。全9曲でオープニング・ナンバー「Be Like Them」のヘヴィなギター・ワークの曲で始まり、ラスト「Humming」のバラード的な曲で締めくくり、Graham Lewisも1曲歌っています。

 

シンセサイザー過半数の曲で取り入れ、曲によってはアコースティック・ギター、オルガン、スタイロフォン、ハーディ・ガーディなども駆使している。ポストパンクに留まらすにミニマル、ドローンといった雰囲気をも魅せながら軽快でポップな曲からエクスペリメンタルで不穏な曲まで収録。どの曲も刺激的で格好いい。これまでになく、様々な要素を取り入れ、緩急を付けてドラマチックに攻め込んできます。常に進化し続け、時代にしっかりとリンクしてくる辺りは流石です。フレッシュさも兼ね備えたこんなベテラン・バンドって他にあるのだろうか? しかも、Wireらしさは少しも失われずに新たな側面を表した素晴らしい1枚です。

 

尚、2020年後半には、キャリアを網羅したドキュメンタリー映画『People In A Film』の公開が予定されている。もちろん2004年に脱退したBruce Gilbertのインタビューとかも有るようです。これは是非観たいですね。

 

音源の方は、この1曲に絞りきれないので、Youtubeで4曲アップします。

オープニング・ナンバー「Be Like Them」 

 

アルバム先行シングル「Cactused」

 

Graham Lewisのヴォーカル曲でハーディ・ガーディを駆使した「Oklahoma」

 

ラスト曲「Humming」

 

今回、Wireの新作以外に各メンバーのプロジェクトやソロ活動のアルバムも購入したので併せてアップします。

UUUU

Graham Lewis、Matthew SimmsのWireのメンバーとSpiritualizedのアルバムにも参加していたTim Lewis、TomagaのドラマーValentina MagalettiによるプロジェクトUUUUの2018年リリースの12インチ・シングル。アヴァンギャルドでエクスペリメンタルに鳴り響くニューウェイヴの世界といった感じで面白い!

Graham LewisとMatthew SimmsはUUUU以外にも新たなるプロジェクトFittedを結成して、2019年にアルバムをリリースしている。Fittedについては、この記事を書いている時に知りました。この2人、本当に勢力的に活動しています。

 

Slows / Enormous Pause

Matthew SimmsのSlows名義による2018年リリースのカセットアルバム。オルガンとシンセでアンビエント・ドローンの世界を構築。単なるギタリストじゃないですね。最近だとBill Fayのアルバムにも参加しているようです。 

 

Wireの新作「Mind Hive」について、新たな側面を表したと上記で書いているが、やはりGraham LewisとMatthew Simmsの存在が大きい。彼らがプロジェクトやソロ活動で得たものが、今回の新作に少なからず反映されている感じがする。フロントマンとしてColin Newmanがバンドのプロデュースが行えているのも、各メンバーとの信頼関係が良好だからこそだと思う。今が一番ロックしているWireを是非聴いて欲しい!

 

 

 

愛娘が全面参加した夫婦デュオBig Bloodの新作「Do You Wanna Have a Skeleton Dream」

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アメリカ・メイン州のCaleb MulkerinとColleen Kinsellaによる夫婦デュオBig Blood。サイケデリック、フリーク・フォーク、エクスペリメンタル、アヴァンギャルドをごちゃ混ぜにしたサウンドを奏でるバンドです。彼らの新作がFeeding Tube RecordsよりVinylオンリーでリリースされました。

 

Big Blood / Do You Wanna Have a Skeleton Dream

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これまでは、サポートメンバーやゲストを入れてアルバム制作をしていましたが、本作は2人の愛娘Quinnisa Kinsella Mulkerinが参加して3人で作られています。彼女は2007年生まれで今年13歳になります。過去のアルバムに少しだけ参加することは何回かありましたが、全面参加は今回が初めてです。

 

Quinnisa Kinsella Mulkerinの幼少時のヴォイスSE(ほんの数秒ですが)の2曲を含めた全11曲の中で、彼女はリード・ヴォーカル、ドラムス、ギター、トロンボーンとマルチに大活躍しています。もちろんColleen Kinsellaのヴォーカル曲も健在です。娘のキュートなバッキング・ヴォーカルが絡んで、ソウルフルな雰囲気までをも醸し出しています。娘と母親のヴォーカル・アンサンブルを中心に、エキセントリックな要素を控えめにし、さらに音数を少なめにしている。サウンド・メイキングを行っているCaleb Mulkerinは歌物をじっくりと聴かせたかったのでしょう。ラスト曲にシューベルトの歌曲「アヴェ・マリア」を持ってくる辺りはBig Bloodらしさも伺えます。

 

父Caleb Mulkerin、母Colleen Kinsella、娘Quinnisa Kinsella Mulkerinの家族愛を感じるアルバムでもあります。QuinnisaがこのままBig Bloodとして活動するか分りませんが、彼女が参加したことでBig Bloodの新たな側面を魅せてくれたのも確かです。ただ、「Insecure Kids」という曲もありますので、そう簡単に親の思い通りにならないことを表している気もします(笑)  彼女が今後どのように成長していくかも楽しみです。いずれにせよ、Big Bloodの動向には注目しなければなりませんね。

 

 

2017年にもBig Bloodについて、バンド経歴も含めて色々と書いています。

 

 

 

2020年4月のディスカホリック

新型コロナウィルスの影響によりテレワークや休業でStay Home が多くなっていると思います。しかし、私はいつも通り何も変らず、24時間濃厚接触しながら仕事している状況です(笑) たまの休みは、のんびりと音楽を聴いている。立ち止まることで様々なことが見えてくることもあります。皆さん、焦らすに気をつけて生活しましょうね。

 

今月のディスカホリックは6タイトルと少なめの購入実績です。先月ぐらいから、海外の注文が届かずに、国内に切り替えたのも多い。早く落ち着いて欲しいです。

 

 

Big Blood / Do You Wanna Have a Skeleton Dream(Vinyl) 購入先Feeding Tube Records 購入価格$46.50(5,353円)

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Colleen KinsellaとCaleb Mulkerinを中心としたBig Bloodの新作。これまではサポートメンバーやゲストを入れてアルバムを作って来ましたが、2人の娘が参加して3人で作られています。エキセントリックな要素は控えめですが、じっくりと聴くことが出来ます。

 

 

Sean McCann / Puck(Vinyl) 購入先Amazon.co.jp 購入価格2,615円

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今のアメリカを代表するアンビエント、ドローン作曲家と言えば、もうこの人しかないいでしょう。2019年に自身のレーベルRecitalからリリースされた本作は、これまで以上に様々な要素を取り入れています。アルバムジャケットもユニークで良いですね。

 

 

Drøne / The Stilling(Vinyl) 購入先Amazon.co.jp 購入価格2,822円

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イギリスのレーベルTouchの創設者Mike HardingとLocustとしても活躍しているエレクトロニックス・プレーヤーMark Van HoenによるDrøneの新作。多彩なゲストが参加して作り上げたエクスペリメンタル・ドローンの世界。

 

 

Tame Impala / The Slow Rush(CD) 購入先Amazon.co.jp 購入価格1,790円

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Tame Impalaの5年振りの新作。前作を踏襲しつつ、よりエレクトロニックでドリーム・ホップ化しています。このサウンドをバンド編成で行うライブ、映像が絡むことで宇宙の彼方へ導いてくれそうです。このままだと8月は厳しいでしょうね。


 

Psychic Sounds Ensemble / Sonic Fermentations(Vinyl) 購入先Store15Nov 購入価格4,520円

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レーベルPsychic Sounds周辺のミュージシャン達にLAFMS(Los Angeles Free Music Society )系の面々も集結したPsychic Sounds Ensembleの2019年後半にリリースされた1stアルバム。ジャス?サイケ?ノイズ?様々な要素が交差する得体の知れない不穏なサウンド

 


Windy & Carl / Allegiance And Conviction(Vinyl) 購入先Amazon.co.jp 購入価格2,380円

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レコード店を営みながら90年代より活動する夫婦デュオWindy & Carlの8年振りとなる新作。Carlのドローン・アンビエントに鳴り響くギターサウンドに絡むWindyのウィスパーヴォイスの世界。 

 

 

 

Giuseppi Logan、R.I.P (May 22, 1935 – April 17, 2020)

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60年代に2枚のアルバムをリリースして、突如音楽シーンから姿を消した。その後、死亡説、失踪説、発狂説などが流れていたという。そして、2000年代後半にホームレスとしか思えないよれよれの爺さんになったGiuseppi Loganが、公園のベンチでサックスを吹いているのを発見されたのである。その後、2010年に新作をリリースして復活するという経歴のジャズ・ミュージシャンです。死因は新型コロナウィルスとのこと。

 

1965年のファースト・アルバムです。

 

2010年の復活した時のアルバムです。

 

 

7年前にGiuseppi Loganを知る切っ掛けなど、色々とこのブログで書いていました。そろそろ新作が聴きたかったです。


2000年代後半にホームレスとしか思えないよれよれの爺さんになったGiuseppi Loganが、公園のベンチでサックスを吹いていた様子です。必死に自己PRしてます。

 


 

Sunburned Hand Of Man「Headless」、これまでのトリッキーでカオスな部分を控えめにしているけど、彼らの名盤の1枚です

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ボストンを拠点にして90年代中頃より、John Moloneyを中心に様々なメンバーが流動的に集まってライブ活動を行なっているSunburned Hand Of The Manの新作がリリースされました。新作といっても2017年に録音された音源で、20本限定のカセット「Intentions」としてリリースしていたアルバムのVinylリイシューです。

 

今回はタイトルを「Headless」に変更してCardinal Fuzzと自身のレーベルManhandとの共同リリースです。ただ、2020年2月に限定300枚のVinylでリリースされましたが、すでにBandcampでは販売終了になっています。彼らにすれば毎度の展開ですが、フィジカル・メディアに拘る身としては厳しいですね。まあ、購入出来たので良しとしましょう。

 

Sunburned Hand Of The Man / Headless

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本作はバンド結成時からのメンバーJohn Moloney、Robert Thomasに加えてGregary War、Jeremy Pisani、Ron Schneidermanの5人が参加。レコーディングとミキシングにNo Neck Blues BandのJason Meagherを起用していることも興味深い。

 

これまでのトリッキーでカオスな部分を控えめにして、ギターをメインにアシッドサイケ・フォーク、クラウトロックの要素を取り入れた展開を打ち出している。冒頭の1曲目「Prism Mirror Lens」がミニマルチックでメローに鳴り響く。アルバムの中では3分台の短めの曲でありますが、まさに本作を象徴とするこの曲に心地よく引き込まれて行きます。その他、自由奔放に各メンバーが音を出してるジャムセッション的な曲では、即興ではなく、アンサンブルに沿って曲が作られている為、安心して身を委ねことの出来る曲ばかりです。彼らのアルバムの中でも、聴きやすくすんなりと心に染みいってきます。アルバムのリリース量が多いSunburned Hand Of Manですが、この「Headless」も彼らの名盤の1枚だと思う。

 

全曲インストかと思いきや、ラスト9曲目「Framework」にヴォーカルが入っています。Robert ThomasとGregary Warの2人だけで録音して追加で収録されたようです。Sunburned Hand Of The Man流のユニークなヴォーカル曲です。アルバム全体の流れからすると逸脱した感じですが、完成度の高いアルバムをそのままリリースするのではなく、少しお遊びがしたかったのかな?と思ってしまった。彼ららしいですね。

 

 

 

 

Bandcampでは、もう「Headless」に続く新作「Covered In Mud」がデジタルで公開されています。まだ、よく聴いていませんが、ヴォーカルを駆使したアルバムです。いずれThree LobedからのVinylリリースも予定されています。こちらも楽しみです。毎度のように少量生産だと思うので買いそびれることのないようにしたいですね。

 

 

Sunburned Hand Of The Manについては、昨年こんな記事も書いています。