ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

Dire Wolvesのベーシストとしても活躍しているBrian Lucasのソロ・プロジェクトOld Million Eye

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サンフランシスコのサイケデリック・バンドDire Wolvesのベーシストとしても活躍しているBrian Lucasのソロ・プロジェクトOld Million Eye。ドローン、アンビエント、ミニマル、エレクトロニクスなど様々な要素を駆使してBrian Lucas流のサイケ感を醸し出しています。これまではセルフ・リリースやプライベート・リリースが中心でしたが、昨年後半からカセットをメインとしている各レーベルより3作品がリリースされています。今回はその3作品を中心にBrian Lucasについて語って行きたいと思う。

 

Old Million Eye / Smoking Holes(Cassette)

Invisible City Recordsより2020年12月にリリース。ベースとギターによるドローン・サウンドに瞑想的なキーボードが絡むダーク・アンビエントの世界。A面が2018年12月の録音で、B面が2020年8月の録音です。前編、後編といった感じで一つの作品として構築されています。動と静を巧くミックスしながらカオスティックに盛り上がる作品です。

  

Old Million Eye / Warm Alliance with the Outside(Cassette)

 

Feathered Coyote RecordsとEiderdown Recordsの共同で2021年2月にリリース。ギター、パーカッション、キーボード、ストリングスなどの音が万華鏡を覗いたような感じでループしながらミニマルに鳴り響いています。そこに、Brian Lucasの浮遊感あふれるヴォーカルが絡んでいます。Brian Lucas流のサイケデリック感を堪能出来る不思議な世界。

 

Old Million Eye / Set & Drift(Cassette)

 

Misophoniaより2021年4月にリリース。これまでのBrian Lucasが築き上げてきたOld Million Eyeの世界を纏めた感じのアルバムとなっています。ドローン、フォーク、アンビエント、テープ・コラージュなど、様々な要素を取り入れながらローファイで神秘的なサイケデリック感を醸し出している。集大成とも言える傑作です。

 

私がBrian Lucasを知ったのは、90年代のエクスペリメンタル・バンドMirzaであります。1997年Darla Records のアルバム Anadromous(The Bliss Out Vol. 7)でデビュー。このブログで何回も取り上げているギタリストSteven R. Smithやサンフランシスコのインディーズ界のポップ職人と言われるGlenn DonaldsonもMirzaのメンバーです。Brian Lucasはこの2人に比べると少し影が薄かったかも知れませんね。ただし、Mirzaのアートワークやライナーノーツを手掛けていたのはBrian Lucasです。Mirza解散後はOld Million Eyeの活動を含めて様々なことを行っていたのですが、あまり情報が入って来なかったのが現状です。Brian Lucasは2014年ぐらいからDire Wolvesに参加しています。その時に彼の存在を再確認したのです。以前にOld Million EyeのCDRを購入時に、本人とメールのやり取りを行った。その時にMirzaのファンでしたと書いたら驚いていました。

  

Mirza / Anadromous (The Bliss Out Vol. 7)からの1曲。メチャ格好いいです!

 

Dire Wolvesについては、以前Excursions To Cloudland(2017年)、Oceans Of Green(2017)、Paradisiacal Mind(2018年)の3枚のアルバムを取り上げています。

 

Brian LucasはOld Million Eye、Dire Wolvesの活動と並行して2019年よりAngel Archerとしても活動しています。Brian Lucas の他にSheila Bosco(Dire Wolves)、Gregory Haganの3人組です。間もなくセカンド・アルバムがリリースされます。現時点では1曲のみの公開となっています。こちらも楽しみです。

  

Brian Lucasはビジュアル・アーティストとしてもマルチに活動しています。