ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

Aksak Maboulの新作は、オーディオ・ラジオドラマといえるコンセプチュアル作品です!

1977年にMarc Hollanderのソロ・ユニットとしてスタートしたベルギーのAksak Maboul。40年ぶりのリリースで話題となった2020年のカムバック作 “Figures” に続く新作が、自身のレーベルCrammed Discsより ”Made To Meadure” シリースの第48作目としてリリースされました。この ”Made To Meadure” とは、映画、演劇、舞踏、展覧会などの為に制作された音楽を中心としています。新作はVéronique Vincentのテキストを元に、オーディオ・ラジオドラマといえるコンセプチュアル作品となっています。

 

Aksak Maboul / Une aventure de VV (Songspiel)

主演であるVéronique Vincentは、森の中を旅しながら歌を披露し、様々なことを語り、鳥たちや木々などと会話もしております。その相手役としてAksak Maboulに深く関わってきたミュージシャンたち、Family FodderのAlig Fodder、TuxedomoonのBlaine L. Reininger、Aquasergeの2人Audrey Ginestet & Benjamin Glibert、StereolabのLaetitia Sadier、Don The Tigerが、歌や語り、対話でゲスト出演している。

 

そして、現在のAksak MaboulのサポートメンバーであるErik Heestermansがドラムス、Lucien Fraipontがギター、Marc HollanderとVéronique Vincentの娘Faustine Hollanderもヴォーカルやギターとして参加。作曲、プロデュースはMarc Hollanderが行っており、ピアノ、オルガン、サックス、クラリネット、エレクトロニックス、フィールドレコーディングなどを駆使して多彩な音楽性を演出している。このドラマ出演者全員に対して、キャスト名が付いてるのも本格的で面白い。

前作 “Figures” が、StereolabAnimal Collectiveといったオルタナティブ的な雰囲気を醸し出していた。それに対して “Une aventure de VV (Songspiel)” は、より原点に戻ったような感じでファースト・アルバム “Onze Danses Pour Combattre La Migraine” を思わせる。ファーストは様々な思いを詰め込んでいたが、今回は物語としてのストーリー性を維持しながらアヴァンギャルドでポップに鳴り響かせている。Aksak Maboulらしさが反映された魅惑的なサウンドです。

 

 

前作 ”Figures” について書いています。