ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

The Steve Hillage Band and Gong 来日決定!

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予てから待ち望んでいたThe Steve Hillage Band and Gongの来日が決定しました!The Steve Hillage Bandと言ってもバックのメンバーはGongですから、勝手にGong Familyと名乗っているだけにもの凄く嬉しいです。が、しかし、日程が8月22日(土)、8月23日(日)なのですよ。フジロックと諸に被っています。嗚呼~

 

8月23日(日)、フジロックを早めに切り上げて川崎へ行くのもキツいし、最終日グリーンのトリが電気グルーヴというのも興味深い。スマッシュが8月21日(金)に声を掛けていれば良いのですが、Steve Hillageのライブ3連投は可能なのか?とも思う。Hillageは、これまでGong、System7、Rovo&System7としてフジロックに出演しているので、フジの素晴らしさも誰よりも一番理解していると思う。もし、フジに来るのなら、フィールド・オブ・ヘブンのトリしかない。21時ぐらいから始まって後は好きにやってくれ!となるのでしょうね。ただ、今回グリーンのトリがTame Impalaなので、自分の妄想だけであれこれ悩んでいます(笑)

 

その前に、8月のライブ・イベントが開催出来るのか?そっちの方が心配です。

 


 

PS

6月12日に公演中止となりました。

 

 

ニュージーランドのThe Garbage&The Flowersの派生バンドEntlangのコンピレーション盤

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92年にシングル・デビューして97年にリリースしたファースト・アルバム「Eyes Rind As If Beggars」が今なおカルト的な人気を博すニュージーランドのインディーズ・バンドThe Garbage&The Flowers。当時、中心メンバーのHelen JohnstoneとYuri Frusinの2人は、他のメンバーを変えてThe Garbage&The Flowers以外にも、幾つかの派生バンドを結成して音楽活動を行っていました。

 

Entlang / The Four Sisters

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その派生バンドのひとつである4人組Entlangのコンピレーション盤「The Four Sisters」が、昨年10月にRose Hobartより Vinylリリースされました。元々95年に7インチシングル、96年に10インチEP、Jewelled AntlerのVarious盤の1曲ぐらいしか音源発表していなかったEntlang。オリジナル盤は自主制作で、マーケットにはあまり流通されてなかった希少盤です。その中から4曲が「The Four Sisters」に収録されています。

 

フォーキーな曲から、ノイジーに炸裂するギター・サウンドビオラが絡む曲など、白昼夢のごとくサイケデリックに鳴り響く。Helen JohnstoneとYuri Frusinのヴォーカルも脱力感一杯に囁くように歌い上げています。彼らがリスペクトしているThe Velvet Underground、あるいはGalaxie 500を想起させる世界を構築。The Garbage&The Flowersの派生バンドの域を超えた素晴らしい内容です。この埋もれていたEntlangを世に引っ張り出して来たレーベルRose Hobartも凄い!

 

リリース元のRose Hobartは、エレクトロニックな音楽をリリースしてきたレーベルBlackest Ever BlackのオーナーKiran SandeとJon Daleが立ち上げた新たなレーベルです。その第1弾がEntlang「The Four Sisters」になります。当初Rose Hobart Bandcampで音源は公開になっていましたが、現在は公開になっていません。その代りにThe Garbage&The FlowersのYouTubeチャンネルで公開になっています。


Entlangの活動は、90年代中頃で終了しています。本体のThe Garbage&The Flowersもファースト・アルバム「Eyes Rind As If Beggars」リリース後は、活動休止状態でありました。2007年に活動を再開しますが、実際に注目を浴びるようになったのは「Eyes Rind As If Beggars」がリイシューされた2013年以降になります。その後、2016年には90年代未発表音源集「The Deep Niche」のリリースを経て、今回のEntlangへと繫がっています。先月のディスカホリックで書いていますが、The Garbage&The Flowersの入手困難と思われていた2016年のカセット音源も購入しています。そろそろ新作が聞きたいところですね。


The Garbage&The Flowersについて、2013年にこんな記事も書いてました。


 

P.S.                                   Entlangのメンバー写真がない為、この記事の冒頭写真はThe Garbage&The Flowers Facebookのプロフィール写真です。因みに、Facebookのカバー写真はEntlang「The Four Sisters」が使われています。 

 

 

 

2020年3月のディスカホリック

新型コロナウィルスの影響で世界中が大変な事になっています。音楽方面でも来日アーティストの公演が中止、延期となっている状況で、8月のフジロックも無事に行われるのか?ちょっと心配になってきました。これについては祈るしかないのが現状ですけどね。

 

さて、2020年3月のディスカホリックは13タイトルの購入実績となりました。CDでの購入が無いですね。海外からの購入が多いですが、送り主からのメッセージ・カード付きが多くなっている感じです。こんな状況でオーダーしてくれて有難うと言った感じで、他のバンドのDLカードも入れているところもあります。嬉しいです。海外への物流が停止しているところもあるなかで、皆それそれに頑張っていることが伝わってきます。

 

 

Sunburned Hand of the Man / Headless(Vinyl) 購入先Sunburned Hand of the Man Bandcamp 購入価格$47.00(5,396円)

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2020年の新作。これまでのトリッキーな部分を控えめにしてアンサンブル中心に纏め上げています。新たな展開を打ち出してメローに鳴り響くSunburned Hand of the Manの世界。素晴らしい1枚です。

 

 

Courtis、Moore / 2283(Cassette) 購入先Gertrude Tapes Bandcamp 購入価格$19.00(2,181円)

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アルゼンチンのカルトバンドReynolsのAnla CourtisとイギリスのエクスペリメンタルバンドVolcano The BearのAaron Mooreのコラボレーションによる2019年リリースの7作目。Courtisのギター、Mooreのパーカッションに拘らずに様々な楽器を駆使して不思議な世界を構築しています。

 

 

Tapan / Ghana(Vinyl) 購入先Amazon.co.jp(nagiry-jp) 購入価格2,223円

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セルビアベオグラードのエレクトロ、サイケ、ダブをミックスしたサウンドを奏でる2人組。2015年にデビューしてこれまでに12インチを多数リリースしています。本作は2019年リリースでエキソチックにグルーヴ感を体感出来ます。

  

Tapan Meets Generation Taragalte / Atlas(Vinyl)   購入先Amazon.co.jp(RAEWES-JP) 購入価格1,992円

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そのTapanとモロッコのサイケ・バンドGeneration Taragalteの2019リリースのコラボレーション・アルバム。Tapanの奏でるジャス要素を組み入れたエレクトロニックスなサウンドにGeneration Taragalteによるサイケデリックなギターとトライバルなパーカッション、そしてヴォーカルが宙を舞う世界。格好いいです。

 

 

Lali Puna / Being Water Ep(Vinyl) 購入先Amazon.co.jp(RAREWAVES-JP) 購入価格2,865円

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ジャーマン・エレクトロ・ポップLali Punaの2019年リリースの12インチEP盤。Valerie Trebeljahrのヴォーカルがキュートに鳴り響きます。


 

Dirty Projectors / Sing The Melody(Vinyl) 購入先Domino Mart 購入価格$32.95(3,778円)

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2019年末にリリースされた2018年11月のスタジオ・ライブ盤。フジロック2018年の記憶が蘇ります。今年新作が予定されている彼らです。このメンバーなら問題なく期待できますね。

 

 

ニュージーランドのThe Garbage And The Flowersの2016年リリースのカセット音源2タイトルが、今頃になって購入出来るとは思ってもいませんでした。

The Garbage And The Flowers / Kansas、Henry, Where Is Lyon?(Cassette) 購入先Discogs(Black Wire Records) 購入価格$12.00 AUD(930円)

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2008年にシドニーで録音されていた2曲入りカセットシングル。 元々2008年のカセット・アルバム「Stoned Rehearsal / Live In NZ」に収録されていたようです。2曲ともチープでローファイな感じが良いですね。

 

The Garbage & The Flowers / You Ain't Going Nowhere、Live In Newtown(Cassete) 購入先Discogs(Black Wire Records) 購入価格$12.00 AUD(930円)

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A面がYou Ain't Going Nowhere(Bob Dylan)、Cool Water(Bob Nolan)のカヴァー2曲、B面が2016年のYou Ain't Going Nowhereを含むライブ音源3曲を収録しています。The Garbage & The Flowersらしさが伝わってきます。

 

 

以下の5タイトルは、Neil Campbell絡みで前回、記事を書いています。

Neil Campbell / Cloud Drag 1979(CDR) 購入先Neil Campbell Bandcamp 購入価格£7.25(1,097円)

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Neil Campbell Bandcampオンリーのセルフ・リリースによる2019年アルバム。

  

Neil Campbell / Mirror Mania Ersatz Chamber(CDR) 購入先Neil Campbell Bandcamp 購入価格£7.25(1,097円)

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同じく、Neil Campbell Bandcampオンリーのセルフ・リリースによる2019年アルバム。

 

Neil Campbell / Displacement Activity Terminal 2019(CDR) 購入先Art Into Life 購入価格1,687円

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レーベルChocolate Monkよりリリースされた2020年の新作

  

Vibracathedral Orchestra / Squeeze The Lids Through Coming Window(Vinyl) 購入先Oaken Palace Records Bandcamp 購入価格£23.10(3,494円)

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Neil Campbellがメンバーとして参加しているVibracathedral Orchestraの2019年の新作。

 

Astral Social Club / Abstract Double Concrete(Cassette) 購入先Concretetapes Bandcamp 購入価格£14.50(2,136円)

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Neil Campbell のエレクトロ・ユニット Astral Social Clubの2020年新作。

 

  

 

Neil Campbellあれこれ

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Neil Campbellは1966年生まれのイギリス人で、80年代から一貫してアンダーグランド中心にエクスペリメンタル、ノイズ、エレクトロ、ドローンといった音楽を実践してきたミュージシャンです。コラボレーションも含めて、多くの作品をCDRやカセットなどでセルフ・リリースやインディーズ・レーベルを使って送り出してきました。その全てをフォローするのは不可能なぐらいアルバムをリリースしています。加えて、90年代後半からはVibracathedral Orchestraのメンバーとして、2000年代中頃には自身のプロジェクトAstral Social Clubとしても活動しています。尚、Astral Social Clubは日本のインディーズ・レーベルからもアルバムがリリースされています。

 

最近になって、ツイッターからNeil CampbellのBandcampを見つける。そこで、昨年リリースされていた「Cloud Drag 1979」に嵌まってしまったのです。これが切っ掛けで、検索していくと、この一年位で様々なアルバムがリリースされていた。リリース量が多いことは知っていたが、細かくはフォローしきれていなかったです。フィジカル物は数量限定ですぐに完売するので、取り敢えず5タイトルも購入してしまった。そのほか、コラボレーションなどもありますが、そこまで手が回らなかったです。まずは今回購入した5タイトルを紹介したいと思います。どのアルバムを良いですよ!

 

 

Neil Campbell / Cloud Drag 1979

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Neil Campbell Bandcampで購入した2019年9月リリースのCDR。2019年夏の終わりに録音されたシンセサイザー、パーカッション、おもちゃのギター、ラジオ音源を使って作られたアルバムです。出口の見えない瞑想の世界をただグルグルと引きずり回される感覚で、まさにドラックミュージックです。思わず嵌まってしまった。

 

 

Neil Campbell / Mirror Mania Ersatz Chamber

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Neil Campbell Bandcampで購入した2019年5月リリースのCDR。2018年から2019年に家で録音されストリングス、エレクトロニックス、パーカッション、ピアノ、ヴォイスを使って作られたアルバムです。本作も「Cloud Drag 1979」と同様に出口の見えない瞑想の世界を垂れ流しています。こんなのばかり聞かされると脱力感に悩まされます(笑)

 

 

Neil Campbell / Displacement Activity Terminal 2019

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2020年1月にChocolate Monkよりリリースされた限定60枚の新作CDR。タイミング良く購入出来ました。上記2枚と比べるとCDRとしてのスリーブはしっかりと作られています。コンピューター、ギター、パーカッションを使って浮遊感たっぷりのミニマル・ミュージックを展開しています。

 

 

Astral Social Club / Abstract Double Concrete

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Astral Social Clubは、Neil Campbellのプロジェクトでエレクトロニクスを中心にダンス・ミュージックやインダストリアル的な要素も取り入れたサウンドを展開しています。本作はThe Mighty Concrète Tapesより2020年2月にリリースされた新作カセット。Astral Social Clubのこれまでの路線を維持しつつ、より官能的に高揚感溢れるサイケデリック・ミュージックを醸し出しています。素晴らしいです。 

 

 

Vibracathedral Orchestra / Squeeze The Lids Through Coming Window

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Vibracathedral Orchestraは、John Godbert、Michael Flower、Adam Davenport、Bridget Hayden、そしてNeil Campbellの5人の強者が参加したエクスペリメンタル・ドローン・アンサンブルバンド。即興ベースのジャムセッションから生まれるサイケなドローン・サウンドに、ノイズやミニマルが絡んで私達を桃源郷の世界へと導いてくれます。2019年9月にVinylでリリースされた本作は、よりソリッドでラディカルに鳴り響いています。素晴らしいです。

 

 Vibracathedral Orchestraについては、過去にこんな記事も書いています。


 

 

フジロック、出演者第1弾発表!!

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フジロック、出演者第1弾発表です。早割落選したので、先ほど1次先行販売でチケット購入しました。宿泊する温泉宿も押さえたので、あとは無事に開催してくれることを願うばかりです。

 

今年のヘッドライナーが、The Strokes、Tame Impalaのロック勢なので、もの凄くワクワクしています。グリーン・ステージでヘッドライナーを観るのは5年振りぐらいですからね。



そのほか、今回の第1弾発表の中で個人的に注目しているのがAltin Günです。トルコ系の男女ふたりをフロントに据え、バックをオランダ人で支える彼らのターキッシュ・サイケ・フォークは必見ですよ!


 

 

Genesis Breyer P-Orridge、R.I.P(February22.1950 - March14. 2020) 

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Throbbing GristlePsychic TVの創設者であるGenesis Breyer P​-​Orridgeが70歳で永眠。インダストリアル、ノイズのアイコン的な存在で、多くのミュージシャンやリスナーに影響を与えました。彼は2人目の妻Lady Jayeと生活することで徐々にトランスジェンダーになっていくのです。まさに型破りな人生を歩んできたアーティストでありました。死因は白血病とのことです。

 

Cosey Fanni Tuttiの2017年に刊行された自伝「Art Sex Music」でGenesis Breyer P​-​Orridgeについて良くも悪くも様々書かれていました。それに対する彼の反論も聞いてみたかったのですが・・


Throbbing Gristleの個人的に1番リアルに鳴り響いてくれた2007年の再結成アルバム「Part Two - The Endless Not」。そのアルバムのオープニングナンバーです。

 

Psychic TVの2016年のスタジオ・アルバムです。

 

今回の訃報をThe New York Times、Pitchforkが記事にしています。


 

 

ファニーで白昼夢的な微睡みからすっとぼけた味わいまで網羅したSpecial Occasionの世界!

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ローファイでエレクトロニックなサウンドを奏でるイギリスのGuy Gormleyと詳細不明のアーティストDavid Grayによるコラボレーション・ユニットSpecial Occasion。これまでに7インチ1枚、12インチEP盤2枚、アルバム1枚をリリースしています、今回、彼らの2017年のアルバム「The Word」を紹介します。

 

Special Occasion / The Word

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Guy GormleyがオーナーでもあるレーベルJolly Discsよりカセット音源としてリリースされた本作は、Special Occasionの音楽に惚れ込んだレコードショップでもあるLow Companyから2018年にVinylとしてリイシューされました。カセットはすでに完売していた為、私はVinylの方を購入しています。このLow Company、Special Occasion以外にも面白そうな音源が有りそうです。今後注目のレーベルですね。

 

ジャジーな雰囲気を醸し出しながらインディー・ポップ、ミニマル、アンビエントを散りばめています。ファニーで白昼夢的な微睡みからすっとぼけた味わいまで網羅し、ヴォーカル曲も取り込んだ多彩な曲を纏め上げた全8曲。"Written by David Gray and Guy Gormley. Mixed and arranged by Guy Gormley. Lyrics by Jon Auman. Artwork by Virginia Parsons."とクレジットがあるだけで、殆ど情報が有りませんが、 ジャケット・アートワークも含めて素晴らしいアルバムです。

 

2019年には12インチEP盤もリリースされました。こちらも良いですよ!

 

Guy Gormleyのソロ時はEnchante名義で活動しています。その他のプロジェクトも含めてJolly DiscsのBandcampでアップされています。

Music | Jolly Discs



今後注目のレーベルと書いたのでLow CompanyのHPもアップします。Special Occasion「The Word」のレコード番号がLOW2となっているので、レーベル・リリースとしての2作目なんでしょうね。写真はレコードショップの様子です。

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