ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

The Flowers Of Hellの“Outlanders”、これまでの15年の活動を振り返ると同時に今後の方向性も伺える1枚!

Sympathy For Vengeance by Flowers Of Hell | ReverbNation

REMY: Live: Venue change for Flowers of Hell 24th September, Bello Bar

カナダのトロントを拠点に活動しているGreg Jarvis率いるThe Flowers Of Hell。The Velvet UndergroundSpacemen 3の影響を受けつつも自分達のオリジナリティーを追求してきたバンドです。2006年のデビュー時は6人編成であったが、ホーンやストリングスなどのメンバーを増やして総勢16名の大バンドに成っていたこともあります。初期2作のサイケデリックでスペーシーなサウンドからホーンやストリングスを絡めたサード・アルバム。そして、カヴァー曲で作り上げたアルバムを経て、前作のネオ・クラシック・アルバムまで様々な変遷をたどって現在に至っています。本日は、彼らの6作目となる新作CDがリリースされたので紹介したいと思う。

 

The Flowers Of Hell / Outlanders

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本作は新曲も含めて、過去のアルバム曲のヴァージョン変更やミックス音源、カヴァー曲によるライブ音源を中心に収録されています。The Flowers Of Hellの集大成といったコンピレーション盤です。スリーブのクレジットを確認すると、ファースト・アルバムの“Opt Out”(Edit)には元Spacemen 3のWill Carruthers、セカンド・アルバムの”White Out“ (Full Version)には昨年2月に亡くなった元Patti Smith GroupのIvan Kralの名前が記載してあることを今頃になって確認してしまった。さらに、元Spacemen 3のSterling Roswell が2020年のロックダウン直前のロンドンでのライブ音源で、ドラマーとしてTake Me To The Other Sideを演奏しています。正直なところ、Sterling Roswellがミュージシャンとして活動していたことに驚いてしまった。こうした人選が出来るのもGreg Jarvisの人徳のなせる業なのでしょうね。

 

この他、ライブ音源として、2013年Lou Reedメモリアル・コンサートでのStreet Hassle、アルバム収録曲としてお馴染みの”Mr. Tambourine Man”のカヴァー曲もライブ音源で収録されています。新曲の方は2曲目“Solitary Closure”とラスト曲 “Karlheinz Tuning In”の2曲収録されており、よりドラッキーでサイケデリック感あふれる曲となっています。コロナの影響なのかGreg Jarvis一人で作り上げています。多くのメンバーが独自の活動も行っているため、集まれなくなっているのも確かです。そんな状況で製作されたアルバムであります。これまでの15年の活動を振り返ると同時に今後の方向性も伺える1枚です。

 

BandcampでこのCDを注文した時にGreg Jarvis本人よりコロナで直ぐに出荷出来ないとメールを頂き、何回かメールのやりとも行った私です。コロナなんかに負けてたまるかといった彼のメッセージも込められている気がする。初めてThe Flowers Of Hellを聴く方にとっては最適の1枚であることは言うまでもありません。デビュー時からフォローしてきた私にとっても充分に楽しむことが出来ました。

 

尚、2020年のライブ音源については、映像とセットでリリースする予定が有るようです。映像の方は22秒と僅かですがFacebookでアップされています。これを観ると8人編成となっています。リリースが待ち遠しいですね。


The Flowers Of Hellのネオ・クラシック・アルバム「Symphony No​.​1」は、4年前に書いています。