ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

La Tèneのスピリチュアルなドローン・エスノフォーク!

民族音楽をモチーフにミニマルなドローンミュージックを展開しているLa Tène。手回し器具のついた弦楽器のハーディ・ガーディ担当のフランス人Alexis Degrenier、ふいごを付けたオルガンのハルモニウムとエレクトロニクスを操るスイス人D'incise、トライバルなパーカッションを掻き鳴らすスイス人Cyril Bondiの3人が奏でる中毒性の高いサウンドが、ロックファンをも唸らせてきた。彼らの5年振りとなる4作目がリリースされました。

 

La Tène / Ecorcha​、Taill​é​e

スイスのレーベルLes Disques Bongo Joeよりレコード、CD、カセットでリリース。La Tèneはレコードで聴くしかないと思い、私はレコードで購入しました。A面に18分半のL'EcorchaとB面に14分半のLa Taill​é​eによる2曲を収録しています。前作 “Abandonnée、Maleja” と同様に、12弦ギター奏者Guilhem Lacroux、ベース奏者 Jeremie Sauvage 、2人のバグパイプ奏者 Jacques Puech、Louis Jacques、の4人が参加しての7人編成によるアンサンブルです。

 

これまでの流れを継承しつつ、繊細で大胆な作りとなっている。オーバーダブなしのライブ感覚を活かした録音ということで、各メンバーの力量や職人技が見られ、より一層スピリチュアルでドローン・エスノフォーク的な雰囲気が満載です。先人たちが築き上げてきたミニマルな世界に様々な要素をぶち込んで進化した1枚。もっと多くのリスナーに聴いて貰いたいと思うLa Tène の傑作アルバムです。

 

リリース元Les Disques Bongo Joeの情報によると、本作はフランスの民俗学者Félix Arnaudinが1883年に見出したキリスト教の歌 “La Passion” とスペインの女性シンガーソングライターRosalíaの2022年のヒット曲 “Saoko” にインスピレーションを得たと書かれている。ユーチューブに音源があったので確認して思わず納得しました。La Tèneサウンドの過去と未来を繫ぐ音楽性も興味深いです。