ディスカホリックによる音楽夜話

好きな音楽について駄文ではありますが、あれこれ綴って行こうかな。

スウェーデンのDan Johansson率いる音楽ユニットEnhet För Fri Musikに嵌っています。

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スウェーデンのアンダーグランド・シーンをこのブログで色々と取り上げてきた。今回はヨーテボリを拠点としたDan Johansson率いる音楽ユニットEnhet För Fri Musikを取り上げます。80年代からインダストリアル、ノイズ、パンク、フォークなど様々なバンドにて音楽活動を行ってきたDan Johanssonは、2010年代より彼を中心にバンドやユニットが形成されて行きます。Enhet För Fri Musikもその一つでありますが、ここを基軸にして派生的な活動が広がっているのも確かのようです。

 

このEnhet För Fri Musikのメンバーとして、このブログでも取り上げているBlodことGustaf Dicksson、Dan JohanssonとバンドAmateur Hourを組んでいるHugo Randulv、Arv & Miljöとしてソロ活動を行っているMatthias Andersson、LedaことSofie Hernerが、参加している。各面々、いずれも素晴らしい活動を行っており目が離せない状況です。

この動向を早い段階から察知してきたのが、地元ヨーテボリレコード店も営んでいるレーベルDiscreet Musicです。Enhet För Fri Musikにちなんで、Förlag För Fri Musikというサブ・レーベルも立ち上げている。ここからDan Johansson周辺のアーティストやバンドのアルバムをリリースしている。少量生産のため、すぐに完売となりDiscogsあたりで高値取引されている。欲しい作品が多くあるのですが、悩むところです。

 

Enhet För Fri Musikの作品は、これまでに6タイトルリリースされているが、何とか3作品をレコード購入することが出来た。

 

Enhet För Fri Musik – Ömhet & Skillsmässa

2021年リリースされた今のところの最新作。“優しさと離婚” と題された本作は、彼ら自身の言葉で人間関係、家族の価値観についてのコンセプトアルバムです。様々な情景を短めにコラージュさせながら、矢継ぎ早に展開された全18曲。常識にとらわれずにフォーク、ポップ、ノイズが、かき鳴らされている。Sofie Hernerの囁くようなヴォーカルに絡む自由な即興演奏が不思議な世界へと導いてくれます。

 

Enhet För Fri Musik – Dokument 1:Improvisationer Och Bandmusik För Vilt Dansande Själar

2015年リリースの本作は、1960年代のフリージャズと2000年代のフリーフォーク・ムーブメントの雰囲気を持ち合わせた内容となっている。もっとジャズぽい作品にする予定であったが、皆で酒を飲んで酔った勢いで録音した為にこうなったとメンバーは話しています。酩酊感にドップリと浸かったローファイでジャンクなフォーク・ジャズといったアルバムです。製作過程が垣間見ることが出来る傑作!

 

Enhet For Fri Musik - Inom Dig, Inom Mig

2015年リリースのカセットテープ作品をベルギーのレーベルAguirre Recordsよりヴァイナル・リイシュー。本作がEnhet For Fri Musikとしての初アルバムかな?幽玄なアシッドフォークを展開しています。圧巻なのは18分を超えるラスト曲 “Det Ordnar Sig Ska Du Se” です。Sofie Hernerのヴォーカルが呪文のようにループを描いてアウトサイダーへと逸脱するサウンドは必聴です!

 

尚、Dan JohanssonはSewer Election名義でソロ活動も行っている。こちらはインダストリアルでノイジーサウンドを奏でている。そのほか、様々なバンドやコラボレーション・ユニットでも活動を行っており、スウェーデンのアンダーグランド・シーンにとって今や大人気のミュージシャンなのです。今後もDan Johanssonを注目していくしかないですね。

 

 

 

Enhet För Fri MusikのメンバーでもあるGustaf DickssonのソロユニットBlodについて書いています。