ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

ニュージーランドのThe Garbage&The Flowersの派生バンドEntlangのコンピレーション盤

f:id:hiroshi-gong:20200404182843j:plain

92年にシングル・デビューして97年にリリースしたファースト・アルバム「Eyes Rind As If Beggars」が今なおカルト的な人気を博すニュージーランドのインディーズ・バンドThe Garbage&The Flowers。当時、中心メンバーのHelen JohnstoneとYuri Frusinの2人は、他のメンバーを変えてThe Garbage&The Flowers以外にも、幾つかの派生バンドを結成して音楽活動を行っていました。

 

Entlang / The Four Sisters

f:id:hiroshi-gong:20200120123156j:plain

その派生バンドのひとつである4人組Entlangのコンピレーション盤「The Four Sisters」が、昨年10月にRose Hobartより Vinylリリースされました。元々95年に7インチシングル、96年に10インチEP、Jewelled AntlerのVarious盤の1曲ぐらいしか音源発表していなかったEntlang。オリジナル盤は自主制作で、マーケットにはあまり流通されてなかった希少盤です。その中から4曲が「The Four Sisters」に収録されています。

 

フォーキーな曲から、ノイジーに炸裂するギター・サウンドビオラが絡む曲など、白昼夢のごとくサイケデリックに鳴り響く。Helen JohnstoneとYuri Frusinのヴォーカルも脱力感一杯に囁くように歌い上げています。彼らがリスペクトしているThe Velvet Underground、あるいはGalaxie 500を想起させる世界を構築。The Garbage&The Flowersの派生バンドの域を超えた素晴らしい内容です。この埋もれていたEntlangを世に引っ張り出して来たレーベルRose Hobartも凄い!

 

リリース元のRose Hobartは、エレクトロニックな音楽をリリースしてきたレーベルBlackest Ever BlackのオーナーKiran SandeとJon Daleが立ち上げた新たなレーベルです。その第1弾がEntlang「The Four Sisters」になります。当初Rose Hobart Bandcampで音源は公開になっていましたが、現在は公開になっていません。その代りにThe Garbage&The FlowersのYouTubeチャンネルで公開になっています。


Entlangの活動は、90年代中頃で終了しています。本体のThe Garbage&The Flowersもファースト・アルバム「Eyes Rind As If Beggars」リリース後は、活動休止状態でありました。2007年に活動を再開しますが、実際に注目を浴びるようになったのは「Eyes Rind As If Beggars」がリイシューされた2013年以降になります。その後、2016年には90年代未発表音源集「The Deep Niche」のリリースを経て、今回のEntlangへと繫がっています。先月のディスカホリックで書いていますが、The Garbage&The Flowersの入手困難と思われていた2016年のカセット音源も購入しています。そろそろ新作が聞きたいところですね。


The Garbage&The Flowersについて、2013年にこんな記事も書いてました。


 

P.S.                                   Entlangのメンバー写真がない為、この記事の冒頭写真はThe Garbage&The Flowers Facebookのプロフィール写真です。因みに、Facebookのカバー写真はEntlang「The Four Sisters」が使われています。